春闘と非正規労働者と少子化と

～～引用ここから～～

満額相次ぐ異例の春闘　「賃上げは正社員だけ」非正規ほぼゼロ回答：朝日新聞デジタル

　春闘での賃上げをめぐり15日は大企業の満額回答が相次ぎ、その流れを中小企業などにつなげようと「政労使会議」も開かれた。だが労働組合に加入するのは、正社員中心に労働者の2割弱にとどまる。異例の物価高の中、春闘の恩恵を受けられない非正規労働者からは憤りの声もあがる。

　「これ以上ない評価をしたい」

　自動車や電機などの労組でつくる金属労協の金子晃浩議長（自動車総連会長）は15日の会見で、この日までに回答のあった大手43社の8割超が満額だったとして、そう語った。

　基本給を底上げするベースアップ（ベア）相当分は平均8407円。前年の4倍以上で、比較可能な2014年以降で最高だ。金子氏は例年より早く妥結する企業が相次いだことなどにも触れ、「異例の回答状況だ。こうした成果は日本経済を好転させる契機となり得る」と力を込めた。

　経団連の十倉雅和会長はこの…（以下有料）
～～引用ここまで～～

朝日新聞の有料部分は読めないので（引用しておいて何だが絶対に買わないで欲しい）、記事のタイトルから想像するしかないのだが、大企業は正社員には満額回答という手厚い労働者保護だが、その恩恵は非正規労働者には及ばなかったようだ。

もはや大企業の正社員というのは階級になってしまっている。大企業の正社員になれれば高い給与に終身雇用。年功序列は崩れているようだが、出世を気にしなければ一生安泰だ。斜陽の大企業、業界もあるが。新聞業界など。

しかし中小企業の正社員に大企業でも非正規労働者ではそうはいかない。給与は上がらないし、身分は不安定だ。それでは結婚して子供を持つことはできない。それはデータからも明らかだ。



その非正規労働者は労働者全体の4割にもなるのだ。これでは少子化になるのもむべなるかな。

政府は非正規労働者を減らす政策を採るしかない。そうしなければ日本人が消滅してしまうからだ。

非正規労働者を激増させたのは小泉純一郎による製造業の派遣解禁だ。それにより箍が外れてしまった。

また消費税にも問題がある。正社員を減らして非正規労働者を増やすと「節税」になってしまうのだ。これでは企業は正社員を減らそうということになってしまう。

そして1997年。橋本龍太郎の緊縮財政により日本経済は崩壊し、名目GDPは何と2%しか成長していないのだ。労働者の給与の中央値は100万円も下がってしまった。

結婚できた正社員も子供を大学まで行かせるのに一人2000万円掛かると言われているから、子供を儲けても2人までになってしまう。これでは人口は減るしかない。

岸信介が首相を退いてからだったかもしれないが、岸信介が中心の1人になり、政府は人口が増えすぎないよう「子供は2人まで」という政策を実行している。それにより人口増加は抑制され今に至るまで緒を引いている。

自民党は少子化が行き過ぎて慌てているが後の祭りだ。

少子化を何とかしたいなら橋本龍太郎以前の積極財政を行い、小泉純一郎・安倍晋三・竹中平蔵の構造改革を否定する必要がある。自民党の積極財政派はまあ大体そのような考えだが、だから主流派になれない。人事でも冷遇されてしまう。

岸田文雄や麻生太郎が牛耳る自民党では駄目なのだ。彼らを失脚させるために統一地方選と補欠選挙で自民党を大敗させるしかないと繰り返し書いているのだが、権力闘争というものはどう転ぶかわからない。

次の首相が積極財政派なら良いのだが、変わらないかもしれない。統一地方選は地方だし、補欠選挙は衆参併せて5人の選挙だ。つまり国会議員の勢力図は変わらないからだ。

だから自民党を大敗させるだけでは駄目で積極財政が必要だと声を振り絞って上げるしかない。財務省一派にマスコミを抑えられているから難しいが、国民のなかに理解者が増えれば増えるほどやはり政治も引きずられるからだ。自民党では積極財政派が権力を掌握しても消費税減税はないだろうが。

少子化をどうにかしたければ非正規労働者を減らして正社員を増やす必要があるのだ。