面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

若手医師を過労自殺に追い込んだのはブラック病院だった

2023-08-21 19:05:57 | 政治
若者を使い潰す國日本 - 面白く、そして下らない

の続きになる。

若手医師を過労自殺に追い込んだのは日本という國だと思っていたのだが、どうも勤務先がブラック企業ならぬブラック病院だったようだ。

もちろん厚生労働省も「自己研鑽」なるやりがい搾取、無償労働を認めている当たり一定の責任はある。

だが何より問題なのは勤務先のブラック「病院」「甲南医療センター」だ。

全文引用してしまったため逆に読みにくいのだが、省略が難しいので週刊文春の記事を全文引用した。

しかし「甲南医療センター」がこれほどのブラック病院とは思わなんだ。しかも一人の将来ある若手医師を過労自殺に追い込んで反省の色は何もない。

~~引用ここから~~
《内部音声公開》院長が職員向け説明会で「業務量は多いと言えない」「手元に資料がない」を連呼 職員は取材に「隠蔽していたのではないか…」【神戸・甲南医療センター26歳医師自殺】 | 文春オンライン

《内部音声公開》院長が職員向け説明会で「業務量は多いと言えない」「手元に資料がない」を連呼 職員は取材に「隠蔽していたのではないか…」【神戸・甲南医療センター26歳医師自殺】 | 文春オンライン

「(自殺した)医師の業務量は担当患者数等の点で極めて多いとは言えないし、他の専攻医と比較しても突出して多いと言うこともできない」「週刊文春」が入手した音声データ...

文春オンライン

 


「(自殺した)医師の業務量は担当患者数等の点で極めて多いとは言えないし、他の専攻医と比較しても突出して多いと言うこともできない」

「週刊文春」が入手した音声データに記録されていたのは、まるで「月に200時間超」という異常とも言える残業など無かったかのような院長の説明だった。

 昨年5月に兵庫県神戸市の基幹病院「甲南医療センター」に勤務していた医師の高島晨伍(しんご)さん(当時26)が自殺し、西宮労働基準監督署が労災認定していた事件が明るみに出た。地元記者が解説する。

「8月17日、読売新聞の報道で、労基署が高島さんの自殺は長時間労働による精神疾患が原因だとして労災認定していたことが発覚しました。一般的な厚労省の労災認定の基準では、発症前1カ月間に残業100時間とありますが、高島さんのケースで労基署が認定したのは倍の200時間を超えていた。同日中に、記者会見した病院側は『タイムカードの打刻の時間で計算すると、長時間になるがこれには自己研鑽の時間も含まれている』と説明。高島さんが病院に自己申告していた残業時間は30時間ほどだということも明かしました」

院長らによる職員向け説明会の音声データを入手

 病院の記者会見などによると、高島さんは2020年に神戸大を卒業後、甲南医療センターで研修医となった。2022年4月からは消化器内科の専門を目指す専攻医として勤務。初めて主治医として患者を担当する立場となった。同時期には学会に向けた資料作りも並行して行っていたといい、3カ月ほど休みが無い状態で精神的に追い詰められて昨年5月17日に自宅で自殺したという。

「報道が出て初めて残業時間が200時間を超えていたと知り、そこまで大変だったんだと衝撃を受けました。職員向けの説明会では、病院側は一切そんなことを言っていませんでしたから…」

 匿名を条件にそう証言するのは、甲南医療センターの現役職員だ。

「週刊文春」は、今年3月3日、高島さんの自殺に関連して、職員向けに具英成(ぐえいせい)院長らが行った説明会の音声データを入手した。一体、何が記録されていたのか。

病院側は「具体的な時間はちょっと今はコメントしません」

 具院長はまず、第三者委員会や労基署への対応などを説明。そして、第三者委員会から受け取った調査報告書について「要約して話します」としたうえで、以下のように述べていた。

 具院長「業務上、時間外労働時間について。高島医師が自死をされた立場に立たれたのは2022年4月以降のことであり、これは専攻医になられてからという趣旨ですね、2022年4月以降の病院の勤務医としての高島医師の業務量は担当患者数等の点で極めて多いとは言えないし、他の専攻医と比較しても突出して多いと言うこともできない」

