goo blog サービス終了のお知らせ 

よい子の読書感想文 

2005年から、エッセイ風に綴っています。

読書感想文844

2023-01-19 21:03:31 | ガイドブック・ハウツー
『知っておきたい日本の神様』(角川ソフィア文庫)

 数年前、同僚の勧められ、御朱印帳を入手、ときどき御朱印をいただきに参拝をした。トレイルランニングをしていると、神社の近くを通りかかる。御朱印帳を持って走れば、これは一挙両得だなと思っていたが、あんまり集まっていない。
 なんらかの感情移入がないと、興味が湧かないのは当然だが、そもそも由来も知らずに、初詣や御朱印集めをしているのは不信心だなと、後ろめたさもあった。
 それで取っ掛かりに本書を手にした。
 御利益云々というよりも、知らずにいることの不遜さをなんとかしたかった。
 で、読んでわかったかというと、そう簡単な話ではない。文庫本の情報量でまかなえるほど浅い歴史ではないのである。古事記、日本書紀を読む必要を感じた。
 いまさらながら、知らないことが多すぎる。スマホなんかいじってる暇はない、と改めて反省した。
 私は自分が何かの宗教に帰依しているという意識はない。しかし最近、祈ることの真摯さを、自分に課すべきなのではないかと思い始めている。
 感謝すること。顧慮すること。無心になること。自然を、霊を、神を感じること。そういう時間を持ちたい。

読書感想文843

2023-01-17 22:40:24 | エッセイ
『進化した猿たち The Best』(星新一 新潮文庫)

 星新一のご息女による回顧録のような文章を新聞で読んだ。翌日、お気に入りの古書店で、たまたま本書を目にした。
 いつもなら手に取らない星新一。回顧録が良かった。その上、気に入ってるお店で見つけると、読むべき本に見えてくる。たぶん高校生以来で、手にした。
 ブラックユーモアの効いたSF或いは上手いショートショート。星新一のイメージである。しかし本書はどちらでもなかった。エッセイ集である。しかもアメリカの1コマ漫画を題材にしたもの。ちょっと期待が外れてしまった。(よくよく見て選べばいいわけだが)
 面白くなくはないのだが、私は元来、アメリカ的ウィットというか、ユーモアみたいなものに琴線が触れないのである。その傾向は歳を重ねて強くなったようで、琴線どころか、醒めた目で見てしまって、ときに苛立たしささえ覚えてしまう。
 芸人の、漫才みたいなやりとりに反吐が出そうになる私には、この手の面白さが、エンターテイメントにはならなくなったようだ。
 それでも読み進められたのは、星新一の文章ゆえなのだろうけれど。