宮城県栄養士会 食のコラム

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「新型コロナウイルスへの警戒が続く中,夏場の脱水に注意!」

2020年07月01日 | 健康・病気
 新型コロナウイルス感染予防対策としてマスクの着用が続く中で夏を迎えるにあたり,熱中症や脱水が心配されるところです。皆さんは1日に必要な水分量をご存じですか。
 成人の平均的な1日の水分量は飲水などのほか,食事に含まれている水分,体の中の代謝活動によって生じる水(代謝水)を含め約2500mlと言われています。
 それに対し,体から出ていく水分は尿をはじめ便中の水,呼吸や皮膚の表面などから蒸発する水(不感蒸泄)を含め約2500mlと言われており,1日の水分摂取量と排泄量のバランスはほぼ同じとなります。
 脱水とは,健康維持に必要な体液量が不足している状態を言い,種類は大きく分けて次の3つに分類されます。

① 低張性脱水(水よりナトリウムの喪失が多い状態)
例:たくさん汗をかいて電解質を含まない水やお茶を大量に飲む → 水分と塩分不足

② 高張性脱水(ナトリウムより水の喪失が多い状態)
例:たくさん汗をかいて喉が渇きながら水を飲むのを我慢しているとき → 水分不足

③ 等張性脱水(水分とナトリウムが比較的同じ割合で失われる状態)
例:下痢や嘔吐によって体液が一気に失われたとき → ①と②の混合型

 脱水症状の改善には『水』と『電解質』を補給する経口補水療法が適しています。スポーツドリンクの利用も可能ですが意外と糖分が多い商品も少なくありません。
 『経口補水液』として売られている「OS-●」「アクアソ●タ」「アクアサポ●ト」などの商品がコンビニなどで手軽に購入できるため,これらをうまく活用しながら夏場の熱中症や脱水を防ぎましょう!

〈参考文献〉
① 臨床栄養ディクショナリー改訂5版 メディカ出版
② ニュートリションケア(2019年秋季増刊) 水・電解質・酸塩基平衡イラスト解説BOOK メディカ出版
③ ニュートリションケア(2013年9月) 管理栄養士が知っておくべき水と電解質のキホン メディカ出版

大崎市民病院  加藤 真祐美