MOLE / 生きてる証拠の備忘録

継続は力なり、というので、
出来る限りは毎日書くつもりです、多分。

シン・ゴジラ(85点)

2016-09-02 23:30:15 | 映画

これは傑作。

公開から1ヶ月経って、やっと観れた。
奈良県大和郡山市のイオンにある、
IMAXシアターで息子と鑑賞。

リクエスト上映だって。危なかった...。

息子はゴーストバスターズが観たかった
らしいけれど、頼み込んでのゴジラ。


冒頭、東京湾に現れた正体不明の災害に対し、
政治家たちが対処の為に慌てふためく。

内閣総理大臣補佐官
自衛隊統合幕僚長
環境省自然環境局野生生物課長補佐

など、
庵野監督らしい登場人物のテロップが
超高速のカット割りと共に出まくる。

覚えられるか!

と思うけれど、もはやお構いなし。
息子は一瞬で興味を失ったように感じた。

後々考えたら、そもそも覚えさせる気なんか
微塵もないんだろうな。むしろあれは演出で、
個人名なんて覚えなくて良い、という、
ことなんだろうなと思った。


ゴジラのディテールが秀逸過ぎて怖かった。
いわゆる厨二病全開のゴジラの「攻撃」に
久しぶりに邦画の意地を見た。
乾坤一擲!といった感覚。痛快だった。


あと嫌でも意識させられるのが、今の日本を
揶揄したような様々な演出。

例えば日米安保条約。

日本だけではどうしようもない問題に対し、
アメリカや他国に頼ることの日本のリスクを、
まざまざとリアルに表現されている。

日本に3度も原発を落としてなるものか。
そういったセリフも、とても心に響く。

また自衛隊の防衛出動に見る憲法9条の無視。
これはいざという時は9条なんか構わんぞ。
という日本のメッセージのように思えた。

それから総理大臣が死ん(安否不明)で、
次の臨時総理大臣がすぐに決まる。
これは「日本のトップなんて誰でも一緒」
という、辛辣な、そしてリアルな演出だった。


キャストで言えば、竹野内豊と石原さとみの
圧倒的な存在感に比べて、主人公の長谷川博己
が、あまりにも薄口で、ミスキャストに思えた
けれど、これもきっと、監督の思惑通り。

例えば主人公が伊藤英明だったら、
主人公=ヒーロー!という構図が強くなって、
ゴジラを日本のヒーローが倒した!

という主人公にフォーカスした作りになって
しまったと思う。つまり伊藤英明の映画に
なり、それが本旨と外れるんだろう。

当然、長谷川博己は素晴らしい役者さんなので、
終始安心して観られたという利点もある。

だから結論ミスキャストじゃなかったし、
とにかく石原さとみの演技はエグかった。


残念ながら息子はめっちゃ寝てたし、
客席もガラガラだったけれど、
IMAXの凄さとゴジラの魅力は十分に
伝わったので、個人的には行って良かった。


間違いなく映画館で観る映画だな。


ただ、もうひと展開欲しかったな。
数年後、Amazonプライムで観てる気がする。