宮城県栄養士会 食のコラム

「食と健康」についての情報発信!!

災害時の衛生

2011年04月15日 | 健康・病気

 この度の「東日本大震災」では多くの方が被災し、現在もなお避難生活を送っています。被害が甚大かつ広範囲に及んだことから、電気・ガス・水道といったライフラインの他、通信や物流にも大きな影響がでました。

 災害時は、感染症等が広がりがちです。感染症の予防には、手洗いが基本となりますので、外出やトイレの後、食事の前等、手洗いを心がけましょう。

 水が使えない場合は、ウエットティッシュや消毒用アルコールを活用し、手や器具類の清潔を保つようにします。また、ラップやアルミ、使い捨て手袋、ビニール袋等を利用し、できるだけ素手では食べものを触らないようにするといいでしょう。また、食器を洗うこともできないので、使い捨ての容器を利用したり、ラップやアルミ等を食器の上にかぶせて使用するようにします。

 汲み置きした水は、時間が経つと塩素の濃度が低くなり、消毒効果がなくなります。飲料水は清潔な容器に入れ、冷蔵庫か日の当たらない涼しいところにふたをしめて保管し、3日程度を目安に使い切るようにします。(日なたの場合、1日も持ちません。)
 

 ガスや電気が使えない場合は、冷蔵庫が使えなかったり、加熱調理ができなくなるため、食品の保管には注意が必要です。食品は保管方法と「消費期限」「賞味期限」を確認して適切に保管し、できるだけ早めに食べるようにし、期限のきれたものは処分しましょう。また、缶詰等加工食品も開封後は早めに食べ切るようにします。

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 災害時は栄養が不足し、体の抵抗力も低下しがちです。衛生面に気をつけて、健康を保ち、震災を乗り越えましょう。


たんぱく質、足りていますか?

2011年04月01日 | 健康・病気

  たんぱく質を英語で「プロテイン」といいますが、これはギリシア語で「第一」という意味です。

 たんぱく質は体内で筋肉や臓器などの構成成分となり、生体反応の触媒である酵素、機能を調節するペプチドホルモン、神経伝達物質などとなります。特にたんぱく質は、神経伝達物質(セロトニン、ドーパミンなど)の合成に不可欠です。最近多くなっている「うつ」の症状も、たんぱく質不足が考えられます。また、たんぱく質は、新陳代謝にも必要です。例えば、たんぱく質が不足すると皮膚が再生しないので、傷の治りも遅くなります。

 ダイエット志向やテレビの影響により、野菜中心の食事が健康であることのように錯覚する人、また、コレステロール=卵というイメージから、あえて卵を摂らない人も多く見うけられます。
 

 生命の維持には「第一」にたんぱく質が必要であり、適正な量を摂ることで、健康が保たれます。動物性のたんぱく質(牛乳、卵、肉類、魚介類)と植物性のたんぱく質(豆類、穀類)をバランスよく摂るようにしましょう。

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