宮城県栄養士会 食のコラム

「食と健康」についての情報発信!!

【食のコラム11月】

2021年11月01日 | 日記
冬場の食中毒にご注意を!

これからの時期は、ノロウイルスによる食中毒が増えます。
ノロウイルスは、少量でも手や指、食品を介して口から入ると体内で増殖し、下痢、嘔吐、腹痛などの症状を引き起こします。子供や高齢者、免疫の低下した方は、症状が重くなることがあるので、注意が必要です。
ノロウイルスを言えば、牡蠣などの二枚貝が原因食品として思い浮かべると思いますが、原因食品を食べて感染するだけでなく、調理者がノロウイルスに感染していて、調理や配膳過程で食品が汚染され、それを食べることで感染します。ご家庭でできる予防のポイントを紹介します。
① 手洗い
特に食事前、トイレの後、調理の前後は必ず手洗いしましょう
二回繰り返すとより効果的!
② 加熱
中心温度85~90℃で90秒以上加熱して食べましょう
③ 消毒
調理器具は、洗剤などで十分に洗浄した後、熱湯(85℃以上)で1分以上加熱するか、薄めた次亜塩素酸ナトリウムに浸して消毒しましょう

また、嘔吐物や排泄物などの処理方法が適切でないと感染します。
処理する場合は、使い捨て手袋とマスクを着用しましょう。
① 嘔吐物は乾燥する前に、ペーパータオルなどで除去し、嘔吐物が付着した場所を塩素消毒液で浸すように拭きとります。
② 拭きとった嘔吐物や手袋などは、ビニール袋に入れ塩素消毒液に浸し密閉して廃棄します。
③ 処理後は、換気と手洗いをしっかり行いましょう。

ノロウイルスを正しく理解し、食中毒を防ぎましょう。


参考
政府広報オンライン 暮らしの役立つ情報
(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201811/3.html)
食品安全委員会ホームページ
(https://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html)
全国健康保険協会 季節の健康情報
(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h25/20131024001/)

【食のコラム10月】

2021年10月01日 | 日記
実はかくれ脱水かも?~秋から冬にかけてもこまめな水分補給を~

 「脱水」と聞くと夏場に汗を大量にかくことで起こると思われがちですが、脱水は1年を通して起こる可能性があります。特に、秋から冬にかけては乾燥が原因で脱水症になることが多く、脱水症になりかけているのに、本人や周囲が気づかずに起こっている『かくれ脱水』に注意が必要です。
 脱水とは体の機能を保持するために重要な役割を担っている「体液」のバランスが崩れることで体から必要な水分と塩分が失われることです。私たちの体は生命を維持するために必要不可欠な「体液」と呼ばれる水分で満たされており、体の水分が減ると様々な不調が起こることがあります。体重に対し1~2%程の減少でも軽度の脱水症状が現れ体調不良に陥ります。
 特に高齢者は体の水分量が少なかったり、のどの渇きを感じる機能も低下していたりと、脱水症になりやすくなっています。
 「かくれ脱水」を予防するためには、こまめな水分補給が大切です。喉が渇いたと思う段階では軽度の脱水状態が起こっているため、喉の渇きを感じていなくても水分補給をしましょう。
 厚生労働省による「健康のため水を飲もう」推進運動では、現在飲んでいるよりも「コップの水をあと2杯飲む」こと、環境省では高齢者の場合「1日あたり1.2Lを目安に飲む」ことをおすすめしています(疾患によって1日あたりの水分量の制限を指示されている方はその量を守りましょう)。

