失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「天城越え」 石川さゆり 1986年

2015-01-22 | 
石川さゆりの45th&46thシングルのカップリング。1994年にポニーキャニオン「ベストシングルシリーズ」⑤として8㎝化。

①天城越え 1986
作詞:吉岡治、作曲:弦哲也、編曲:桜庭伸幸
オリコンチャート最高位が46位って、通常「ヒット曲」と言うには微妙なランキング。しかし、誰もが認める石川さゆりの代表曲であり、「同一曲で9回出場」というNHK紅白歌合戦史上最多記録を持つ曲なのだ。ちなみに石川さゆりは紅白37回の出場歴を誇り2007年からは「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」を交互に歌っている。今年2015年は順当にいけば「津軽海峡・冬景色」の番なので、もし歌われれば「天城越え」と並ぶ「同一曲で9回」2曲目を達成する。来年「天城越え」10回で上がりかな?それとも禁断の「津軽海峡・天城越え」メドレーで記録を伸ばすか。

そんなことより曲の話をしよう。三味線、鼓などの和楽器を効果的に使ったロックアレンジが冴える。1986年と言えば尺八の音を使用した大ヒット曲、ピーター・ガブリエル「スレッジハンマー」と同じ年。そんな時代の気分を共有しているのかもしれない。吉岡治の歌詞の完成度が高すぎる。観光名所を巧みに織り交ぜつつ、どっちかというと清純派のイメージだった石川の情念を引きだすドロドロ逃避行モノ。サビのラストで見得を切るかのようなタイトルコールが、ズパッと決まるカタルシス。これは「津軽海峡・冬景色」に匹敵する代表曲になる!とレコーディングの段階でスタッフ一同盛り上がったに違いない。80年代ポップ演歌の名品。あえて難を言えば、歌唱がちょっと軽く感じてしまう。その後長い年月をかけてドスやタメが様式として完成されたヴァージョンを聴きなれている(主に紅白で)せいだろう。

②夫婦善哉 1987
作詞:吉岡治、作曲:弦哲也、編曲:山田年秋
ドラマチックの極致「天城越え」に対して、次のシングルはまったりゆるゆるのオールドスタイル演歌。こちらは紅白で2回歌われている。1987年に新曲として。もう一回は2006年。あれ?旧作でそれ選ぶ?みたいな意見があったのだろう。そう、その次の年から津軽・天城・津軽・天城…の無限ループが始まったのだ。


③④カラオケ

定価1020円、中古で210円。
このジャケットも悪くはないが、「天城越え」オリジナル7インチの妖艶なムードのジャケが圧倒的にいい!

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