 つまり、高島さんの業務量は「多いと言えない」と語ったのだ。

 これに対し、職員の一人が「他の先生方とは突出して変わりはないということを今、お聞きしたんですけれども、具体的に何時間働いていたのか、自己研鑽の定義について教えて頂けたらと思います」と質問すると、院長は重ねて次のように答えた。

 具院長「自己研鑽の時間はどのくらいで、実際に打刻の時間はどれくらいで、本人の時間外勤務の申請がどのくらいで、それからコンピュータ上の仕事をしていたと推測される時間、4月5月労基署等々に含めて報告をしています。ここで具体的に申し上げる資料を今日は持ち合わせていません」

 だが、実際には第三者委員会が調査報告書で認定した時間外労働は、労基署が認定した200時間超とほぼ同水準の197時間36分だった。にもかかわらず、具院長は「資料を持ち合わせていない」などとして、時間外労働についての言及を避けていたことになる。

 さらに、病院側と職員のやり取りは以下のように続いた。

 病院側「他の職員に比べて突出したものはなかったというのは、これは業務量、時間外勤務時間が、ということではなくて、例えば患者数が何人であるかとか、消化器内科ですから、内視鏡の患者が、要は課されていた業務量はそれほどではなかったと、そういうコメントですので」

 職員「自己研鑽含めて、ということですか」

 病院側「いや、つまり、課されていた業務量。具体的な時間に関しては、ちょっと今はコメントしませんけど、時間数の話をしているわけではない」

職員は取材に「再び悲劇が起きかねません」 
 前出の甲南医療センター職員が証言する。

「『手元に資料がない』とこの時は煙に巻かれましたが、その後も職員には一切残業時間は開示されませんでした。でも、実際には第三者委員会も労基署も、200時間前後の時間外労働をしていたと認定した。今思えば、病院にとって都合が悪い数字は隠蔽しようとしていたのではないか、という疑いが拭えません」

 さらに、こう続ける。

「学会での資料作りにしても、若手の場合、上司の頼みを断ることができずにやらされるケースが大半。彼に業務量を調整することは出来なかったのではないでしょうか。また、病院側は『自己研鑽の時間は業務に含まれない』と強調していましたが、手術の準備、新薬の勉強…どれも患者さんのためにやっていて、立派な『仕事』です。にもかかわらず、残業時間については多くの職員が過少に申告しています。この現実に病院が真剣に向き合わなければ、再び悲劇が起きかねません」

 甲南医療センターに事実確認を求めると、書面で以下のように回答した。

――3月3日に行われた病院職員を対象にした説明会で、生前の高島医師の勤務について「業務量は担当患者数等の点で極めて多いとはいえない」「(業務量は)他の医師と比較して突出して多いとは言えない」と、病院側が説明したと聞きましたが事実でしょうか。

「報告書にあった記載をそのまま職員に伝えたものです。当院の見解としても、生前の高島医師の『業務量は担当患者数等の点で極めて多いとは言えない』『(業務量は)他の医師と比較して突出して多いとは言えない』とは考えております」

――職員から具体的な高島医師の勤務時間について質問が出た際、病院側は「資料を持ち合わせていない」などと明かさなかったと聞きましたが事実でしょうか。

「現段階では確認できません。ただ、3月3日、当日の説明会は、上に述べたように、第三者委員会の調査報告書の内容に関する説明会でした。ですから、説明する側が調査報告書以外の資料を手元にもっていなかったということは事実ではあります」

――「週刊文春」の取材では、職員から「病院は『学会発表の準備は自己研鑽であり、時間外労働には該当しない』と説明しているが、若手医師にとっての学会発表の多くは上司からの指示、指導で行われており、自己研鑽も時間外労働に該当するものと考えるのが妥当だ」「前日の手術の予習や、最新の治療薬・治療法の勉強も自己研鑽に分類されることが多いが、日常診療を行う上で必要不可欠なことなので、本来ならば時間外労働に分類すべきだ」などの指摘が出ています。これらについて、貴院の見解を教えて下さい。

「当院における医師の自己研鑽の取り扱いは、平成31年3月28日に公表された厚生労働省『医師の働き方改革に関する検討会報告書』に依拠しております。したがって、当院の自己研鑽に関して独自の見解があるわけではありません。ご質問にある職員からの指摘が仮に事実であれば、当該職員は上報告書と違う意見にたつものです。当院としては、医師の自己研鑽の自由を確保するためには、上意見書にしたがいつつ、具体的な案件が生じたときには対応を致したいと考えております」

