失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ミスター・ムーンライト」 ザ・ビートルズ 1962年

2013-06-07 | レノンかマッカートニー
ザ・ビートルズの4th『ビートルズ・フォー・セール』(1964)について。

8㎝は以前紹介した「ライヴ・ザ・ビートルズ(1)」。「ミスター・ムーンライト」が入ってたので。

『ビートルズ・フォー・セール』は1987年2月の初CD化のとき発売日に買った。確か1st~4th同時発売だったな。4枚のうちどれにするかレコード屋で少し迷って、ジャケットが一番かっこよかった『フォー・セール』を選んだ。日本盤が3200円の時代の話。
高校時代、FMで「一週間でビートルズ全曲オンエア」みたいな番組があって、エアチェックして公式録音はすべて聴いてた。だから『フォー・セール』はもちろん全曲知ってたけど、最初の「ノー・リプライ」のジョンの声を聴いたときはショックだった。イントロなしの「This happened once before」の生々しさ。CDすげーとか唸ってた受験生。2009年のリマスターはもっと音がいいんだろうけど、きっと1987年の衝撃は越えられないことは分かってる。

頭3曲の流れは完全に「中期」。「ベイビーズ・イン・ブラック」はレノン・マッカートニー共作の最高傑作だろう。4曲目「ロック・アンド・ロール・ミュージック」のジョンのシャウトはまだ初期の匂いは残っているが、次の「アイル・フォロー・ザ・サン」でクールダウン。もはやイケイケのアイドルバンドではないのだ。続くカヴァー2曲は傑作すぎて言うことがない。

B面前半は「エイト・デイズ・ア・ウィーク」があんまり好きじゃないのでややテンション下がる。「エヴリー・リトル・シング」あたりから盛り返して、ポールの「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」で終わればきれいに決まったアルバムになったはず。ラストのジョージが歌う「みんないい娘」はかなりのズッコケ感あり。これはオチってやつ?人気者ジョージのリードも一曲入れとかないとね、という配慮なんだろうけど。

ところで1987年の日本盤ライナーで「エヴリー・リトル・シング」がジョンの作品、と解説されている。ジョンがメインヴォーカルだから私もずっとそう思ってたが、これは間違いでポール作らしい。

しかし何より凄いのは、同時期に録音されたシングル曲「アイ・フィール・ファイン」が入ってないことかも。


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