福島県会津地方で25日から26日にかけて降った大雪で、雪の重みで倒れた木が電線を切断するなどして各地で停電が発生した。
昭和村 耐えた36時間 停電復旧、断水解消 | |||||
![]() 1人暮らしの高齢者らの安否も気づかわれる事態となり、役場職員らが対応に奔走した。
「大丈夫だった?」「寒ぐながったがい」。村東部にある個人商店には電気のない一夜を過ごした近所の住民が次々と集まり、互いを気遣った。昼間でも店内は薄暗く、暖をとれるのは石油ストーブ1台だけ。調理いらずのパンはすぐに売り切れた。「風呂に入れず、夜は懐中電灯やランプの明かりでしのいだ」。店員の羽染康弘さん(25)は疲れた顔を見せた。 村役場は石油ストーブをたいても、寒さがこみ上がる。職員約30人が懐中電灯や投光器を頼りに徹夜で情報収集や復旧作業に当たった だが、27日朝、村の全世帯の半分近い約350戸をカバーしている上昭和浄水場はメーン装置が動かなくなり断水した。
夕方近くに電気が通ったが水道管内にたまった空気を出す作業に手間取り、給水が再開したのは夜遅くになってからだった。下水道への影響も懸念され、職員たちが村内に数カ所あるくみ上げ用の「マンホールポンプ」を回り、発電機で電気を送った。 陣頭指揮に当たった馬場孝允村長は「職員がどんなに頑張っても人数が限られている。村だけの問題ではない。国や県にも考えてもらわないと」といら立ちを隠さなかった。 特に心配されたのは、1人暮らしのお年寄りらの安否だ。村と村社協の職員は手分けして約200世帯を訪問し、無事を確認すると炊き出しのおにぎりや防災無線の乾電池、湯たんぽなどを手渡し励ました。村内野尻の女性(80)は、ろうそくの明かりで1人、夜をしのいだ。「自然災害なので仕方ないけど…。役場の人が何度もきてくれたので心強かった」と安堵した。 村内の特別養護老人ホーム「昭和ホーム」には入所者とショートステイの利用者36人がいたが、蓄熱式の床暖房があり、寒さをしのぐことができた。27日午前1時ごろには東北電力の電源車が駆けつけた。菅家篤男施設長(59)は「体調不良を訴える利用者がいなかったのは幸いだった」と胸をなでおろした。 【写真】1人暮らしの高齢者宅を訪れ、防災無線の電池を交換する村職員
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