失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「イエスタデイ」 マイケル・ボルトン 1993年

2013-06-12 | レノンかマッカートニー
ザ・ビートルズの6thアルバム『HELP!』(邦題:4人はアイドル)について。

前作までは、ジョンがバンドの中心であったのは明らか。しかし、ここへきてポールの巻き返しが始まる。大雑把に言って、その後のバンドの歴史は「ポールの逆襲」。ソングライトの腕が磨かれるにつれ、ヴォーカルもパワーアップ。無敵のツートップまであと少し、伸び盛り真最中のアルバム。

ジョンは傑作タイトルソングとシングル曲「Ticket To Ride(涙の乗車券)」、「You're Going To Lose That Girl(恋のアドバイス)」で冴えを見せる。ディランのモノマネがやや笑える「You've Got To Hide Your Love Away(悲しみはぶっとばせ)」今さらだけど、この邦題はなんなんだ?最後のカヴァー曲「ディジー・ミス・リジー」での鬼シャウト最強!前作のズッコケエンディングから一転、締まったアルバムになった。

ジョージは2曲。まだまだご愛嬌レベル。

そして、ポール。「ザ・ナイト・ビフォー」「アナザー・ガール」のシンプルな味わいも捨てがたいし、「イエスタデイ」だって悪い曲じゃないけど、やっぱり「I've Just Seen A Face(夢の人)」の名曲っぷりにビビる。きっとジョンもビビったはず。


では、どう見ても駄カヴァーな匂いがプンプンしてるマイケル・ボルトンのシングル。

①イエスタデイ Yesterday
(J. Lennon/P. McCartney)
Orchestra Arranged by Johnny Mandel, Rhythm Arrangement by David Foster and Michael Bolton
もともとそんなに好きな曲じゃないけど、こんなにされちゃうと「そりゃないよ、ボルトン」と肩のひとつも叩きたくなるさ。ジャケのコピーがいかしてる。「彼の“イエスタデイ”だけは誰にも唄えない」うんうんそれはそうだね。クドくて濃いめで暑苦しい。三拍子そろった歌唱、それに応えるようにやりすぎストリングスに代表される情緒過剰なアレンジ。これだけ解釈が極端だと、逆に楽しめたりもすることもあるが、それもなかった。

②ユー・センド・ミー You Send Me
(S. Cooke)
カップリングはサム・クックのカヴァー。感想は①と同じ。

オリジナル
フェアーグラウンド・アトラクション

定価800円、中古で300円。
えっこれに300円も出すの?と数年前の自分に問いただしたい。


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