ねここねこの家

Canaries 〜心の囀り〜 第8話 「守る意味」

第8話 「守る意味」

 

完全に寝ている状態だとサラは思っていた。

確かにパジャマに着替えて…

サラが頭を振るとそこは草原でもない、溶岩の塊のような場所が広がっている。

 

「サラ!夢じゃないの!」

 

セセリナが遠くで話す声が聞こえる。

目の前にはいないが声だけ聞こえた。

なぜか頭を叩いたが痛い、本当に夢じゃない。

 

「アイザック助けて!セセリナ?」

 

サラが必死に走りながらその場から消えようとする。

 

「惑わしの場所だよ。私はラト。君を試そうとしてね」

 

うっすら笑みを浮かべた男性がいる。

あの黒いのじゃない。

大人の雰囲気があり、アイザックやサラ自身より年上なのは分かった。

 

「消えなさい!ラト!」

 

セセリナが遠くから走ってくる。

ラトと名乗る男性の叫び声とともに、場所は部屋だった。

 

「大丈夫?あの男の目的は夢と思わせること。惑わしているだけなのよ」

 

セセリナが部屋にいる奇妙な光景。

夢じゃないなら当たり前なのか、とあっさり納得した。

 

「あのバカ!臆病者のくせに惑わそうだなんて!」

 

サラはその言葉に思わず笑ってしまった。

 

「アイザックは?ここ何日か見ていない気がするけど…」

 

サラの言葉に頷きながら話し出すセセリナ。

 

「アイザックがどうより、まずは私の説明をするけど…」

 

説明は簡単だった。

ラトや他の惑わす存在から守るのが役割だと。

 

「私…正直言って、最初は守る役は当然と思った。でもね。サラは変よ」

 

セセリナに言われ戸惑うサラ。

 

「あなたアイザックが好きなだけでしょ?他には?ノクスには他にも人がいるのよ?」

 

確かにサラにとってノクスの存在は、アイザックに会えるだけかもしれない。

 

「…もっとノクスのことを知らないと。ザメフィスにのまれるわ」

 

サラはまたその名前が出て聞こうとすると、風が吹いた。

部屋の書類があっちこっちに散らばる。

 

「守る意味を無くさせないで!」

 

その言葉を残して消えたセセリナ。

残ったのは散らばったサラの部屋の書類だった。



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優しく頼もしい主人とねここねこ。猫ちゃんず(しまちゃん♀おおちゃん♂さきちゃん♀)と生活中。

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