今ではもう時刻表が代わったからか見かけないが、毎朝決まって見掛けていたおばあちゃんがいた。
私が駆け足で地下鉄の駅に向かっていると、ちょうど逆方向からバスが来る。私が息切れして駆け足を徒歩に代えた頃にバスが停車する。そのバスから小さな小さなおばあちゃんがやっと出てくる。定位置で止まるとじっとバスの方をみる。
バスがちょっと動き出したとき、おばあちゃんは決まって小さな右手をあげてバイバイの合図をする。表情も変わらない。でも、しばらく上げている。運転手さんにバイバイしてるのだろうか、それともバスに?それか乗客の誰かに?
ふとバスの車内をみると、乗客のほぼ全員が穏やかな表情をしていた。
誰でもよいか、おばあちゃんはとにかくみんなを柔らかくしていた。
自分の表情も柔らかくなり、私は遅れた時間を取り戻すべく地下鉄の駅に走った。
私が駆け足で地下鉄の駅に向かっていると、ちょうど逆方向からバスが来る。私が息切れして駆け足を徒歩に代えた頃にバスが停車する。そのバスから小さな小さなおばあちゃんがやっと出てくる。定位置で止まるとじっとバスの方をみる。
バスがちょっと動き出したとき、おばあちゃんは決まって小さな右手をあげてバイバイの合図をする。表情も変わらない。でも、しばらく上げている。運転手さんにバイバイしてるのだろうか、それともバスに?それか乗客の誰かに?
ふとバスの車内をみると、乗客のほぼ全員が穏やかな表情をしていた。
誰でもよいか、おばあちゃんはとにかくみんなを柔らかくしていた。
自分の表情も柔らかくなり、私は遅れた時間を取り戻すべく地下鉄の駅に走った。