失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「日本の人」 HIS 1991年

2009-05-30 | 黄魔術系
今回は既出盤ばかり。

「夜空の誓い」「日本の人」 HIS (1991)

「幸せハッピー」 坂本冬美 (2005)

「誰もいないXmas」 神崎ゆう子 (1994)

忌野清志郎と細野晴臣。「ゴールデン・コンビと言ってます、二人で。」と『細野晴臣の歌謡曲 20世紀ボックス』(2009)のブックレットで細野さんが語ってる。このボックスには、「日本の人」「幸せハッピー」「誰もいないXmas」に加え、ゴールデン・コンビ最後の作品、忌野清志郎「あいつの口笛」が収録されている。これがまた、名曲なんだ。

で、「日本の人」。改めてボックスで聴いて、どこにもない、何にも似ていない作品だなあ、と感心した。以前の記事でも触れたように、細野さんの86年作(30分で作ったという日生ロングランCF曲)「the Man of China」に清志郎が詞をつけたもの。

「人と仲良くできない人
自分だけが特別な人
人となじめず苦しむ人
ストレスに悩まされる人

目を開けてごらん
顔をあげてごらん
春が来ているよ」

2番で坂本冬美が歌うところもいいんだ。

「わたし待ってるわ
お茶の支度をして
早く帰ってね」

詩人・忌野清志郎の代表作のひとつ、と言いたい。
3分に満たない短い作品でこのスケール感。お腹いっぱいになる。

TV Bros.を久々に買った。忌野清志郎追悼号だったから。特集の冒頭に細野さんが短い文章を寄せている。そこで「特別だった」と語られた「セラピー」(HISのアルバム『日本の人』収録曲)。全体に「まじめに、かつコミカルに」みたいなコンセプトだったと思われるアルバムの中で、異色と言える大マジな一曲。細野さんが「先天的にヒーラー」と評するのも頷ける。清志郎の懐の深さが垣間見える、ずっしり重い作品だ。アルバム持ってるけど、どんな曲だっけ?と思ったアナタ、CD引っ張り出して、是非聴いてみて。

この一ヵ月、清志郎ばかり聴いてた。最近は、清志郎のファーストソロ『RAZOR SHARP』(1987)の一曲目「WTATTA」を繰り返し聴いている。ブロックヘッズの切れのいい演奏に、ギターソロはなぜかスティーヴ・ヒレッジ(元ゴング、のだよね?)。この曲のメッセージは強烈だな。RCのメンバーへの決別のようにも聞こえるし、孤高のアーティストとして突き進んでいく決意表明にもとれる。

「暗い夜の河を 渡った」

渡っていってしまったんだね。おやすみなさい、キヨシロー。


清志郎について語りたいことはまだまだあるような気がする。
別に急ぐこともないので、またいつか。


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