失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「きんちゃんとぎんちゃん」 きんちゃん、ぎんちゃん&セタガヤン・プチット 1992年

2017-03-24 | 
双子の姉妹ユニット、きんちゃん(成田きん)ぎんちゃん(蟹江ぎん)のデビューシングル。

「きんさんぎんさん」の愛称(ていうか本名)でブレイクした超高齢新人ユニットが、勢いに乗ってCDをリリース。もうすぐ100歳のタイミングで、どう考えても最初で最後のCDだろと思いきや、5か月後には「きんさん、ぎんさんの101回目の誕生日」を1年以上フライングの1992年7月にリリース。101歳の誕生日は1993年8月だけど、「数え年」という考え方もあるしな…出生日(0歳)を1回目と数えれば満100歳の誕生日は101回目。まあそんな些細なことどっちでもいいや!

①きんちゃんとぎんちゃん
作詞:松本礼児、作曲:穂口雄右、編曲:穂口雄右・久米由基
いきなりふたりの語りから始まる。ここでの笑い声が凄い。いい意味で人間離れした、川を渡りつつある者にしか出せない迫力。サウンドは鍵盤主体のチープな音ながら、なかなかにドラッギー。歌はセタガヤン・プチット=子ども合唱隊が受け持つ。自由度の高いコーラスが童謡風のメロディを歌う。きんさんぎんさんはメロディには加わらず、こちらも自由に合いの手を入れる。というより、自由に語ったものを曲の合い間にはめ込んでなんかそれっぽくしただけ。最初から不安な気持ちになるサウンドが転調後にさらに不穏なムードになり、子どもたちの歌声も軌道を外れていく。曲全体は6分以上あるが、リズムと合唱は4分で終了。一旦曲が終わった後、2分以上またもや語り(若いころの苦労話)が入る。今度はオルゴールサウンドがバックに薄く流れ、何というか異界へ連れて行かれそう。

②カラオケ
子ども合唱がないだけのカラオケ。きんさんぎんさんの妖怪ヴォイスは入っている。

定価800円、中古で100円。
ふたりの語りに登場するクジラとマンモス。イラストは大久保としひこ。

50歳以上の女性シンガーを拾ってみたシリーズ最終回。99歳で2枚のシングルをリリースしたきんさんぎんさんは、なんと1998年に106歳で録音を残している。南条茂&きんさんぎんさん名義の8㎝シングル「名古屋平成音頭」。聴いたことないけど、きっと姉妹は合いの手を入れているのだろう。

以前紹介した中では、加藤登紀子「花 HANA」は50歳でのリリースだった。



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