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人の世は、滞在期間の定め無き、今日一日の旅の宿

 時 人を待たず、光陰 惜しむべし
 古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を 惜しまず
 唯 光陰のみ、之を惜しむ

方剤:麻子仁丸

2019-08-17 | 日記


次は麻子仁丸です。
単純に言えばこれは承気湯系の潤下剤です。
大黄,枳実,厚朴が含まれ大承気湯小承気湯共通しています
承気湯は、本来は気剤であって瀉下剤なのです。
麻子仁が入っており、杏仁と共に双仁組と言いますが、
油の成分でひまし油等と同じで腸管を潤す作用があり、
これが表に出ているので麻子仁丸と言います。
小承気湯の部は少ないので、承気湯の作用はマイルドになっています。

杏仁は麻子仁の作用を増強します。
現実には麻子仁丸はよく使います。
便の硬いタイプの便秘に夜だけ飲む形で使われます。
センノサイド等はお腹が痛くて、絞り出すように作用するのですが、
麻子仁丸は非常に楽なお通じがつきますので特にお年寄りに喜ばれます。

これに更にいろいろ加わったものが潤腸湯になります。
麻子仁丸は夜だけ飲ませるのですが、このタイプの人は
昼間に飲む薬に当帰等、潤腸湯に加わっている薬が含まれているのです。
だから実際に飲ませてみると麻子仁丸も潤腸湯もあまり変りはないのです。

麻子仁は帰経は太陰の肺で心不全をちょっと改善させる作用があります(復習、
東洋医学の肺は心肺機能も含む…佐藤)。
麻子仁が灸甘草湯にもはいっているのはそういう意味なのです。
でも麻子仁は麻子仁丸で使われているときと、
灸甘草湯で使われているときと全然違う薬の様な感じがして、
私もまだ完全にはこの意味が分からないのです。
だから麻子仁丸は潤下剤だと理解して下さい。

第12回「さっぽろ下田塾」講義録
http://potato.hokkai.net/~acorn/sa_shimoda12.htm


https://www.kigusuri.com/kampo/kampo-care/033-4.html