武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

膝の具合に関するご報告

2021年04月12日 | ご挨拶
横須賀湘南支部の責任者であり、各道場での稽古指導を行っている私(森)の最近の膝の具合に関して。


日々の稽古指導において、また最近では日中の勤務中などでも、関わる周りの皆さんに膝の状況に関して心配する声をいただいており、私としても、いつまでも完治しない膝の怪我で皆さんにご心配をおかけしていることを心苦しく感じています。


「膝の怪我」、というのは武道系の競技に限らず、一般のスポーツでも痛めることが多い部位でもありますが、膝を捻る動作の多い蹴りや投げ技、関節技も含めて、総合的に体を使う大道塾では、やはりそれなりにリスクが高く出てしまうのは仕方のないところかもしれません。

とはいえ、現在の各道場の稽古内容は、一般的な学校の部活動などで行う競技スポーツほどには体を追い込むことはなく、こうした怪我が起こらないように細心の注意をしながら稽古を行っています。


支部内の各クラスの稽古では、試合に勝つための稽古を中心に行ってはおらず、あくまでも大道塾の技術の基礎を学び、ある程度の技をしっかりと身に着けるための稽古を中心に行っているため、長期的に継続していくことで、無理なく少しずつ体力がつき、バランス能力が向上し、筋力も少しづつついてくることで、丈夫な体を作ることが望めます。

一人や二人の才能のある一部の選手が短期間に強くなるための稽古と、稽古生の全員が時間をかけて無理なく少しずつ上達をしてく稽古とは、内容が大きく異なる、ということです。

しかし私の世代やそれ以前の選手たちは、稽古体系が確立されていなかったこともあり、理にかなった学びではなく、ただただ闇雲に、ムキになって限界に挑戦するというようなトレーニングを自己流で行っていることが多く、ある程度の力はつくものの、どうしても体に無理な負担がかかり、体を壊してしまうという傾向が多くみられました。

そうした自身の経験をもとに、現在の稽古体系ではなるべく体に無用な負担を掛けず、またこれが大切な部分ですが、精神的にも無用な負担を掛けずに、また精神的に孤立しないように、常に稽古に参加する一人一人が楽しむ気持ちを無くさないよう、かなり工夫をした稽古体系をとっています。

そのため、短期間でぐっと実力が向上することはありませんが、中長期的に見れば、かなり技量的にはレベルアップが望め、道場という一体感と自己修養の満足感の得られるような稽古体系を目指して活動しています。


かくいう私は、現役時代には長期的に見て特定の指導者を持たず、自分一人の世界に入り込み、自己流のトレーニングで体に無用な負荷を掛けすぎてしまったおかげで、体に、そして精神的にも大きな負担がかかり、現在のように怪我をしやすい状況を作ってしまいました。

しかし、これまでの状況を改めて振り返り、私なりに自己分析をして、今後の治療の方向性もしっかりと見定めるようにしています。



私は現在、左膝を負傷しています。

以前からこの左膝の故障を幾度となく重ねておりますが、元々は若い頃のスキーでの事故による靱帯損傷に始まります。

その怪我の時は、スキー靴の先端のみが固定されている走るためのスキー、いわゆる軍隊用のクロスカントリーのスキーを履いており、そのスキー靴はつま先の先端部分がしっかりと固定されているために、転んでも外れることのない作りになっていました。

そのスキー板を履いて滑り降りる訓練中にバランスを崩して転倒したことで、膝から下があらぬ方向へひん曲がり、靱帯を大きく損傷しました。

その時は私自身が膝の怪我や靱帯損傷に関する知識を持たず、また同行した医師からもそうした治療を施されることもなく、自然に痛みが取れるのを待つと、いった方法で回復していきました。

また、自衛隊のレンジャー訓練時代の膝の怪我で、山岳想定中にビッコを引きながら、延々と長い距離を走り続けていたこともあります。

大道塾に入門してからは、得意の右の蹴りを鍛えるためにとミットの強打を延々と続けたことによる軸足となる左膝への多大な負荷、そして全日本の体力別を制してからは、目標を無差別選手権一本に絞って、大型選手相手の挑戦を続けていたことによる度重なる負傷。

