今年の4月に芸大時代からの知り合いのヴァイオリニスト、硲美穂子さんと芸大では1年下で名前は覚えていた程度の付き合いだったN響のヴィオラ奏者中竹君とトリオやデュオのコンサートがあった。その折に編曲したモンティのご存知チャルダッシュやシューベルトの「魔王」、ドヴォルザークの「スラブ舞曲」「ユーモレスク」が2人にとっても気に入ってもらえた。
中竹氏とは初めての共演だったが、さすが1流オケで練られた技術と経験が感じられる素晴らしいヴィオラ奏者だ。
その折に中竹氏から、来年N響の同僚ヴァイオリニストと久々にデュオリサイタルを開くので何か編曲してもらえないかと頼まれていた。何がいいかな?「魔王」をDuoに書き直すのはさらに難易度が上がって面白そうだなと考えながら机に向かったが、最近とんと作曲していないことに気づいた。
何か書くにはヴァイオリン、ヴィオラのDuoはチャレンジングだと気が変わった。数年前に弾いたフランス人作曲家マントヴァーニのヴァイオリンとチェロの超難曲も思い出したし、もちろんラヴェルの名作ヴァイオリンとチェロのソナタもある。この分野はまだまだ書ける可能性が残っている気がする。
そこで思い浮かんだのが、先月60代半ばの若さでなくなった親友のことだった。この曲は彼に捧げるために書こうと決めた。
題名は親友の死を悼んで、
Andante Mestoに決めた。
少し葬送行進曲めいた楽想を使った2分の2の音楽を書き始める。途中から2個の楽器の重音の積み重ねによる進行の音楽、もう一つ新たに素早い6連符の2声の単音による音楽ができて来たのだが、この3つの楽想をどうやって融合してゆくか、まだ考えがまとまっていない。6連符の方は以前「リチェルカーレ」で使った、音程関係が長短2度、3度を超えない小さい音程関係で上下する音列の作り方を使った。重音の方もこの方法を縦に使ってこちらは大きい音程である6、7度の重音の積み重ねである。
書いているうちに気づいたのだが、6連符の方はこういう音程の連続の速い音形は大変難しいということだ。「リチェルカーレ」でもいくらさらっても弾けなくて、書いた自分が嫌になったがそれと同じなわけだ。それに気づいて筆が止まった。中竹君にこれ無理ですよ、と言われる情景がまざまざと浮かんだ。
例によって3日間くらい続けざまに書いたが、出来上がらないうちにほったらかしになったままもう数週間が経ってしまった。もともと作曲は頼まれていないので自分も弾けるように後でヴァイオリンとチェロ用にも書き直そうと思っている。
ヴァイオリン、ヴィオラのデュオの編曲は「魔王」のほか冬の旅の中から「菩提樹」とかがいいかなと思っている。ついでに好評だったチャルダッシュ(自分も結構気に入った出来だった)も結構楽しそうだ。
中竹氏とは初めての共演だったが、さすが1流オケで練られた技術と経験が感じられる素晴らしいヴィオラ奏者だ。
その折に中竹氏から、来年N響の同僚ヴァイオリニストと久々にデュオリサイタルを開くので何か編曲してもらえないかと頼まれていた。何がいいかな?「魔王」をDuoに書き直すのはさらに難易度が上がって面白そうだなと考えながら机に向かったが、最近とんと作曲していないことに気づいた。
何か書くにはヴァイオリン、ヴィオラのDuoはチャレンジングだと気が変わった。数年前に弾いたフランス人作曲家マントヴァーニのヴァイオリンとチェロの超難曲も思い出したし、もちろんラヴェルの名作ヴァイオリンとチェロのソナタもある。この分野はまだまだ書ける可能性が残っている気がする。
そこで思い浮かんだのが、先月60代半ばの若さでなくなった親友のことだった。この曲は彼に捧げるために書こうと決めた。
題名は親友の死を悼んで、
Andante Mestoに決めた。
少し葬送行進曲めいた楽想を使った2分の2の音楽を書き始める。途中から2個の楽器の重音の積み重ねによる進行の音楽、もう一つ新たに素早い6連符の2声の単音による音楽ができて来たのだが、この3つの楽想をどうやって融合してゆくか、まだ考えがまとまっていない。6連符の方は以前「リチェルカーレ」で使った、音程関係が長短2度、3度を超えない小さい音程関係で上下する音列の作り方を使った。重音の方もこの方法を縦に使ってこちらは大きい音程である6、7度の重音の積み重ねである。
書いているうちに気づいたのだが、6連符の方はこういう音程の連続の速い音形は大変難しいということだ。「リチェルカーレ」でもいくらさらっても弾けなくて、書いた自分が嫌になったがそれと同じなわけだ。それに気づいて筆が止まった。中竹君にこれ無理ですよ、と言われる情景がまざまざと浮かんだ。
例によって3日間くらい続けざまに書いたが、出来上がらないうちにほったらかしになったままもう数週間が経ってしまった。もともと作曲は頼まれていないので自分も弾けるように後でヴァイオリンとチェロ用にも書き直そうと思っている。
ヴァイオリン、ヴィオラのデュオの編曲は「魔王」のほか冬の旅の中から「菩提樹」とかがいいかなと思っている。ついでに好評だったチャルダッシュ(自分も結構気に入った出来だった)も結構楽しそうだ。