失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「雨」 森高千里 1990年、1999年

2008-06-22 | 森高コネクション
たまには大ヒット曲でも。森高の11th&39thシングル。

①雨
作詞:森高千里、作曲:松浦誠二、編曲:斉藤英夫
森高の代表曲のひとつでしょう。シンセ・オーケストレーションによるバッキングは、今聴くとちょっと安っぽい気がするのは致し方ないか。ポップスのシングル曲で、完全にドラムレスというのはちょっと珍しいかもしれない。イントロを聴くと「♪もしも願いが~」と「恋におちて」を歌いそうになってしまう超王道バラード。当時は下手だの素人くさいだのと言われていた森高の歌だが、改めて聴くと結構説得力あるなあ。系統としては「無表情系」に入りそう。正直そんなに好きな声質ではないけど、スタイルとしての完成度が圧倒的に高いのだ。そして、森高にしてはひっかかりの少ない詞。こういうスタンダードぽいのもサラッと書いちゃう。才人としか言いようがないな。
翌1991年にはリタ・クーリッジが英語カヴァー。2003年、市川由衣がデビュー曲としてカヴァー。

②カップ・ミュードル
作詞:森高千里、作曲・編曲:斉藤英夫
攻撃的で分厚いシンセリフが、ミネアポリスサウンドを彷彿とさせるファンクナンバー。ラテン風味のパーカッションは、ちょっとシーラEぽくもあるが、もっと分かりやすく言うと久保田利伸似か。ところで「ミュードル」とはミュージシャン+アイドルに由来する造語。そーいえばそんな言葉聞いたことあるようなないような…ちょっと検索してみると元祖ミュードル=千葉美加らしい。アイドル離れした歌唱力のアイドルらしいけど、よく知らない。だいたい「元祖」以外にミュードルは何人いるのか教えてくれ。森高は消えていったミュードルに対して憐れんでいるような、勝ち誇っているような辛辣な歌詞を書いている。森高と千葉は同じ1988年デビュー組。何か千葉美加に攻撃されたのかな?

定価900円、中古で100円。
一分の隙もない、人工的な美貌が完成された森高。凛々しいお顔です。髪型もびっちり決まって、ちょっとやそっとの雨風では乱れそうもない。しかし、この衣装は…裏ジャケでは、ミニスカートから伸びるこれまた完璧な脚線美が拝める。


そしてアルバム『古今東西』(1990)には「雨(アルバム・ヴァージョン)」が収録されている。アレンジは同じく斉藤英夫。エコーのかかったししおどし的なサウンドが加えられ、よりドラマチックな仕上がりに。
時代の追い風にあおられ、自在に暴れまくる森高の傑作アルバム。いわゆるひとつのピークでしょう。なんとなくコンセプト・アルバムの風格もあり。「プロローグ」で始まり「エピローグ」で終わったかと思うと、最後に名曲「うちにかぎってそんなことはないはず」で大団円を迎える。もう何度か言っているが、この曲は直枝政太郎作曲、カーネーションの演奏(鳥羽さん初仕事で、ベースは馬田さん)という湾岸ファンのマストアイテムだ。何かに苛立っているような森高の詞も最高。上下とも、森高のすぐ右に写っている侍が、直枝さん。


そして9年後の39thシングルで「雨」をリメイク。

①まひるの星
作詞:森高千里、作曲:スガシカオ、編曲:河野伸
言われてみればスガシカオっぽいメロディなんだけど、やっぱり森高が歌えば森高色。シングルとしては地味めかな。でも、いい曲。ギターソロはプレイグスの深沼元昭、ドラムはもちろん森高。

②雨 [1999]
編曲:高橋諭一
長らく森高ツアーのバンマスを務めてきた前嶋康明のピアノをフィーチャーした、ピアノ+アコギヴァージョン。ヴォーカルも9年前に比べ、少し落ち着いた雰囲気に。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
30歳を迎えた森高。足の露出は控えめで、左のつま先のみ。



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3 コメント

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また昔話です (amed-rec)
2008-06-22 20:56:52
また過去のエピソードになってしまうのですが1989年の夏、たまたま三浦海岸に海水浴に来ていた時、浜辺で行われていたその日のイベントが森高千里ミニライヴでした。森高千里、どこかで聞いた事が・・・その2ヶ月前九段会館で行われた第1回メトロトロンワークスで直枝さんが「最近は森高千里ってアイドルに曲を書きました」と言ってたその娘じゃないですか!。それが森高さんとの出会いでした。ちなみにその時の衣装はミニスカートではなくジーンズに白いワイシャツでした。視点がオタクっぽくてスミマセン。

「古今東西」はおもしろいアルバムでしたね。今見るインパクトのあるジャケット(両面)だなぁと。
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うおお (nakamura8cm)
2008-06-22 22:02:23
毎度、濃厚コメントありがとうございます!
なんでそんなに小ネタの宝庫なんですか!!!(笑)

しかし森高の浜辺営業時代を見たってのはスゴイ!
「夜の煙突」は歌ったのでしょうか?あ、海水浴にはミスマッチ過ぎるか(笑)

>第1回メトロトロンワークスで直枝さんが
それで名前を覚えていた、というのもスゴイ!尊敬です、マジで。
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タカさんのネタ曲 (CFB48)
2016-05-02 21:55:31
「とんねるずの生でダラダラ行かせて!」で石橋貴明がカート対決などのトークの途中で十八番の女の子の口調の時この曲がよくかかり、そのインパクトが強烈な為、今も聴くとそれが思い出されます。見てましたか?
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