そして、極めつけは、柔道の総本山での講道館でのかなり体重差のある相手との稽古での前十字靱帯断裂です。

この講道館で怪我をした時には誰の助けもなく、稽古途中で稽古の継続が出来なくなった自分のふがいなさに、悔しい気持ちで一人でびっこを引きながら、壁を伝いつつ、家路についたことを覚えています。


この後に、初めての膝の手術を経験しました。


その後も、膝へのダメージが続き、そのたびごとに保存療法で治療をしつつ大道塾での道場稽古を続けていましたが、もともと痛めていた左膝だけではなく、庇いながら負荷を掛けてしまっていた、逆の右膝にまで大きな負担がかかり、ついには両方の膝が悪化し、両膝の前十字靱帯が断裂するに至り、両膝の前十字靱帯の再建(太ももにある筋を取り出して、膝の中の前十字靭帯の代わりに縫合して取り付ける手術)を行いました。

その後も、半月板損傷や軟骨剥離、断裂した靱帯の残骸などの浮遊物や邪魔になる軟骨などの除去(クリーニング処理ともいう?)を何度か行い、結局、両方の足で都合5回の膝の手術を経験しています。


今回も膝の靱帯、もしくは半月板、もしくは軟骨のいずれかの箇所、もしくは複数の箇所の損傷があると考えていたため、手術による治療を想定していましたが、最初にお伺いした病院では、触診とレントゲン検査から、「靱帯は大丈夫そう・・」、「取り急ぎ様子見」とのことで、様子見となる。

それほど負荷を掛けるような運動はしていない状態で、一月経って更に膝の状態が悪化し、どうもおかしいと思い、MRIという検査を希望して、MRI装置のある病院で受診。

結局、再建した前十字靱帯が少し伸びて(損傷して)おり、半月板が水平断裂を起こしており、軟骨が削れて損傷していて、軟骨の下の骨にまで炎症が広がっている様子がうかがえる、、との医師のお話でした。

その日の治療は、膝にたまった水を抜いてステロイドというものを注射し、翌週に再度の膝の水抜きとヒアルロン酸の注射という治療を炎症が抑えられるまで継続していくとのこと。

まずは半月板を切除や縫合はせず、いわゆる手術は行わず、保存療法で試してみよう、ということになりました。


治療期間は長くかかりますが、半月板が切れていたり状態が悪くなっていても、なるべく除去をせずに残す方向で、保存療法で治療を行っていく方向での治療が最近の傾向だということです。


何よりも、しばらくの期間は運動を制限し、膝にかかる負荷を軽減することが求められており、一般部のクラスでは、ほぼ、私が実際に動いての見本は見せられず、どなたかうまく動ける人に動作の見本として実演してもらうようにしています。

そんなこんなで、その日からも最低限の稽古指導は続けていますが、比較的膝の状態が安定してきており、痛みはかなり軽減しています。


完全に炎症が収まるまでは、膝に無用な負担がかからないように注意し、最終的には時間がかかっても、元の動きができるレベルにまで回復を目指していく予定です。

まともに正座が出来ず、なんだか歩き方がおかしい、、、というような状況から、まともな姿勢と姿で、しっかりと動作ができ、戦える状態に戻れるよう、取り組んでまいります。


また自分のことばかりではなく、体が出来ていない子供クラスや、体に負荷がかかる一般部やシニアのクラスにおいても、稽古生の無用な怪我を避けるべく、最近の注意を図っていきたいと思います。

怪我をせず、そして怪我をさせず、、、実力を向上しつつも健康寿命を延ばせしていけるよう、心身のバランスの取れた修養を続けるべく、また皆さんにも続けさせられる環境を作るべく、努力していきます。



まあ、いろいろと言葉を継ぎましたが、簡単に申し上げれば、完治までにはかなりの期間がかかりそうですが、治療は現状で手順通りに進んでおり、皆さまご心配なく。

最終的に、半年から一年の長期スパンの計画で、元の状態の近くまでは体を戻していく予定です。


ずいぶんと長い報告になりましたが、一人の武道家として、自らの身をもって一つの道を示していきたい。


皆さま、宜しくお願い申し上げます。





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