ホリコは今…

見たり、聞いたり、感じたり、そんなものを何かに綴って残したい、そう思うこの頃です。

「奥の細道を旅する」 …ちょっと格調高く…

2015-07-02 13:16:44 | 日記
   T・Kさんから便りが届いた。

     旅の企画を送ります。
     テーマは「奥の細道を旅する」と、なかなか 格調高く掲げました。
     芭蕉翁が出発したのは陽歴で5月16日 それから150日の旅だったそうです。
     時期的にもこの季節の東北はかなりピッタリです。

     また芭蕉翁は1644年の生まれ
     1944年生まれの私たちとはちょうど300年の違いで 親しみ(?)を感じます。
     俳句は作れませんが、その季節に その土地で 作品に接することで
     新たな感動、共感があるのでは? と 期待します。

     芭蕉翁の旅の目的の一つが 出羽三山登拝だったということで 
     今回の行き先は鶴岡としました。


そういう訳で 今回は
「奥の細道を旅する」ことになりました。
ただ…三山登拝はちょっと…ということで 
羽黒山のみの登拝いたします。


さあ、出発!

随神門前には ≪奥の細道芭蕉翁来訪の地≫の立看
参詣道入り口である。

樹齢数百年の杉木立の中
山頂まで およそ2キロメートルの参道が続く
石段は2446段
ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン三ツ星に認定されたとのこと。

しばらくは下り

樹齢1000年以上という≪爺杉≫の向こうに
ひっそりと佇む ≪五重塔≫
こんな山奥に 杉木立の中に
風格・品格をそなえ それでいて素朴な佇まいに声を失う…

   東北地方では最古の塔といわれ、平将門の創建と伝えられる。
   現在の塔は、約600年前に再建されたものといわれる。
   高さが29.0mの三間五層柿葺素木造で、昭和41年には国宝に指定された。   
                    (鶴岡市観光連盟ホームページより)       

   この五重塔が気に入り 何度も来ているというご夫妻がいた。
   「雪の季節が素晴らしい」
   「湯田川温泉」も素朴で良いですよ~」

五重塔を過ぎると いよいよ登り
登っても 登っても まだまだ続く石段
   鬱蒼とした杉木立
   清楚な山アジサイ
   苔むした芭蕉翁の句碑
風情を楽しむ ゆとりは何処かへ…
汗が 顔からボタボタ落ちる

もう限界~と思ったら 山頂!

厚さ2.1mもあるという茅葺のお社・三神合祭殿に到着
月山・羽黒山・湯殿山の神様が合わせて祀られている

出羽三山の神々に二礼二拍手一礼

羽黒山だけと思って来たが 三山にお参りが出来た
“おまけ”をもらったようで 嬉しい

社の前の『鏡池』
カエルの声が賑やか

   「あれは モリアオガエルの卵よ」
   W・Tさんが指さす向こうに
   池に向かって垂れ下がる枝に 泡につつまれたような卵があった
   「あの中で おたまじゃくしになったら 池にポトンと落ちて泳ぎだす‥‥」
   子孫繁栄のため? 身を守るため?
   いずれにしても 自然のなせる 凄技に感服!

   それにしても W・Tさんは自然の知識が豊富
   いろいろ教えてもらって 感謝 ありがとうです。


羽黒山・東照社では
徳川家康公没後400年を記念して
家康公の御神像特別参拝が催されていた。

当然ながら 東照社にも 参拝

またまた “おまけ”ができたようで嬉しい。


下山は 石段を避け 遊歩道を辿ることにした
山道中央に敷かれた丸石に導かれるように 
落ち葉が 自然の腐葉土となり
足元がフカフカと心地よい
しかし
歩く人が全くいない… この道で良いの?
不安になったところで 車道に出た。

さてどちらへ?
やっときた車、手を振って止まってもらう
「あちらですが 遠いですよ」
「気を付けて…」
不安そうに 見送られる

   「遠い」と言われたよね…
   「気を付けて」と言われたよね…

   でも 歩くしかない
   ただただ 無言で 歩くしかない

宿との約束の18時を かなりオーバーしてやっと 到着。
お疲れさまでした!


後で知ったが
山頂から 延々と 歩いた道は 奥の細道歩道(旧月山登拝道)
芭蕉も歩いた 月山への道
修行で山伏たちが歩く道であるとのこと!

想えば あの散策も“おまけ”


旅は
 想わぬところで
 想わぬ出会いがあり
 想わぬことが起こり
 想わぬことを知る

だから また 行きたくなるんです…