宮城県栄養士会 食のコラム

「食と健康」についての情報発信!!

だし~鰹節、昆布、煮干し~日本の味のうま味

2012年02月15日 | 食・レシピ

M_tabemono01 Photo_2  日本料理のおいしさは“だし”にあります。だしが料理に使われるようになったのは室町時代。京都で精進料理に昆布を使ったことだといわれています。味には甘味、塩味、苦味、酸味、うま味がありますが、日本料理を知るまで、世界では「うま味」はなく、日本料理によって「うま味」という言葉が生まれたという話があります。                          
 だしはさまざまなもの、椎茸、肉、貝柱などでもとることができますが、日本のだしの代表といえば、「鰹節・昆布・煮干し」です。日本の水は軟水のため、これらのだしをおいしくとることができます。
 鰹節と昆布は上品なすまし汁に使われ、鰹節のうま味成分はアミノ酸のイノシン酸、昆布はグルタミン酸です。両方のだしを合わせることによって相乗効果が出て、さらにおいしくなります。この両方で最初にとっただしを「一番だし」といいます。昆布は水からつけて沸騰する直前にとりだし、沸騰したところで鰹節を入れ約1分煮出します。その後は鰹節が自然と沈殿するのを待ち、こします。こす時に力を入れないことがポイントです。押してしぼると魚特有の苦味が出てきてしまいます。煮干しは水からつけて、その後火にかけます。沸騰してから3分で火を止めます。魚独特のにおいをとばすためにふたはしないようにしましょう。煮干しは鰹節、昆布に比べると臭みがあるため、すまし汁ではなく、みそ汁に向いています。
 だしがきちんととれていると、薄味でおいしく食べることができます。最近はだしを簡単にとれる“だしパック”ができています。これらを活用してみるのもオススメです。


脂肪肝~あなたもフォアグラ状態?~

2012年02月01日 | 健康・病気

世界3大珍味であるフォアグラ。フランス語でフォアは「肝臓」、グラは「脂の多い、肥大した、太った」という意味で、つまり脂肪肝と訳せます。ガチョウや鴨に、すりつぶしたとうもろこしを強制的に食べさせ、運動をさせずに太らせてフォアグラを作りあげます。Siboukan
 人に当てはめても同じことが言えます。脂肪肝は「肥満」と「アルコール」が原因とされていま す。しかし、アルコールを飲まないから安心というわけではありません。近年アルコールを飲まなくても、脂肪や糖分の多い食事と運動不足による「非アルコール性脂肪肝」が注目されてきています。
 脂肪肝は国民の3人に1人が潜在的にかかっているといわれる生活習慣病の1つであり、肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、肝臓に脂肪がたまっても自覚症状がありません。健康診断の血液検査などで偶然発見されるパターンが多いといわれます。脂肪肝を放っておくと慢性肝炎、あるいは肝硬変や肝がんになる可能性もあります。自覚症状が出た時には手遅れといった場合もあるので注意しましょう。
 脂肪肝を治すにはやはり「食事」と「運動」が基本になります。食べ過ぎと飲酒は控え、長く続けられる運動をするのが一番の治療になります。「時間がない」「付き合いが多い」など、様々な理由で実行に移せない方もいると思いますが、気がついたら立派な「フォアグラ状態」ということがないように少しずつ生活習慣を見直してはいかがでしょうか。