厚生労働省は27日、日本国内に土着する「はしか(麻疹)」のウイルスが、過去3年間確認されず、世界保健機関(WHO)から”消滅”したと認定されたと発表した。日本の認定は初めて。
「はしか」はウイルスによって引き起こされる急性の感染症で、高熱や発疹が出るほかに、最悪の場合、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症し、死亡する場合もある。
かつては小さい頃に感染し、自然に免疫を得るのが一般的だったが、ワクチンの予防接種を受ける人が増えた結果、自然感染率が下がり、10~20代では一度も予防接種を受けたことのない人の割合が増えている。
2007年から2008年には10~20代を中心に大流行し、患者数が2008年に1万人を超えたことから、厚労省では通常ならば1歳と小学校入学前が対象のワクチンの接種を、2008年から5年間を期限として、中学1年生と高校3年生にも対象を広げて実施。この結果、国内で報告される患者数は徐々に少なくなり、2014年には463人まで減少した。
厚労省が全国で報告される症例の把握や、ウイルスの遺伝子検査を進めたところ、2010年5月以降、旅行者などから国内に持ち込まれたウイルス以外に、日本土着のウイルスは検出されなかった。これを受けて、WHOは「日本国内のはしかウイルスが排除状態になった」と認定した。
WHOは昨年、韓国やオーストラリアなど4カ国で排除を認定。今回は日本のほかにブルネイやカンボジアも認定された。
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