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音楽の話題を日々徒然に。

I LOVE YOU

2009-01-10 10:41:29 | 紙ジャケCD

昨年、小田さんのツアーに何度か足を運んでいるうちに、無性にオフコースが聴きたくなったのですが、手持ちのLPやカセットは聴くための手段がありません。
新しく買い直そうと思いたって、昨秋あたりからポツポツと集め始めた紙ジャケのCD。少しずつ感想を紹介していきたいと思ってます。

ということで、今回はコレを。

『I LOVE YOU』

言わずと知れた5人のオフコース最後のアルバムです。
5人になってからのアルバムは、私はおそらく小学校6年生の時に全て聴いていたと思うのですが、その中で一番印象の薄かった(つまり好みじゃなかった)のがこのアルバムです。

が、しか~し!
今聴くと絶品じゃないですか
でも確かに、この良さは子供にゃわからんだろうな

まず、タイトル曲の『I LOVE YOU』からして、

"I love you.You'er the only one."

と歌っているにも関わらず、「絶対この主人公は別れるやろうな」と思わせる曲調は、
当時、単純明快な脳ミソしか持っていない私を混乱させるに充分でした。「なんじゃ?この曲は??」というのが正直なところでして。

オフコースを解散するのか否かー。
大きな課題を抱えたまま進んだ『Over』ツアーの最中に作成されたこのアルバムには、
小田さんの「心の揺れ」
が、ストレートに反映されているように思います。

「全てを肯定する曲にしたかった」という力強い『YES-YES-YES』
そうかと思えば、全てを諦めたような『きっと同じ
『決して彼等のようでなく』で、感情的に投げつけられる言葉たち。
なんかもう、「小田さん、だいぶ混乱してませんか??」って感じです。

「心は何処にある 心は 心は」

「君とはいつまでも 心は通わない」

「今なら まだ戻れる 今なら 間に合う」

一方のヤスさんの曲からは、吹っ切れた感が伝わってくるようで。

『素敵なあなた』

「あなたに確かめておきたい
 僕は間違ってないよね」

『愛のゆくえ』

「静かに ひとつの 時代ががおわっていく
 ああ 誰にも 止められない」

「ひとりなんだね 僕は今 ひとりだね」

「まだ戻れる」とシャウトする小田さんに対して、「もう やり直せない 二度とは戻れない」と、美しいファルセットで歌うヤスさん。一つ前のアルバム『OVER』でもそうでしたが、なんとも不器用な二人は、こうして曲で会話するしかなかったのでしょうか。

こんな二人の、硬質なクリスタルのような曲の間に挟まれている、松尾さんの歌う『かかえきれないほどの愛』は、このアルバムのオアシスのような存在です。子供達と歌うやさしい歌声にはホッとさせられます
作詞は仁さん、ジローさん、松尾さんの共作。

松尾さんのもう一つの曲、小田さん作詞の『哀しき街』。松尾さんの声と重なる、珍しくも低いキーの小田さんの声。ゾクゾクしますね。
これも昔は聞き流してた曲、あぁ、もったいない。

コーラスといえば、ヤスさんの『揺れる心』の男っぽいコーラスは仁さんですかね?このアルバムの中で一番骨太な感じです。


気がつけば、私も当時の彼らよりも年上になってしまいました。
多少の人生経験を積んだ今なら、若い彼らの思いも、それらが表現されたこのアルバムの価値も、少しはわかるようになったかな、と。そんなことを思いながら聴かせて頂きました。

それにしても、”最後のアルバム”がこのクオリティ!あらためて「5人のオフコース」の凄さを感じます

 

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10 コメント

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I Love You (nico)
2009-01-11 02:46:59
ノロマで、しかも常に貧乏な私(旅行しすぎ、買い物しすぎ)は、まだオフコースのアルバムをCDで再収集していないのですが、最近 I Love You を聴きました。

あらためて聴きなおしてみると、なんとまぁ面白い音の作りかとびっくりしました。そして、素人がいうのもなんですが、この当時にこんな音を作っていたのか!と驚きました。オフコースから離れたあと、私はどっぷり洋楽の世界にはいっていくのですが、当時の洋楽にもこれほど面白い音はなかったと思います。恐るべし、オフコース。当時のオフコースの作曲から、ミックスまですべてを見たい!と思いました。