 自殺した高島さんの遺族は甲南医療センターを運営する法人に対し、すでに労働基準法違反の疑いで刑事告訴しているほか、民事訴訟も起こす予定だという。
~~引用ここまで~~


~~引用ここから~~
《「院外持出厳禁」文書入手》 病院が職員に配った「あれも業務外、これも自己研鑽」マニュアル 【神戸・甲南医療センター26歳医師自殺】続報 | 文春オンライン

《「院外持出厳禁」文書入手》 病院が職員に配った「あれも業務外、これも自己研鑽」マニュアル 【神戸・甲南医療センター26歳医師自殺】続報 | 文春オンライン

「病院として過重な労働を付加していた認識はない」「時間外労働の把握に関する部分には相違がある」昨年5月に兵庫県神戸市の基幹病院「甲南医療センター」に勤務していた医...

文春オンライン

 


「病院として過重な労働を付加していた認識はない」「時間外労働の把握に関する部分には相違がある」

 昨年5月に兵庫県神戸市の基幹病院「甲南医療センター」に勤務していた医師の高島晨伍(しんご)さん(当時26)が自殺し、西宮労働基準監督署が労災認定していた事件。8月17日に記者会見した具英成院長は、冒頭のように労基署の認定に異論を唱えた。

「労基署の認定では、亡くなる直前の高島さんの月の残業時間が200時間を超えていました。しかし、病院側は『タイムカードの打刻の時間で計算すると、これには自己研鑽の時間も含まれている』と説明。高島さんが病院に自己申告していた残業時間は30時間ほどだということも明かし、200時間には業務外のスキルアップのための自己研鑽や休憩・仮眠の時間が含まれていると主張したんです」(地元記者)

「週刊文春」は、具院長らによって今年3月3日に行われた職員向けの高島さんの自殺に関する説明会の音声データを入手。そこでも具院長らは、高島さんの残業時間の具体的な時間を明かさずに「(高島さんの)業務量は多いとは言えない」「自己研鑽の時間はどのくらいか、資料を持ち合わせていません」などと話していた。

 匿名を条件に現役職員が明かす。

「もともと病院には『業務』と『自己研鑽』を区別する明確なガイドラインが存在していませんでした。ところが、高島さんが昨年5月に自殺したことを受け、病院側は急遽、全職員に向けて業務内容に関するアンケートを実施したんです。職員たちはみんな『曖昧だった自己研鑽についての定義をはっきりさせることができれば』と回答したのですが、蓋を開けてみると、トンデモないガイドラインが配られて…」

目を疑う〈院外持出厳禁〉資料の内容
「週刊文春」は、甲南医療センターの働き方改革特別推進室が作成した「医師の時間外労働と自己研鑽についての取り扱い指針」と題された複数バージョンの資料を入手。〈Ver.1.0 2022年10月〉版の資料は、表紙に〈院外持出厳禁〉と赤字で記載されていた。

「昨年末ごろですかね、2022年10月版を初めて見て、アンケートの結果が集約されたんだなと思いました。こそっと中をのぞくと、目を疑いましたよ。自己研鑽の例『新しい治療法や新薬についての勉強』や『自らが術者である手術や処置等についての予習や振り返り』といった文言が並んでいたんです」(同前)

〈勤務時間内に行う努力が必要〉〈予習・振り返りは自己研鑽〉

 その後、今年4月に職員たちに向け、アップデートされた資料〈Ver.2.0 2023年4月〉版が配布された。こちらも表紙には〈院外持出厳禁〉と明記されている。その一部を抜粋すると、以下の通りだ。

Q:新しい治療法や新薬についての勉強

*新しい治療法や新薬について保険適応になっているのであれば(もしくはもうすぐ承認)医療業務、未承認であれば患者さんに還元されないので自己研鑽の範囲では?

A:新しい治療法や新薬の保険適応に関係なく、自己学習は自己研鑽になります。

Q:自分が主治医である患者の手術、検査、処置等についての予習や振り返り

*就業開始前の朝のカルテチェック、予習は医療業務に入らない?

*朝の始業前の時間の回診なども医療業務では?

*術前・後、検討会の発表のための予習・振り返りは?

