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私風徒然草

内部統制実施基準案その後

2006-12-23 22:13:47 | Information
前にこう書いた。

「実施上のガイドラインになると期待されている。」

また、先の記事に「(内部統制実施基準案は)非常にわかりやすい」というコメントをいただいたが、私の感想では「実務指針」にするほどには明快ではないと思った。ただ、米国(の失敗した、あるいは上手くいかなかったところ)を意識して、同じ轍をふまないようにするための措置(効果・効用がどれくらいあるかはよくわからない)がいくつかあることが特徴的である。

内部統制実施基準案の、その後の動向を見ると、11月21日に「公開草案」が出され、一般の意見が募集された。それも12月20日に終了した。おそらく、来年1月下旬(20日ごろか)に最終的に決定するだろうと予想する。

これから、年末年始の休暇を使って、私なりに公開草案を読み解いていくことにする。

その導入として、「おもしろい」と感じていることを述べたい。

いわゆるJ-SOX法で導入されたものは「内部統制報告制度」とよく言われるが、もう少し詳しく言うと「内部統制報告・監査制度」であった。

報告と監査でそれぞれ主体が異なる。主体は2つ。報告では経営者、監査では公認会計士や外部監査人といった外部監査人である。

単純に考えて、経営者は、自組織の内部統制について、「有効である」、「有効でない」という報告をなし得るとし、一方、外部監査人は、経営者の報告について、「適正である」、「適正でない」という意見をのべ得ると仮定する。

すると、その組み合わせは4とおり:
(1)経営者は「有効である」という報告-外部監査人は「適正である」という意見
(2)経営者は「有効である」という報告-外部監査人は「適正でない」という意見
(3)経営者は「有効でない」という報告-外部監査人は「適正である」という意見
(4)経営者は「有効でない」という報告-外部監査人は「適正でない」という意見

(4)は、おそらく、まずあり得ないのではなかろうか。(1)は理想というか、内部統制が良好に構築されている場合、(2)は内部統制に不備が見つかった場合であろう。

おもしろいのは(3)の場合。外部監査人が確かに内部統制は有効でないというお墨付きを付与することがあるということ。監査報告書の結論だけを見て判断すると見誤ることになるかもしれない?