「賀茂の古道を歩く会」通信

平成29年度に発足した「古道を歩く会」案内人からのお知らせページです。会は令和6年3月に解散しました。

地上げ坂を探して パート2

2020年03月26日 23時03分44秒 | お知らせ
宮が原から地上げ坂を上る際、平成10年度西伊豆町発行の『古道』では、旭滝の東側(沢の左岸)を通るように記されています。

ということは、私は旭滝の西側(沢の右岸)にあるブルドーザー道に誘われて入ってしまったため、間違った道を入ったことになります。

そこで営林署の看板にあった道と照らし合わせて、改めて地上げ坂へに取り付いてみました。

まず宮が原に入り、取水施設「わさびの駅」を通り過ぎます。中華料理屋さんがあったところの橋を渡ると左に杉林があるので、適当なところから入ります。


辺りを見回しながら歩くと、低い石組みに囲まれた田畑と道の跡が見られます。そこが古道だと思います。




杉の倒木を踏み越えながらゆるやかに上っていくと、県道に出ます。


沢を渡る白い橋の手前に、斜めに山に入る古道が見えます。ピンク色のペンキが塗られた杉の木も数本見られます。あとはこのペンキの目印のついた杉の木を探しながら上っていけばよいのです。




これで、私の中の「宮が原から猫越峠まで」の地上げ坂古道がつながりました。


次は、宮が原から猫越峠までの本道「宮が原歩道」を紹介します。乞うご期待!
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西伊豆町の「地上げ坂」を探して

2020年03月26日 21時42分33秒 | 記録
静岡県賀茂郡西伊豆町の宮が原にあるという「地上げ坂」は、かつて年貢米を舟で運ぶことを禁じられ、山越しで運ぶことを命じられた百姓たちが、その辛さに精根尽き果てて『こんな思いをするなら土地を領主様に上げてしまった方がよい。』と話し合ったことからついた坂名である、と伝わっています。

その地上げ坂がどこにあるかずっと分からなかったのですが、西伊豆町教育委員会が平成10年に発行した小冊子『古道』に「あさひ滝の横の道(地上げ坂)を通って宮が原歩道へ行く道もあったそうです。」という記述がありました。


簡単な地図も載っていたので、地上げ坂の姿だけでも見たいと思って、出かけました。




車を近くの林道に駐めて滝を探すと、それらしい道がありました。さっそく上っていきましたが、10分ほど歩くと崖に突き当たって道が消えてしまいました。どうやら県道から入る道は、工事用のブルドーザー道の名残りのようです。




手にしていた電子地図で見ると、古道は沢沿いに上っていくのが正しいように思えます。


辺りを見回すと、あ、対岸に古い石垣があります。明らかに人の手が入っているので、道があるかもしれません。そう思って沢を渡って杉林を登ると、あったーっ、道が現れました! 集落から近い、この辺りが地上げ坂と思います。




杉の木の幹にピンク色のペンキで「小草沢」と書いてある木がありました。地上げ坂のある古道の名前なのでしょう。行く先々の木にピンクの印がつけてあるので、迷わずに済みました(ただし町によっては高圧電線の鉄塔に導く印もあるので、要注意)。


それにしてもこの道はところどころで細くなったり崩れたりしていて、気が抜けません。トラロープを伝って沢を渡る所も数か所あり、スリルを味わいました。しかもずっと上り坂! この道を年貢米を背負って上るなんて、苦行以外の何物でもありません。


















そうしてひたすら上ることきっかり2時間。やっと滝見林道に出ました。ここから猫越古道の入り口は近いところにあるので、林道ができる前は道がそのままつながっていたと思われます。


前回の滝見林道にある猫越古道入り口から峠まで歩くのには1時間10分かかりましたから、林道を歩く時間を含めて、宮が原の集落から猫越峠までは3時間20分かかることになります。

さらに猫越峠から猫越や水抜の集落に行くには1時間以上かかるでしょうから、西伊豆から中伊豆への昔の旅は時間がかかったということでしょう。

でも歩いてみた感じでは、崩落している所はあるものの、古道は定期的に手入れされており、ピンク色の表示に沿って歩けば宮が原から迷わずに猫越峠に行けると思いました。だけど、決して一般向けの道ではありません。もう一度歩いて、と言われたらイヤです。

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物言わぬ道標

2020年03月26日 14時18分20秒 | 日記
この道標は、南伊豆町の一色から子浦に通じる古道の途中に立っています。表に「右 こうら 左 やま」と書いてあります。横には昭和3年に立てた、と書いてあります。

今はもう歩く人がないので、誰もこの道標を読みますまい。でも、何も言わずに道標は立っています。

願わくばこのまま失われずに、かつて人々が往来した時代があったことを伝えてほしいと思います。
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なぜ猫は

2020年03月21日 21時03分54秒 | お知らせ
なぜ猫は私が新聞を読もうとするとのっかるのかなー。
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下田市の下大沢から上大沢まで、古道を歩いてきました

2020年03月21日 02時31分08秒 | お知らせ
このところ風の強い日が続いているので、古い道を歩いていると木々がざわざわと揺れて、淋しいこと、この上ありません。

そんな中ですが、下田市の下大沢の奥から古道を歩いて上大沢の奥まで往復してみました。下大沢は、昨年、横川のおふくろまんじゅうのお店の辺りに下りる古道をあるきましたね。



まず下大沢の奥まで行きます。とても静かな集落です。


途中で出会ったのは、夏みかんを収穫している男性1人のみ。「こちらが横川の太梅寺にいく道だけど、荒れているから歩きにくいでしょうよ。」ということでした。見ると、枯れ竹が幾重にも倒れ込んでいて、いかにも歩きにくそうです。




そちらは別の機会に歩いてみることにしてお礼を述べ、峠から尾根伝いの道を西に歩きました。




20分ほど歩くと、栗の木峠があります。ここは、北に行くと横川、西に行くと一條、南に行くと上大沢につながる、交通の要衝なのです。


そしてお地蔵様にあげられた硬貨を見ると、なんと寛永通寶! 江戸から明治時代まで260年あまり流通した硬貨らしいので珍しい品ではないようですが、よく残ってましたねー。


下大沢の一番奥には数軒の家がありましたが、とても静かでした。


次回は栗の木峠から元の玄通寺があった場所を通って、一條まで歩こうと思います。 
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