A:時間によらず、カルテチェック、予習、復習、回診等は医療業務にあたります。これを、できるだけ勤務時間内に行う努力が必要です。就業開始前ではなく、可能な限り、就業開始時間(8:30)と外来、検査開始時間(9:00)の間に行うよう各科で工夫が必要です。

(略)

 自らが術者である手術や処置等の予習や振り返り、検討会の発表のための準備としての予習・振り返りは自己研鑽になります。

 このように、職員から寄せられたとみられる*の質問を参考に、Q&A形式での説明が並ぶ。別の現役職員が嘆く。

「例えば若い先生だったら、手術の事前に上司と方法について確認したり、本を読んだりして勉強するのが当たり前です。1日3時間くらいはかかったりする。人の命を扱うんですから当たり前です。新薬についての勉強はベテランも含めてやりますが、製薬会社の人に病院に来て頂いて説明を受けたり、ウェブセミナーを受講することもある。目の前の患者さんを助けるために、予習をしたり勉強をしたりするわけですし、これが業務に当たらないというのは正直、納得できません」

 また、叩き台と見られる2022年10月版と、実際に職員に配られた2023年4月版を比較すると、2023年4月版では〈当院における自己研鑽と時間外医療業務の区別の具体的な例〉のリストとして、自己研鑽の例の最後に〈専攻医プログラムに沿った学会発表〉などといった文言が追加されていた。

 関西地方の別の病院の勤務医が解説する。

「昔でいう後期研修医に当たる専攻医を一人前の専門医に育てることが病院の使命です。専門医になる上で学会発表は免れない。これを業務時間外とするのはさすがにブラック過ぎます。うちの病院では間違いなく『業務』として扱いますよ。高島さんは、専攻医として学会発表の準備に追われていたこともまた、大きな負担になっていたようですが、甲南医療センターではこれを『自己研鑽』と見なすという結論にしたのでしょうね……あくまで過剰労働ではないというスタンスを取りたいんだと思います」

多くの“業務”が「自己研鑽」扱いに

 2023年4月版では、以下のようにQ&Aが続く。

Q:参加義務のない上司、先輩が施行する手術、検査、処置等の見学 上記の途中で手伝いを依頼され手伝った場合

*主治医として患者の治療のためのものは業務では?

*手伝い(診療上の場合)を依頼され手伝った場合、拒否したのに手が足りなくて手伝った場合は業務では?

(略)

*“参加の義務のない”とは誰が決めるのですか? 上司・先輩への忖度で実質義務の様なものだと思います。すべて医師として必要な医療業務の中の1つと思います。指導医を取るまでは義務にしてあげたらいいのでは?

A:“参加の義務のない”とは、基本的には、主治医以外の患者の手術、検査を指しますが、上司の命令、指示で行う見学は業務、それ以外のものは自己研鑽です。主治医である患者の手術、検査の見学は当然医療業務になります。見学中の手伝いの扱いは非常に難しいのですが、手伝いが常態化している場合は業務として扱い、常態化していない場合は自己研鑽になります。

〈それ以外のものは自己研鑽〉

 この〈それ以外のものは自己研鑽〉は繰り返し出てくるワードだ。実際に業務と認められる仕事は限定的で、多くの“業務”が「自己研鑽」扱いになっている。最後のQ&Aは、次のような病院の見解で締めくくられていた。



*本人が「自己研鑽」として行っていないことを、上司が「自己研鑽」だと決めつけたり評価することはおかしい。

A:一般企業と同じく、病院に勤務する医師の労務管理には一定のルールが必要であり、各勤務医の勤務状況を医療業務とするか自己研鑽とするかは、労働基準局通達を基にしたこの指針に記載した当院の規則に則って、最終的には上司が判断します。

中堅の現役職員が訴える。

「この文言には唖然としました。結局、『自己研鑽』か否かを判断するのは、上司だということです。このようなマニュアルがまかり通る限り、いつまで経っても、うちの病院の労働環境は良くならないと思います」

 甲南医療センターに「医師の時間外労働と自己研鑽についての取り扱い指針」についての見解を求めたが、遺族が訴訟提起の意向を示していることを理由に「本件についてのご質問については回答を差し控えさせて頂きます」とした。

 あれも業務外、これも自己研鑽……。若手医師の自殺という悲劇を招いた甲南医療センターの労働環境について、「週刊文春」には職員たちから続々と告発が寄せられている。

(略)
~~引用ここまで~~

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