武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

心から「ありがとうと」という言葉を伝えたい

2023年04月25日 | Weblog
新型コロナウィルスが猛威を振るい、社会に多大な影響を与えていましたが、ここにきて、感染リスクが徐々に小さくなり、マスクの着用の義務も緩和され、社会不安が徐々に回復しつつあることを感じています。

神奈川県内の、月の感染者数が500人を下回る時期になり、まさか自分が新型コロナウィルスで陽性になるとは思いもよらなかった中で、見事に感染してしまい、稽古を一週間ほどお休みすることになりました。

稽古生が多く参加されている中であり、せめて一般部だけでも稽古を継続したいと考えていたこともあり、指導代行で一般部の稽古は継続して行っていただきました。


指導員を設けているクラスもあれば、指導員を設けていないクラスもある中で、また皆さん忙しい春の時期でありながらも、指導できる技量のある稽古生の参加もあり、皆さんの協力の元、一週間の一般部の稽古指導を代行して行っていただきました。

横須賀湘南支部では、多いところでは20名ほどの稽古生が参加するクラスもあり、稽古生の技量に差がある中での稽古指導は、なかなか難しいところがあります。

何よりも、横須賀湘南支部では、だれ一人もこぼれない稽古、言葉を換えれば、稽古に来たくならない気持ちにならないような稽古体系を心がけています。

学ぶ意欲を継続できる稽古。

技量の差や体力・実力の差を各自に思い知らせるような、思いやりのない稽古ではなく、皆の努力が生かされるような稽古体系には、加減の施された稽古指導が必要です。

指導を代行していただいていても、こうした点にも留意した、実にバランスの取れた稽古をしていただける点が、とてもありがたい。


厳しいだけの稽古では、誰もがついては来られるものではありません。

組手などの攻防を行う稽古ばかりでは、体力のないものや不器用なもの、気持がそれ程強くなって居ない者はなかなか稽古が継続し辛くなり、稽古への参加者数は当たり前に減るばかりです。


しかし、私が休んでいた期間も、私が復帰した時点でも、実に多くの稽古生が稽古に参加していただけている事で、各クラスで、とても良い指導をしていただいていた事が感じられます。


やはりみなさん、実に頼りになります。



ある時期に、どこかで大会が開催され、支部から出場選手がいれば、必ず支部のどなたかが遠方まで応援に来てくれます。



審判講習会など、総本部行事で指導者が一般部の稽古を早退するときも、指導を代行して、とても良い稽古を行い、その後しっかりとした事後報告をしてくれる。


演武会に向けて、少年部や中学部の子たちへの基本動作の指導が必要となれば、上級者の皆さんが、熱心でとても丁寧に、それでいて実にやさしく的確な指導をしてくれている。


審査会スタッフが少ないとなれば、必ずどなたかが、「スタッフで参加できます・・」、「お手伝いさせていただきます・・・」、などと、多くの稽古生から声掛けを頂ける。


ちょっと出来すぎかな?

と思えるほどに、とても気のいい頼りになる、多くの稽古生に恵まれている事に、改めて感謝したい思いです。



「世界大会で少年部と中学部の集団演武会があるよ」、と声掛けすると、

「やります!」

「やりたい!」

「出来ます!」

と、多くの声がかかります。



多くの荷物運びや畳の準備、稽古後にミットの片付けや畳の片付けがあれば、みな率先して手を貸してくれる。



何だか心が感じられるんですよね。

思いやりの心というものが。


皆がみんな親切で丁寧な方ばかり・・・というわけではありませんが、人の心にも変化があり、素っ気なかった態度の子が親切で丁寧な態度に変わり、時に普段からイライラしていた様子の若者が、落ち着きを取り戻したかと思えば、気持のいい受け答えをしてくれるようにと、いい方向に変わっていきます。


いい稽古生に恵まれると、道場内に良い循環が生まれ、皆さんが過ごしやすいより良い環境が育まれてきます。



昨年の年度末の頃、追浜の小学6年生で、もうじき小学校を卒業するというある子が、

「中学生になったら忙しくなるからもう続けられないよ!・・・一緒にやめようよ・・・」

と周りに触れ回っていた子がいた影響か、

多くの小学校の卒業時期の子たちが卒業(退会)していきましたが、今年は4人の6年生の全員が継続となりました。

中学生は、卒業時期の子が4名中、3名が継続してくれることになりました。


久里浜少年部は、7名中、5名の小学6年生が継続となり、唯一人の中学生3年生も継続となる。


辻堂では小学校を卒業する年齢の子はいませんでしたが、3名の中学卒業生の全員が継続となり、部活や勉強と両立しながら、一般部稽古生として稽古に参加することになりました。


中学三年生で唯一、追浜道場を卒業することになった、黒帯を取得している女子の稽古生は、実に思いやりのこもった、温かい気持ちの感じられる手紙を残してくれました。


今後の自分の道である、”文学の勉強に専念するために” 道場を後にすることを選んだ彼女は、実に立派な稽古生でした。


選手クラスに所属していたものの、一度も大会に出場することもなく、団体の中でその存在を示し、活躍する場はありませんでしたが、普段の稽古では本当に頑張っていたその姿、その努力、その実力は、支部の多くの稽古生の一人一人の心に残っています。

またしっかりと考えて、自分の道を見つけ、自分で判断してわが道場を巣立っていきました。


個人のお手紙でもありますので、その手紙の文書の内容を皆さんに公表することはありませんが、本当に心のこもった、ありがたい文章です。

こうした子が育ち、巣立っていくことは、支部の誇りであり、本人にとっても関わった多くの稽古生にとっても、その先輩や後輩にとっても、指導者である私にとっても、実にありがたく感じています。


世の中に貢献できる、武道をしっかりと学んだといえる、誇りある卒業生です。



その他、継続する稽古生からも、卒業に際しての文書を数名から頂いています。

そこに残されたその言葉が、その言葉を紡ぎだしたその心の成長自体が、とても大事な事柄であり、誇りある日本の武道文化の中で、小さくとも確たる一つの布石となるものです。


やや持ち上げすぎに感じられる方もおられるかもしれませんが、よき人材が集まり、より良い影響を与え合い、より良く成長ができる確たる環境が出来上がりつつあると感じています。



5月13日(土)から14日(日)にかけて、大道塾の世界大会が予定されておりますが、その大会の軽量級のクラスに、支部から谷井選手が出場します。

実力のあるプロの舞台で活躍する格闘家でもありますが、日々の仕事にいそしむ一公務員でもあり、わが道場の稽古にも馴染む事ができる、立派な武道家でもあります。


その世界大会では、関東地区の少年部・中学部稽古生による基本の集団演武が予定されており、横須賀・湘南支部の稽古生も多数参加する予定です。

何はともあれ、多くの出来事、多くの機会、そしてかかわる多くの方々に感謝。



色々なことに心から、

 「ありがとう!」

と、心を込めて伝えたい。





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