ヒーリング・即興作曲ピアニスト中谷幸代のありのまま気まぐれブログ

心のままに奏でたピアノ曲と共に、日々の気づきや感謝、祈りを綴っています。たまに育児奮闘記。二児の母

かたりべ ~大切な子供たちへ~

2010-08-24 12:20:57 | 【その他】日々のつぶやき
お盆中、主人の故郷の和歌山でかわいい甥っ子Aくんと遊んでいました。

平和に幸せなひとときだなぁと思っていると・・・



グラグラグラ・・!!

大きな地震がありました。


急いでテレビを付けましたがなかなか速報は出ず、

やっと出たと思ったら 震度1とのこと。



もっと大きかったように思ったけど・・・。



お義母さんは 4歳のA君に

「さっちゃん(私のこと)のおうちはね、神戸で地震でつぶれたんだよ」

と伝えました。


「つぶれたって何で??どんなふうに??」


私「グラグラってなってドーンってなって高速道路が倒れたんだよ。

その近くにさっちゃんの家があっておうちがつぶれたの。」


「なんで~?そんなに揺れたん??どんな感じ??」


「写真あるよ。みたい?」


「うん」



ちょうど持ってきていた資料があったので

見せてあげました。


「これなんなん?高速つぶれたら車はどうなったん?」



私は 主人の描いた絵本『さっちゃんとピアノちゃん』を持ってきて読んであげました。

いつもは他の方に読んでもらって私は即興音楽を付けているので

私自身が声を出して読んだのはこれが初めて。


自分の話だからいろんなことを思い出しましたが

優しい絵なので落ち着いて読むことができ、 

子供にも分かりやすい言葉で表現してくれている

この絵本があって良かったと思いました。


車に興味のあるAくんは


「なんで消防車きたのに助からないの?水は出なかったん?」


幼いAくんのいろんな質問にひとつひとつ答えながら お話を進めていきました。

そして助けてくれたピアノの最期の絵を見ているとき

本物のピアノの破片を見せてあげたり色んなお話をしました。


Aくんは、その後 地震に興味を持ち、どう揺れたらそうなるのか

地震の揺れを見たがったので

いろいろな国で起きた地震の動画を見せてあげると、何度も真剣に見ていました。


その後日も、Aくんは地震の話を聞いてくるようになりました。


いつもはいろんなところでお話とピアノで伝えているものの

なかなか会えない甥っ子にはいつか時期が来たら話そうと思っていました。


私は家族で被災したし、まだ子供がいないから身内で伝えることは主人くらいだったけど、

きっとみんなこうやって伝えていっているんだろうな。



戦争のこともそうだと思う。


その時を体験した方々のお話を聞くことで 

たとえその方が ただ黙っていたとしても 胸にある想いを感じられるし

本や写真やテレビで見たよりずっとずっと心に残ることがある。


以前おじいちゃんのお通夜で夜交代で起きている時、

おじいちゃんの弟さんと一緒になりました。

おじいちゃんとは戦争も共にしたと聞いたので

色んなつらい経験をされているから 聞いていいものか戸惑いながらもこちらから尋ねると

たくさん思い出していろんな貴重な話を聞かせてくれました。


そのおかげか 先日、病院にお見舞いに行った時も

何度も会ったことない 私のことを覚えてくれていたりしてびっくりしました。


心にある大切なお話を聞かせていただいたことで 

心と心の交流が生まれたように思います。


話すことは放すこと という言葉を聞いたことがありますが

本当にそんな気がします。


ずっとひとりで抱えていては重くて苦しくても

自分から人に話す(放す)ことで心が楽になって

また発見があったり、新しい気持ちになれたりもします。



これからもいろんなかたから 色んなことを学びたいと思うし、

自分のした経験はきちんと伝えていきたいと思います。


改めていろんなことを感じたお盆でした。