「半妖」としての自分

2009-05-14 23:08:57 | 小説
今回も小説を書いてみました、相変わらず下手な文章ですけれど、暇つぶし程度だと思って読んでみて下さい、それでは↓から始まります。








この世に生を受けて、もう一体どのくらいの年月が過ぎたのだろうか・・・?


妖怪の父と、人間の母との間に生まれた自分・・・


「半妖」であるがゆえに、いつでも幼い頃から、何処へ行っても差別ばかりされて来た・・・



幼い頃は今のように対して実力も妖力(ちから)もなくて、普通に「人間」として育った・・・




でも7歳のあの日、育ての母、つまり自分にとっては義母に当たる「美弥」と暮らしていた村に、あの妖怪「なだれまねき」が現れたあの日、何もかもを知ってしまった、自分の出生の秘密を・・・




義母(はは)はあの時死んでしまった、あいつとの戦いに巻き込まれて死んでしまった・・・

あの日から僕は、「天涯孤独の身」となり、実の母を探す旅が始まった・・・




旅に出て何日かが過ぎたある日、古ぼけた寺で一晩を過ごそうと、中に入ると、不思議な声が聴こえて来たんだ・・・



「猫目小僧・・猫目小僧よ・・・」


「?!だ、誰だ?!?」


「お前は自分の出生について、もっと詳しく知りたいとは思わないのか?」

「誰だ!?一体誰なんだ、お前は?!姿を見せろ!」


「そう噛みつくでない、わしは声だけの存在だ、しかしお前の事は生まれた時からずっと見て来た、お前の父と母の事も皆知っている」


「何だって???」


「なだれまねきの言った事は紛れもない事実じゃ、お前は大妖怪様のお子、お前の身体には、大妖怪『猫又』の血が流れておる」

「僕は、妖怪の子・・・?」

「そうじゃ、お前の父は立派な大妖怪様じゃった、しかしお前の母は『人間』じゃ、お前は妖怪の血と人間の血を両方受け継いだ。『半妖怪』、だからお前は『禁忌の子』『罪の子』なのじゃ」


「何故?!どうして、何で僕が罪の子なんだ!!?」

「人間と妖怪の夫婦は、認められてはおらぬ、絶対にあってはならぬ間柄。『掟』なのだ、それなのにお前の両親は、『掟』を破って夫婦となり、そしてお前が生れた、お前の両親は禁忌を犯したのだ」



「そんな、何で・・・?どうしていけないんだ、誰が誰を好きになろうと勝手だろう?そんなの可笑しいよ・・・・・!!」



「お前の父は妖怪でありながら、人間であるお前の母を愛した。そしてお前の母も人間でありながら、妖怪であるお前の父を愛した。これは本来なら絶対に許されぬ事、我々の世界では最も重い罪だ」


「だから何でだよ、何で好きになっちゃいけないんだ!!人間だろうが妖怪だろうが、恋愛は自由なはずだーーーーー!!!」


猫目小僧は暗い荒れ果てた寺の中で、自分に語りかけてくる声に思いっきり反発するかのように、叫んでしまった。


「猫目小僧よ、お前はいつか実の母と再会する日が来るだろう、そして母からもっと詳しく、父の事を聞く事となるだろう、しかし妖怪達はお前をこのまま放ってはおかぬ、お前が生き続ける限り奴らはお前をしつこく狙ってくる、そしてお前はそいつらと戦わねばならぬ運命にある。お前がどこまで戦えるかは知らぬが、生きたいと言う思いが強いのならば、戦うがよい、自分にもっと妖力(ちから)をつけて奴らと互角に戦えるくらいになるがよい、本当にお前にそれだけの実力があるのであればな」


「・・・・・」


「わしは言えるだけの事は言った、ではさらばじゃ小僧。また会える日が来ればいつか再会の時が来るかも知れぬ」


「ま、待て!お前は一体何者なんだ、何故僕にこんな話をした?!お前は何故僕の前に声だけで現れた??!」

「その質問については今すぐには答える事は出来ん、しかしいずれわかる日が来る。その日までさよならじゃ」


それだけを言い残して、『不思議な声』は猫目小僧の耳から消えて行った。





そしてそれからの僕は死に物狂いだった、母を探して旅をしている間も、母と再会出来てからも、僕には休んでいる時間などなかった・・・



毎日毎日暇さえあれば修業をした、妖力(ちから)をつける為に・・・



あれから数年が過ぎ、今年で僕は、人間年齢15歳となる・・・

幼かった日の事が嘘のように、一瞬で過ぎ、今はあらゆる技や妖術が使えるようになった・・・

妖怪達(やつら)とも互角に戦えるようになった、しかし今でも分からない事がある・・・


あの日古寺で聞いたあの声の正体は一体誰だったのか、今でも謎のまま・・・


でも別にそんな事は問題じゃないと思う・・・


大事なのは今だから・・・

自分を産んだ、実の母と再会出来て・・・

母が住む村に一緒に住む事が出来て・・・

僕は今、幸せなのだから・・・



『半妖』として生きる為に、そして母を、村を、村の皆を守る為に・・・


僕は今日も戦い続けるのだから・・・





END






終わったーーーーー!!!!!今回もどうにかこうにか終わりました、相変わらず下手な小説で申し訳ございません~~~~~・・・・・



久しぶりに描いたなあ「妖怪伝 猫目小僧」の小説。相変わらず原作じゃなくってアニメ寄りだけどね。
(ルイは猫目小僧は原作よりも、アニメの方が好きなんです)


本当にこのアニメを知っている人ってごくわずかなんだろうなあ、私の周りにはゼロに近いくらいに誰も知らないんだもん、寂しいや・・・




それではここまでのお付き合いどうもありがとうございました、へたっぴな小説ですけど、楽しんでいただけたのなら幸いです。