失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「SHALALA 男のやすらぎ」 クロックムッシュ 1995年

2017-09-04 | 
CM企画ものユニットCroque-monsieur(クロックムッシュ)の8㎝。

①SHALALA 男のやすらぎ
作詞:秋元康、作曲・編曲:クロックムッシュ
ミュージシャンクレジットにはSHUNSUKE SAKAMOTO(シンセプログラミング)、MASAYOSHI FURUKAWA(ギター、コーラス)の名前はあるが、リードヴォーカルの女性の名前がない。缶コーヒー「ジョージア」キャンペーンソングとして作られた。そのCMのコピーが「男のやすらぎ」。缶コーヒーで完全に男性だけをターゲットにしたCMを打つって、今はもうアウトかも。タイトルどおり仕事に疲れた男たちを癒してあげる系のゆったりしたアンビエント系トラックに、ふんわりウィスパーを乗せた癒しの波状攻撃。「ネクタイなんて 緩めなさい」「休憩よ 罐コーヒー 飲んでごらん」と上から目線は母性の表現か。このあざとさは…ああまた秋元かと思いつつ、「シャララ」が繰り返されるパートはなかなかいいムード。
「あ~男のやすらぎ」の部分だけが使用されたジョージアCMは、安田成美、古手川祐子が癒しオーラ全開で働く男たちに語りかけていた。その後継として起用され、当時癒しの女王として君臨したのが飯島直子(今となっては謎ではあるが)。「やすらぎパーカー」ヴァージョンなんてYouTubeで見たら過剰な癒し盛りに、わーってなる。

②SHALALA 愛のモノローグ
リミックスヴァージョン。水滴が落ちるようなサウンド、アコギとエコーが深いドラムが①とは違った印象。歌の間にナレーションが差しはさまれる。「本当のことなんだ 君とこうしているだけで 不思議に心がやすらぐ」と語り始めるのは伊武雅刀。はじめはゆったりとした「ヤマトの諸君」のテンポで「ジュテーム・モワ・ノン・プリュ」似の展開。途中から語りは「君は凶器だ 美しい凶器だ 男たちを傷つけ 破壊させていく」などとやすらぎ路線から逸脱していく。結論は「満たされた器から また愛はこぼれていく」。結構な分量の語りを終えると、すぐさまもう一度同じ語りをスピードアップして繰り返す。同じく秋元康と組んだナレーションものの傑作「子供達を責めないで」(1983)ほどにはエスカレートしないものの、早口でテンションを上げていきながら崩れない語りはさすがプロフェッショナル。

定価800円、中古で100円。
ほぼシルエットしか分からないスレンダーな女性がヴォーカリストなのかな。

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