規範と欲求がぶつかったとき
多くの人の悩みを聞いていると、彼らの中で「規範」と「欲求」がぶつかっています。
「こうあるべき」というルールと、「こうしたい」という実際の欲求とが対立している。
すると、「したいようにする」とルールを犯すことになり罪悪感が生じて苦しい。かと言って「こうあるべき」に従ってしたいことをしないでおけば満たされずに不満になる。
左へ行けば罪悪感、右へ行けば不満。どっちへ進んでも苦しい。
こういうのを「葛藤」と言うわけです。
「規範」と「欲求」の衝突をたくさん解いてきた経験からお話しするなら、こういう時には「規範」を捨てることが唯一の解決です。「規範」と「欲求」が対立するとき、「規範」は変えられますが「欲求」は変えられません。
これは多くの人が理解していないことなのですが、心の底から欲していることは、欲しないことにできないのです。「欲求」は有機的なものであり、満たされるまで満たされることを求めてきます。それに素直に従ってあげる以外に心を安らかにする方法はありません。
それに対して「規範」は人間が勝手にこしらえたものです。無機的なものであり、捨ててしまえば私たちに影響を及ぼすことはできません。
ということで、「規範」と「欲求」が対立したときは、常に「欲求」が正しくて「規範」が間違っていると私は考えています。
ところが、現代社会に住む多くの人は、「規範」が正しくて「欲求」が間違っているという風に真逆の発想で生きているのです。
私のように発想すれば葛藤は解決してしまいます。ところが、真逆の発想をすると葛藤は絶対に解けません。
さて、このような規範主義が感情を病ませ幸福を妨げると気づいた人たちがこれまで何人もいました。
三木清、岸見一郎、島野隆などです。
彼らはいずれも幸福の要求に応える生き方を奨励しています。幸福の要求に応えるとは「欲求」に現れてくるものを満たしてあげることです。
多くの人は知らず知らずのうちに「欲求」を否定して「規範」を優先してしまいます。「したい」「欲しい」と感じることに対して「したいと思ってはならない」「欲してはならない」という信念をもち、信念を優先させるのです。
「規範」に従っているのだから「正しいこと」をやっている。でも「欲求」は満たされないからちっとも「幸せではない」。このような矛盾した生き方になってしまいます。
なぜこうなるかと言うと、「正しさ」というものを完全に誤解しているからです。
本当の「正しさ」とは「欲求に素直に従うこと」なのです。「欲求に従わないこと」「欲求を裏切ること」は「間違い」なのです。
こちらの「正しさ」に従えば、「正しいこと」がそのまま「幸せ」に繋がります。「心が求めていることを大事にする」から「満たされる」。「満たされる」から「幸せになる」んです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
では、もう少し具体的に見ていきましょう。
「大学に行きたくない」という人が、「大学に行かないといい仕事につけないよ」と言われて「大学に行ったほうがいいのかなあ」と悩んでいる。
この場合「大学に行きたくない」が「欲求」で「大学に行ったほうがいい」が「規範」です。
「規範」を優先して大学に行ってしまうと、いろいろな心理的問題が出てきます。やりたくないことを自分に強制していますから。
「行きたくない」なら「行かない」ほうがスッキリします。「これをやりたい」と思えることをやるほうが、その人は幸せになれます。
ただ、多くの人は自分の「欲求」に素直に従えるだけの自信を持っていません。なので「規範」に従うことで少なくとも周囲から承認されようとするわけです。
自分が結婚したいと思った相手を、親が気に入らなかった。「親が認めてくれない相手と結婚することは親不孝ではないか」と思って悩んでいる。
これも「欲求」と「規範」の衝突です。
「その人と結婚したい」が「欲求」で、「親が認めた相手と結婚すべき」が「規範」。
「欲求」をとれば自分の幸福は拡大する。「規範」をとれば親の承認範囲の中でしか生きられないことになります。
「欲求」と「規範」は質的にとても違います。「欲求」は喜びに向かっていくものなのに対して、「規範」は正しさに向かっていくものです。ただ、正しさと言っても「自分がそう決めている正しさ」に過ぎません。
「大学に行くべきだ」とか「親が認めない相手と結婚すべきでない」という「規範」を正しくないと思っている人も世の中にはたくさんいます。宗教の教義のように、守らないと罰せられるというものではありません。
「正しさ」というものは、自分の意識が拡大するにつれてバージョンアップしていかなくてはならないものです。
そして、「欲求」と「規範」が衝突してジレンマに陥った時ほど、それに相応しい時はありません。
http://blog.livedoor.jp/rsuganami/archives/1751895.html
