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チェスと将棋

2020-10-16 | サハリン話題

エッセィ 「チェスと将棋」             

 チェスのルーツは、インドのチャトランガと言う戦争ゲームだとされています。 六世紀ごろに北西インドで生み出されています。

11世紀ごろに十字軍の遠征によってヨーロッパに伝わりました。

一方、東方へは象棋や将棋となって、中国及び東南アジアから日本へ伝わったとの文献があります。

チェスと将棋の違いは、チェスは相手の駒を捕っても自分の駒として使用できません。将棋は相手の駒を捕ったらその駒を利用して戦います。

その相違点を分析してみたいと思います。

チェスは、中世ヨーロッパでは王族貴族、騎士、貴婦人の間で広く普及していました。ドイツ語でSchachの呼びますが、ペルシャ語でのSchahから由来しています。王族の遊びとされていました。

上流社会の娯楽だけではなく、実戦の模範訓練としても好まれていました。

13世紀以降、騎士は戦場や騎乗槍試合などで観客の人気度に合わせて戦いました。

チェスの駒は、歩兵「農民」、塔、騎士、司教、女王、国王が有名です。

下層の歩兵は律儀に前進のみですが、騎士は三マス、国王は全方向へ移動できます。社会の身分と相対応するルールが定められていました。

陣地が一致団結しないと負けを食います。

戦場での国家の縮図があると考えられました。下層の駒を農民、加治屋、都市の守り手、商人に分けてのも、さらに馬、山羊、羊、ウサギだけの駒もあります。チェス盤も白黒に色分けられていて、敵味方が白が生であり黒が死で現されていました。まさしく生死をかけた戦いが繰り広げられていました。

ヨーロッパのルールでは、相手の駒を捕っても使用する事が出来ません。

東洋の将棋と大きな違いがあります。将棋は相手の駒を捕ってもその駒を自分の駒として使用できます。しかし、チェスではそれができません。

チェスでは、相手の駒は捕虜として扱う点です。 実際の戦いでも捕虜はあくまでも捕虜であり、裏切りなどの危険性を考えて捕虜に心を許す事が出来ないからであります。陸続きの多民族の多いヨーロッパでは、油断をすると殺される運命が待っていたからです。研ぎ澄まされた防衛意識が、この様な考え方が生み出されたのであります。日本の将棋は、捕った駒を味方の戦力としてすぐさま戦力として戦場に投入できる。忠誠を誓えば信頼して、仲間として優遇するのです。総じて人間に対する不信と、信頼関係のスタンスの違いが双方のゲームから見て取れます。

サハリンマン

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