おおよそ十年前に住んでいた大阪寺田町。
高校生の時に日本橋へ行く為に
原付で通り過ぎた時から、住むと決めていた街。
その街にある大阪王将に、当時毎週通っていた。
どこの大阪王将よりも美味しいと思う。
特にこれ。
肉玉子丼。これが最高。細く刻んだ豚肉と
ピーマンを甘辛いタレで炒めて、フワフワの
卵で包んだ最高傑作。
約十年前、20代前半の時に食べたままの味。
変わらないものがあるということを実感。
そしてもちろん餃子。これこそ王将の餃子だ。
特製の味噌ダレで味わう。
当時カウンターで一人で食べていると、
70歳ぐらいのおばあちゃんが隣に座って、
「餃子を5つ頂こうかしら」と言って、
新人の店員さんが、「餃子は1人前6個です」
と言った。おばあちゃんは笑って、
「知ってるわ。それを5つちょうだいな」
と言って、僕も新人と目を合わせて驚いた。
餃子5人前を一人で食べるおばあちゃんに、
一人でそんなに食べるんですね、と言った。
おばあちゃんは、ニコニコしながら、
「ここ8年ぐらい、週3日、食べてるわ」
と言っていた。新人の知らない常連だった。
週90個。月360個。年間4320個。
8年間で34560個か、ってその時も計算した。
というのが、この店での思い出。
それから会う度に餃子をご馳走してくれた。
あのおばあちゃん、まだいるのかな。
お店の人とは仲良くなかったから、
ちょっと聞けなかったけれど、気にはなった。
当時は自分の息子とここに来るとは
思ってもみなかったわけで、不思議な感覚。
またいつか、来ようと思う。