多くの人の悩みを聞いていると、彼らの中で「規範」と「欲求」がぶつかっています。
「こうあるべき」というルールと、「こうしたい」という実際の欲求とが対立している。
すると、「したいようにする」とルールを犯すことになり罪悪感が生じて苦しい。かと言って「こうあるべき」に従ってしたいことをしないでおけば満たされずに不満になる。
左へ行けば罪悪感、右へ行けば不満。どっちへ進んでも苦しい。
こういうのを「葛藤」と言うわけです。
「規範」と「欲求」の衝突をたくさん解いてきた経験からお話しするなら、こういう時には「規範」を捨てることが唯一の解決です。「規範」と「欲求」が対立するとき、「規範」は変えられますが「欲求」は変えられません。
これは多くの人が理解していないことなのですが、心の底から欲していることは、欲しないことにできないのです。「欲求」は有機的なものであり、満たされるまで満たされることを求めてきます。それに素直に従ってあげる以外に心を安らかにする方法はありません。
それに対して「規範」は人間が勝手にこしらえたものです。無機的なものであり、捨ててしまえば私たちに影響を及ぼすことはできません。
ということで、「規範」と「欲求」が対立したときは、常に「欲求」が正しくて「規範」が間違っていると私は考えています。
ところが、現代社会に住む多くの人は、「規範」が正しくて「欲求」が間違っているという風に真逆の発想で生きているのです。
私のように発想すれば葛藤は解決してしまいます。ところが、真逆の発想をすると葛藤は絶対に解けません。
さて、このような規範主義が感情を病ませ幸福を妨げると気づいた人たちがこれまで何人もいました。
三木清、岸見一郎、島野隆などです。
彼らはいずれも幸福の要求に応える生き方を奨励しています。幸福の要求に応えるとは「欲求」に現れてくるものを満たしてあげることです。
多くの人は知らず知らずのうちに「欲求」を否定して「規範」を優先してしまいます。「したい」「欲しい」と感じることに対して「したいと思ってはならない」「欲してはならない」という信念をもち、信念を優先させるのです。
「規範」に従っているのだから「正しいこと」をやっている。でも「欲求」は満たされないからちっとも「幸せではない」。このような矛盾した生き方になってしまいます。
なぜこうなるかと言うと、「正しさ」というものを完全に誤解しているからです。
本当の「正しさ」とは「欲求に素直に従うこと」なのです。「欲求に従わないこと」「欲求を裏切ること」は「間違い」なのです。
こちらの「正しさ」に従えば、「正しいこと」がそのまま「幸せ」に繋がります。「心が求めていることを大事にする」から「満たされる」。「満たされる」から「幸せになる」んです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
では、もう少し具体的に見ていきましょう。
「大学に行きたくない」という人が、「大学に行かないといい仕事につけないよ」と言われて「大学に行ったほうがいいのかなあ」と悩んでいる。
この場合「大学に行きたくない」が「欲求」で「大学に行ったほうがいい」が「規範」です。
「規範」を優先して大学に行ってしまうと、いろいろな心理的問題が出てきます。やりたくないことを自分に強制していますから。
「行きたくない」なら「行かない」ほうがスッキリします。「これをやりたい」と思えることをやるほうが、その人は幸せになれます。
ただ、多くの人は自分の「欲求」に素直に従えるだけの自信を持っていません。なので「規範」に従うことで少なくとも周囲から承認されようとするわけです。
自分が結婚したいと思った相手を、親が気に入らなかった。「親が認めてくれない相手と結婚することは親不孝ではないか」と思って悩んでいる。
これも「欲求」と「規範」の衝突です。
「その人と結婚したい」が「欲求」で、「親が認めた相手と結婚すべき」が「規範」。
「欲求」をとれば自分の幸福は拡大する。「規範」をとれば親の承認範囲の中でしか生きられないことになります。
「欲求」と「規範」は質的にとても違います。「欲求」は喜びに向かっていくものなのに対して、「規範」は正しさに向かっていくものです。ただ、正しさと言っても「自分がそう決めている正しさ」に過ぎません。
「大学に行くべきだ」とか「親が認めない相手と結婚すべきでない」という「規範」を正しくないと思っている人も世の中にはたくさんいます。宗教の教義のように、守らないと罰せられるというものではありません。
「正しさ」というものは、自分の意識が拡大するにつれてバージョンアップしていかなくてはならないものです。
そして、「欲求」と「規範」が衝突してジレンマに陥った時ほど、それに相応しい時はありません。
http://blog.livedoor.jp/rsuganami/archives/1751895.html
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