野中ともよ氏の会長兼CEO起用という仰天人事を発表した三洋電機。市場では「現経営陣の責任を隠し、井植敏会長が院政を敷くための姑息な人事」と厳しい見方が根強く、業績回復も疑問視されている。
野中氏は平成14年に社外取締役に就任。「取締役会で積極的に発言していたのは、井植敏雅新社長と野中さんだけ」(業界関係者)という。
ジャーナリストや社外取締役、政府委員として外部からチェックする経験は豊富な野中氏だが、CEOとしての経営手腕は未知数だ。
三洋は現在、デジタルカメラなどOEM(相手先ブランドによる生産)に頼ったビジネスモデルからの脱却が経営課題の1つ。「野中氏は、三洋のブランドを確立するための発信役を担うのではないか」(神戸大助教授の長田貴仁氏)との見方もある。
しかし、野中氏は業績が落ち込んでいる本業のエレクトロニクスに関しては、「ド素人」(前出の関係者)。
井植敏会長も自著で、野中氏を社外取締役に招いた理由を「社員に金融知力を身につけさせるお手伝いをしていただきたい」と語っており、そもそも本業での寄与は期待していなかった。
ある電機担当アナリストは、「一般人の野中氏をトップに置けばマスコミの注目も集まり、現経営陣が責任追及されないという姑息な狙いではないか。また、主婦受けを狙ったかもしれない。だが、目先を変えるだけで井植親子が実権を握り続けるのでは、市場の印象も悪いだろう」と冷ややかに語る。
同業他社は「特に感想はございません。過去に別段関係があったわけでもないですし」(東芝)、「他社さんのことですから」(ソニー)、「そういう(他社関連の)コメントは出さないことにしています」(シャープ)、「コメントするのは難しいですね」(松下電器)と公式コメントは淡々としたもの。
しかし、本音は違うようで、「おえ~!? 知りませんでした」と素っ頓狂な第一声を挙げた社もあった。また、「へえ、そうなんですか。ビックリしますよねえ。ソニーさんのときは想定内でしたが、今回はまったくの想定外」と明かす社もあり、インパクトは相当なものだったようだ。
ZAKZAK 2005/04/08
野中氏は平成14年に社外取締役に就任。「取締役会で積極的に発言していたのは、井植敏雅新社長と野中さんだけ」(業界関係者)という。
ジャーナリストや社外取締役、政府委員として外部からチェックする経験は豊富な野中氏だが、CEOとしての経営手腕は未知数だ。
三洋は現在、デジタルカメラなどOEM(相手先ブランドによる生産)に頼ったビジネスモデルからの脱却が経営課題の1つ。「野中氏は、三洋のブランドを確立するための発信役を担うのではないか」(神戸大助教授の長田貴仁氏)との見方もある。
しかし、野中氏は業績が落ち込んでいる本業のエレクトロニクスに関しては、「ド素人」(前出の関係者)。
井植敏会長も自著で、野中氏を社外取締役に招いた理由を「社員に金融知力を身につけさせるお手伝いをしていただきたい」と語っており、そもそも本業での寄与は期待していなかった。
ある電機担当アナリストは、「一般人の野中氏をトップに置けばマスコミの注目も集まり、現経営陣が責任追及されないという姑息な狙いではないか。また、主婦受けを狙ったかもしれない。だが、目先を変えるだけで井植親子が実権を握り続けるのでは、市場の印象も悪いだろう」と冷ややかに語る。
同業他社は「特に感想はございません。過去に別段関係があったわけでもないですし」(東芝)、「他社さんのことですから」(ソニー)、「そういう(他社関連の)コメントは出さないことにしています」(シャープ)、「コメントするのは難しいですね」(松下電器)と公式コメントは淡々としたもの。
しかし、本音は違うようで、「おえ~!? 知りませんでした」と素っ頓狂な第一声を挙げた社もあった。また、「へえ、そうなんですか。ビックリしますよねえ。ソニーさんのときは想定内でしたが、今回はまったくの想定外」と明かす社もあり、インパクトは相当なものだったようだ。
ZAKZAK 2005/04/08