アルバム自体にそんなに小田さんの心の揺れがあらわれているなんて、びっくりです。私も購入して聴いてみよう!!
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nicoさんへ (nanori)
2009-01-11 09:31:33
なるほど~。このアルバムは「音作り」からして斬新なんですね。私は、音に関しては専門的なことは全くわかりませんが、子供の頃に感じた「なんじゃ?これは?」という感覚は、きっとそういう新しすぎる音に対する違和感だったのかも。今聴いて面白いと思えるのは、私が大人になったのもありますが、ようやく時代が彼らに追いついたのかもしれませんね。
ただ、こんな斬新な音のアルバムを作ったのは、「この先、これをライブでやる機会はない」と考えたからかもしれません。そう思うと少し哀しいですが。
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なるほど (はる)
2009-01-11 20:07:25
皆さん、いろんな事思いながら聴いていらっしゃるんですね。小田さんの声が好き 詞が曲が好きだけでなくこんなふうに感じながら聴くのも楽しいです。松尾さんの曲ほんとうに素敵です。このアルバムの中で大好きな曲です。「哀しき街」は曲調が「僕の言いたい事」に似ているように思います。「哀しき街」のコーラスまできちんと聴いてなかったなぁ~。nannoriさんのマネしてオフコース聴く時にコーラスに耳を傾けてみます。私がなぜか耳を傾けるのは「YES-YES-YES」の時に入る「ねぇ私のこと好き?」とたずねる女性の声かな? そ~言えばこの女性の声が当時「アルバムに霊の声が入ってる」なんてテレビの番組で取り上げられてたような・・・
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はるさんへ (nanori)
2009-01-11 22:14:42
ハハ、私の聴き方は深読みを通り越して”妄想”に近いかもしれませんが
『哀しき街』と『僕のいいたいこと』、似てますね。松尾さんの曲にはハードなロックぽいものや、明るいポップなものに目がいっちゃってたんですが、こういう静かなバラードが一番魅力的かも、なんて思う今日この頃です。
『YES-YES-YES』の霊の話は、皆で大騒ぎした記憶があります。(なんせ小学生でしたから)でもね、私には聴こえないんですよ~(その方が怖い?!)クラクションは聴こえるんですけどねぇ。
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Unknown (はる)
2009-01-11 22:53:14
そうそう、車のクラクションと重なって確かに聴きにくいのですが 女性が言っておられるんですよ。だから小田さんはその後「♪もっと大きな声で 聞こえない聞こえない」って言われてると思ってましたが、でも妄想するに小田さんには聞こえてたんでしょうね。でももう一度確かめたくて「♪もっと大きな声で・・」と歌われてるのでは。 なんてドラマのようじゃないですか。妄想→暴走ですね。

それから、話は変わりますが 来週15、16日に大阪の大阪国際交流センターと言うところに2日間研修に行きます。nanoriさんの所からは遠いですかね?
2日間缶詰の研修ですが 夜は自由行動の時間もあり心斎橋あたりをうろつくと思います。
しかし 大阪は昨年9月から研修、城ホール、京セラ、また研修とすっかり馴染みの街になりました。


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はるさんへ (nanori)
2009-01-12 09:32:42
・・・静かな部屋でヘッドフォンして挑戦。聴こえました!左耳から(笑)
ありがとうございます。聴こえるまでに25年かかりました

大阪に来られるのですね!
私の職場から谷町九丁目や心斎橋までは、1時間と少しの距離です。是非ともお会いしたいところですが、生憎と15日は遅番でして・・・。
明日もう一度シフトを確認してメールさせて頂きますね。

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Unknown (うるとらK)
2009-01-12 21:37:43
I love youのyouはヤスさんってことか。。
とりあえず、聴きたくなりました。探してみよう。
って・・・あんまり購買意欲がわきそうなネタはカンベンしてくださいよ~。くるみさんといい、あなたといい。。買っちゃうじゃないか~~!!!
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うるとらkさんへ (nanori)
2009-01-13 09:38:06
ハハハ、ホントいいセールスマンになれそうだわ
なんというか、古い蔵から思ってもみないお宝見つけたみたいな気分で、楽しいのよ。この”宝探し”感、病みつきになりそうです。
今年は小田さんのツアーもないし、一緒にオフコースを楽しみませんこと?
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I LOVE YOU (くるみ)
2009-01-13 18:30:44
若い頃『I LOVE YOU』を初めて聴いた時に
「え?これが新曲なの?」って違和感を覚えた記憶があります。
アルバムも、あたしもそんなに好きじゃなかったな。
あと、“I LOVE YOU”は、小田さんが奥様へあてて書いた曲だとばっかり、
勝手に解釈していて、すっごくジェラスィ~したものです
だって、♪あぁ早く9月になれば♪って、あるでしょ?
確か小田さんが結婚したのが9月で、入籍報道が出た時に、
「ほらぁ~」って枕を濡らしたもん(笑)
でも、今聴けば、これもまた感動の宝庫なんだね♪
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くるみさんへ (nanori)
2009-01-13 20:24:39
そういやシングル『I LOVE YOU』の発売は、小田さん入籍の前年でしたっけ?私はまだ好きも嫌いもない子供でしたねぇ中学生になってから週刊誌で奥様との写真をフォーカスされたのを見て、初めてジェラシーでした。
でもこのアルバムは、ホント「眠ってたお宝再発見!」って感じで、目下ヘビーローテ中です
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