ネッタイムス・ブログ

戯れ言や与太話、何でも御座れ。

スイス銀行に振り込んでくれ

2011-03-02 00:44:59 | 様々な話題
殺し屋が主人公の漫画「ゴルゴ13」で、主人公のデューク東郷が依頼主から仕事を頼まれ、交渉が成立すると「報酬はスイス銀行の口座に振り込んでくれ。」と、言うシーンが有る訳だ。
何故にスイス銀行なのかと言えば、スイスの銀行は徹底的な銀行秘密主義で、顧客の口座情報等を守秘義務を盾にして守って来た実績がある。
故に犯罪で稼いだカネで有ろうが、脱税目的で預けているカネで有ろうが、それらの不正な資金の存在がバレない。
よって、胡散臭い連中から重宝される訳だな。因みに実際にはスイス銀行と言う名の銀行は存在せず、スイス国内にある銀行の事なので、お間違えの無い様に。

そんな完全秘密主義であるスイスの銀行だが、ジャスミン革命のチュニジア、ムバラク政権が崩壊したエジプト、内戦状態のリビアの独裁者とその一族等の資産を相次ぎ凍結したのだ。
スイス外務省は、リビアの最高指導者であるカダフィ大佐と家族や側近が所有する全資産を凍結すると発表し、リビア側は敵意の証明だとして猛反発している。
スイス政府はエジプトのムバラク政権が崩壊した30分後に、国内の銀行にムバラクと家族、側近計11人の資産を凍結する様に命じ、1月にはチュニジアのベンアリ前大統領の銀行資産6億スイスフランを凍結したのだ。

スイスの銀行守秘義務は数百年の歴史があり、1935年にスイスの法律で、全ての国内銀行に守秘義務が課せられた。
しかし、世界中の怪しいカネがスイスの銀行に集まる事や、独裁者の不正資金が集まる金庫として使用される事に国際社会の批判が集中した訳だ。
それらの悪評を改善する為に徐々に秘密主義を解除しているのだが、そうなるとゴルゴ13ことデューク東郷や、ルパン三世も困る事になるな。

そうなると、ケイマン諸島等のタックスヘイブンに移るだけかも知れないが、映画やドラマ、そして小説等でお馴染みの「スイス銀行」が使われなくなるんだろうかね。
まぁ、庶民の預金には関係無いんだろうが、時代の流れを感じる訳だが、悪い奴等にとっては、悪いニュースと良いニュースが一度に来た様なもんだな。
悪いニュースは、資金の隠し場所に困る事で、良いニュースは、報酬の振込先に困ったゴルゴ13が遣る気を無くせば、ゴルゴ13に狙われなくなるかもね(笑)。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】