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失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「悪女」 中島みゆき 1982年、「笑わせるじゃないか」 カトリーヌ・カトリーヌ 1998年

2012-09-27 | ユーミンみゆき
中島みゆきの11thシングルと、B面のカヴァー。

①悪女
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:船山基紀
中島みゆきの80年代を代表するヒット曲。私はこの曲で中島みゆきの存在を知った。その後、オールナイトニッポンリスナーとなり何枚かのアルバムをフォローし、過去の作品もラジオを通じて結構聴いたと思う。歌詞の世界はもちろんブレのないみゆき節。冒頭「♪マリコの部屋へ~」のインパクトが強烈で、聴き手の心を掴むテクニックに唸る。「土曜でなけりゃ~」からダブルヴォーカルになるのも効果的だし「♪涙ぽろぽろぽろぽろ」の音画法も見事。みゆき史上最もポップなメロディとキラキラしたアレンジが取っつきやすい雰囲気。しかし、みゆきさんの声に潜む地獄成分が、この曲の肝であることは明らかだ。

②笑わせるじゃないか
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:船山基紀
オリジナルは山内恵美子、1977年。両面とも中島みゆきが書き下ろしたシングルのA面曲だった。アダルトムードの女優さんが歌ったオリジナルに比べ、軽めに歌っているみゆきさん。主人公の「あたし」は、「みんな わかってるわ」と自嘲する、みゆき作品ではお馴染みのキャラ。ま、「悪女」の「私」と同一人物としてもいい。

定価937円、中古で100円。
雰囲気が女優。赤文字も効いてる。いいジャケだな。


右、「笑わせるじゃないか」のカヴァーを歌うは、カトリーヌ・カトリーヌ!…って誰よ?

正体は、90年代にグラビアなどで活躍した巨乳アイドル三浦綺音さん。ヌード写真集を何冊か出しているが、うち一冊が勝新太郎撮影ってことで箔がついてる。1994年にシングル「家族の肖像」でシンガーとしてデビュー。1998年にいきなり「カトリーヌ・カトリーヌ」を名乗り、シングル2枚とアルバム1枚をリリースした。

①笑わせるじゃないか
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:久保幹一郎
軽いなあ。ノイジ―な打ち込みサウンド+どっちかというとカワイイ系の三浦さんの声は、さすがにこの曲とはミスマッチ。中島みゆきカヴァーの珍種として楽しめないこともないか…

②たぶん乗らない汽車の窓から
作詞:石川あゆ子、作曲・編曲:Edison
こっちは結構いい。まず、イメージが広がるタイトルがいいね。ゆったりリズムに乗せて、語りがはじまる。「pourquoi どうしてなんだろう」と仏語まじりでカトリーヌっぽく。全体を覆う空虚な感触、ぼんやりとした喪失感が妙に心地よい。「だけどあなたがいなくちゃ 死んでしまうほどじゃなくて」ふわっと歌われるサビが、三浦さんのリアルなのかも、と感じさせる。少なくとも「笑わせるじゃないか」の男に執着しまくる主人公よりフィットしている。

③①のカラオケ

定価1020円、中古で100円。
まだ十分通用したであろうグラマラス・ボディは封印したジャケット。

ご本人のブログ「無駄の中に宝」から引用

「イメチェンとか言って、ショートにして失敗して・・・
カトリーヌ カトリーヌと言う妙な名を付けられて失敗して・・・」2010-05-07

で、音楽活動は終了したようだ。


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