ぜひ、健康のためにこまめな水分摂取を心掛けてみてください。

【厚生労働省ホームページ】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html

【食のコラム9月】

2021年09月01日 | 日記
ナス

 先日、米ナス、長ナス、そしてスーパーではあまり見かけない白茄子(ホワイトベル)、青ナス(緑ナス・翡翠ナス)をいただきました。
 一般的な紫色のナスは、皮の紫部分にポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれているとよく耳にします。ちなみにアントシアニンには抗酸化作用をはじめ、発ガン予防、高血圧や動脈硬化を予防するといった効果があるといわれています。白ナス、青ナスはどうなのでしょう。まずは白ナス。紫色がないので、やはりアントシアニンは含まれません。ですが、アクの成分となるクロロゲンは紫色のナスと変わりなく含まれています。アクの成分とはいえクロロゲン酸には発ガン予防、糖尿病の予防、脂肪の吸収抑制効果があるといわれています。白色だからこそ、アク抜きは十分に行わないと、調理した時の変色が目立ちます。せっかくの白色を生かしたお料理に仕上げるならば、アク抜きは必須です。ホワイトベルの色味を生かして、調味料は白だし、レモン汁、ナンプラーなど色味のないものを使った料理がオススメです。
 次いで青ナス。手に持った感じはこの中で一番固く、引き締まった感じがします。ですが、加熱調理するとすぐに柔らかくなり、崩れやすくなります。薄切りにした調理法よりも厚切りにして田楽やステーキがぴったりです。白ナス同様、アントシアニンは含まれてはいませんが、それ以外は一般的なナスと変わりはなく、ビタミンBやC、ミネラルとカリウム、食物繊維等が含まれています。また、油や調味料を吸収しやすい特性を持っています。油や塩分の摂取が気になる場合は、多くの量を作り置きせず、調理後すぐに食べることで過剰な油や塩分の染み込みを防ぎ、油や塩分の過剰摂取を防ぐことができます
 ナスは種類によって、栄養成分が多少変わり、調理方法も様々です。美味しさには変わりはありません。白ナス、青ナスを見かけたら手にとってみてください。


参考文献;あたらしい栄養学、旬の食材百科

【食のコラム8月】

2021年08月01日 | 日記
栄養素をムダなく食べましょう!~夏野菜~             

夏野菜は水分が多く、暑さでほてった体を冷やしてくれます。  
また、紫外線でダメージを受けている肌の調子を整えます。

トマト
Point① 丸ごと食べる 
     皮にはリコピンや食物繊維が豊富
Point② 油を使って加熱
     リコピンは油に溶ける性質がある
     加熱すると吸収率が倍増
きゅうり
Point① 利尿作用でむくみを改善  
Point② ぬか漬けで食べる
     ビタミンB1・B2も摂れる
     ただし塩分の摂りすぎに注意
なす
Point① 皮ごと調理
皮に含まれる色素成分(ナスニン)はポリフェノールの一種
抗酸化作用に期待!
Point② 油と一緒に食べる
ナスニンの流出が抑えられ、色が美しくおいしさも閉じ込められる
枝豆
Point① 焼いて食べる
     ビタミンB1、ビタミンC、葉酸、カリウムが豊富
     水に溶けやすい栄養素ばかりなので焼くことで損失を最小限に
Point② ビールに枝豆は理にかなっている
     たんぱく質は肝臓や胃を守り、メチオニンにはビタミンB1とともにアルコールの分解を助ける働きがある

出典:
食材のかしこい食べ方 弥冨秀江著(つちや書店)
あたらしい栄養学 吉田企世子 松田早苗 著(高橋書店)




【食のコラム7月】

2021年07月01日 | 日記
スマートミールをご存知ですか?

写真は、東松島市にある飲食店 “旨い食処 あごら” のスマートミール「鶏唐黒酢御膳」です。

スマートミールとは、健康的な空間で提供される、健康に資する要素を含む栄養バランスのとれた食事メニュー。日本栄養改善学会など13の学会等からなる「健康な食事・食環境」コンソーシアム(共同事業体)が2018年から認証を行っているものです。外食、中食、給食部門からなり、2020年8月時点では、419店舗、延べ438メニューが認証を受けており、宮城県内では東松島市に外食部門と中食部門、名取市に外食部門の認証店舗があります。
                   
スマートミールの栄養の基準は、厚生労働省が示す目安がもととなっており、『栄養バランスを考えて“ちゃんと”食べたい女性や中高年男性向け』のものと、『栄養バランスを考えて“しっかり”食べたい男性や身体活動の高い女性向け』の2パターンがあり、主食・主菜・副菜が揃い、野菜がたっぷりで、食塩の摂り過ぎにも配慮したメニューとなっています。

「栄養バランスのよい食事って最近食べてないなぁ」「メタボが気になるんだよねぇ」「塩分を控えるよう言われたけど、薄味はいいイメージがないなぁ」・・・そんな方にはまずは一度スマートミールの体験をおすすめします!

「健康な食事・食環境」認証制度のホームページでは、全国のスマートミール提供店舗やメニュー写真などを見ることができます。食事を選ぶ新しい基準として、ぜひチェックしてみてはいかがですか。

URL http//smartmeal.jp/