失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「君の夢に飛びたい」 中村由真 1988年

2018-02-06 | 8cm論
中村由真の5thシングル。

今年は短冊シングル30周年。日本の8㎝の誕生日2月21日に向けてぼんやり盛り上がっていきたい。

①君の夢に飛びたい 東映映画「スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲」挿入歌
作詞:吉元由美、作曲:岸正之、編曲:瀬尾一三
チェッカーズみたいなサックスのイントロ。由真の上ずり気味の声にけたたましいシンセ。伸びやかなサビのメロディに救われる。アウトロのサックス~ギターソロは詰め込みすぎ。スケバン刑事のダークな世界観とどう折り合いをつけたのか分からないが、内容は爽やか青春アイドル歌謡。
もちろん映画の主題歌は浅香唯で「Believe Again」。挿入歌もう一曲は大西結花「ミモザの奇蹟」(これはCD化されなかったのかな)。

②Endless Love
作詞:井上輝彦、作曲:織田裕一郎、編曲:瀬尾一三
こちらはダンサブルなサウンドにちょっと陰りのある由真の声。欧州的憂鬱を感じさせる平板なA-Bメロがいい。急に切々としちゃうサビも悪くないのだが、終盤のとってつけたような転調はいかんな。

定価1000円、中古で100円.
フォーライフ10KD-2。
(ちなみに10KD-1は伊藤かずえ「星屑のイノセンス」)

このシングルは8㎝CDのみでリリースされ、当時は普通だったアナログ7インチ&カセットテープでのリリースがなかった。

1988年2月21日に日本の初の8cmCDとして発売されたタイトルのうち、新譜はごくわずか。この「君の夢に飛びたい」以外にあるのか調査中。ほとんどが既にアナログでリリースされた盤を8㎝化(再発)したものだった。このため短冊の上半分はアナログジャケを縮小したもの、下半分は文字枠(タイトル、アーティスト名など)というデザインが大多数を占めた。その中でこのジャケは画期的!90年代以降は当たり前になった縦長の短冊全体を使ったデザインの先駆けとなった。

右腕を不自然に挙げたポーズも短冊時代の到来を祝福するようじゃないか。

関連中村由真
One Summer Lonely
7th 岸正之作曲


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4 コメント

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Unknown (3rd=D)
2018-02-06 22:43:18
88年2月でCDのみリリースは珍しいですね。プロモで7inchがあるようですから何故リリースしなかったのか不思議なくらいです。
せっかくのアニバーサリーイヤーなので、何かの雑誌とかで特集くらい組んで欲しいものです。7inchのジャケを並べた本はよく見ますが、短冊だらけって本は無いのかとこの頃思います。
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そうですねー (nakamura8cm)
2018-02-08 17:43:14
特集組む可能性があるとすればレココレくらいですかねえ。
あとはPATi・PATi復刊号とか?
BRUTUSはないな…
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カセット (NANOHANA)
2018-02-11 00:42:25
最近テレビで、カセットテープが再評価されていると特集されていました。頭出しがないのが逆にいいんだとか。曲順通りに流れで聞くという。あとはデザイン、質感とか。A面/B面があるとか。若者には逆に新鮮なようです。

カセットって、最近知ったんですけど、同時発売の8cmCDには未収録のオリジナル・カラオケが収録されてることが多いんですね。8cmCDの容量を考えたら全然余ってるし、入れてもよかったのに…。
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Unknown (nakamura8cm)
2018-02-20 11:39:28
カセットすでに高騰していますね。
私としては専門外ということで静観しています(笑)

そうかカラオケはカセットのほうが早いんですね。
今となっては初期8㎝にカラオケ収録がなかったのは逆に不思議な感じです。
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