宮城県栄養士会 食のコラム

「食と健康」についての情報発信!!

災害時の食事提供についてあれこれ今思うこと

2011年10月15日 | 食・レシピ

1272378964 災害に備え、1日3食3日分は備蓄することになっていましたが、今回のようにライフライン、流通の復旧が遅れた場合のことを考えると、1週間分位は必要ではないかと思います。支援物資を頂いた時は感謝感激でした。当院は、お米に関しては栗駒の農家(無農薬)と大崎の農家と契約していたので不足することはありませんでしたが、魚類、肉類の一部を除き、食材のほとんどは委託側のオンラインシステムで納入されているため、思うように入荷されず大変困りました。地元の普段は取引のない業者さんが快く協力してくださり、助かりました。やはり地産地消を推進するべきと強く感じています。
 地震なんて来ない、と思っていましたが、備蓄品の味にはこだわり、サンプルを取り寄せ、味見し、おいしい物を提供したいと心がけていてよかったと思います。また、当院には、経管栄養の患者さんが40名程おり、発注には電話が通じず、直接会社まで行って注文したりと、濃厚流動食の確保にも苦労をしました。
 今後の震災に備え、
・ 備蓄品は食材だけではなく、ディスポ食器、ラップ、ビニール袋も備える
(ガスの復旧が遅く、食器洗浄機が使えなかった)
・ プロパンガスとコンロ等を常備する
・ 委託側には食事が滞ることがないよう、食材確保を最優先してもらう
・ 地元の業者さんとの取引を優先させたい
といったところが、今、思っていることです。
 各地、各方面からのご支援、ご協力を本当に感謝しています。


災害時の料理のコツ

2011年10月01日 | 食・レシピ

今回の震災で、食べることが生きる力に大切なことを実感しました。宮城県沖地震の経験から、3日分の備蓄があれば安心と思っていましたが、物流がストップする被害の大きさに驚くばかりでした。地震発生後、まず電気が止まったため、暗くなる前に冷蔵庫・冷凍庫の食品の有効活用を考えました。「すぐに食べるもの」「調理で日持ちするもの」「常温で日持ちするもの」に分け、余震に注意しながら、圧力鍋で豚肉・じゃがいも・人参・大根などを茹で、豚汁と肉じゃがを作り、ひき肉は調味料で煮て常備菜に、キャベツときゅうりは浅漬けにしました。また、貴重な水を大きな鍋・浴槽・ポリタンク・衣装ケースなどに溜めました。
      
非常時は、炭水化物中心になりがちです。茹で野菜・生野菜・魚水煮缶・大豆缶・のり・わかめなどの具材をトッピングし、味噌とお湯で作る簡単味噌汁はビタミンやミネラルが補え便利です。そうめんはだし汁で茹でたり、スパゲティは短くして少量のお湯で野菜と一緒に茹でるなど、エコ料理に努めました。
震災時に不足していた物を思い出し、もう一度災害時に必要な食料や物品の準備を確認してみてはいかがでしょうか。

Yasai_3