最近もっとも嬉しかったこと。
庚申庵に下見に行ったとき、冬枯れの庭が暗かった。
ひとり縁側に座り、しばらく池を見てたら、
燈籠の向こうから、誰かに見られてるような視線。
つやつやした子供の目のような。
立ち上がり近寄ってみたら、白い梅が二輪咲いてる。
つやつやと梅ちる夜の庵かな、の句の景色がまざまざ見える。
あー、この庭は生きている。
NYのセントラルパークに足りないのはこれかな。
町中に息づく野生。それが庵の本性なのかな。
庭が私にそれを見せてくれた。うれしかった。
あと、遠山に日の当たりたる枯野かな。
これは、道後の山だったんだって。道後の山に日があたっている辺りに何か頼りになるものがある、
と虚子は感じたんだって。
道後だったのかー。超うれしい。