はまあるきの東屋

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生活保護の謎

2014-12-08 17:42:42 | 読書


 生活保護の謎
武田知弘著
祥伝社
780円+税
2012年

 この本、想像していた以上に面白く役に立ちました。
生活保護のことだけ勉強するつもりでしたが、
日本の社会保障が全くだめで、年金制度も、失業保険も
みんな破綻していると、著者は言っています。
 また、格差社会、最低料金の低さ、派遣労働法、
大企業優遇税法などもだめだ、
労働者の賃金を上げ、消費を拡大しなければ・・・と。

 少し印象に残った文章を抜書きして紹介に代えます。
「生活保護受給者が200万人を突破したなどと大騒ぎされているが、
世界的に見れば、日本の生活保護費はまだ少ない方なのである。」
「年収100万円以下のサラリーマンが、近年激増している。平成21年には
なんと400万人近くまで増えている。」
「年収5000万円を越すサラリーマンはこの10年(1999~2008)で
2.5倍にも増えている」
「1999年から10年間。サラリーマンの平均給与が前年を上回ったことはないのである」
「平成11年度の企業の配当額は5兆2340億円だった。しかし、平成19年度には、
20兆円以上が配当されている。実に4倍増である}
「およそ月12万円以下の収入ならば、生活保護を受けることができる」
「夫婦と小中学生の子供2人の4人家族の生活保護の支給額は約30万円(東京・世田谷区)」
「40歳一人暮らしの生活保護の支給額は約13万円(東京・世田谷区)」
「70歳の老夫婦二人暮らしの生活保護の支給額は約18万円(東京・世田谷区)」
「生活保護受給者が働いた場合、3万円収入があっても生活保護は18220円減額され、
5万円収入があると34780円減額される。働かない方がましということになる」