
ハロウィーンの飾りつけもここまですれば圧巻!
「

夫がそう言ったのは、私が買い付けのためNYへ行く1週間ほど前のこと。そうそう、確かリチャード・ギアがでているのよね?私は観ていないけど。結婚してから家を空けるのは、今回が初めてだ。これでもいちおう”新婚”なので、2人ともちょっと感傷的になった。
仕事でいろいろな所へ行ったことがある夫も、なぜかNYへはまだ行ったことがないそうだ。そこで私は、いつも泊まっている従兄が住んでいる界隈のことを話して聞かせた。
彼が住んでいるアパートの、通りをはさんだ向かい側の建物はNYでも古くて美しいランドマーク的な存在なのだそうだ。そしてこの季節、その建物はもうひとつ別のことで話題になる。
それは最初の写真のハロウィーンの飾りつけ!ここまでするのはNYでも珍しいらしく、アメリカ人までが立ち止まって指差したり、写真を撮ったりするスポットだ。死体がいくつもぶら下がっていたり、近づくとおばけの声がする仕掛けがあったり。向かい側、6階の部屋にいても、子供が怖がって泣く声が時々聞こえてきたりする。
セントラル・パークの木々の葉も色付き始めるこの頃、ハロウィーンや感謝祭、そしてクリスマスに続くホリデー・シーズン気分の始まりとなる。

ピンボケだけど、撮影風景
このお向かいの美しい建物はまた、しばしば映画やドラマのロケにも使われる。昨年NYに行った時は、私が到着する前日にリチャード・ギアを見たと、従兄が言っていた。そして今年は前の週にキャメロン・ディアスを見たと。
ん~

なんで私がいる期間じゃないの?私も見たかった、キャメロン・ディアス!
そして翌日、私が仕事から帰ってくると、アパートの前に大型トラックが何台も停まり大賑わいになっていた。近くのアパートのドアマンに聞くと、どうやら映画の撮影らしい。ハロウィーンの飾りつけは取り外され、玄関の戸が開け放たれ、建物の中にも、外にもスタッフが大勢待機している。
キャメロン・ディアスはどこ

見当たらないので部屋に戻り、表に面したバルコニーに陣取った。下からは大道具のスタッフが「見ろよ!あの姉ちゃん、特等席だな!」と言っているに違いない様子で私を見上げて

撮影はその日の夜と、翌日まる1日続いたが、私とて仕事をほったらかしにして見張っているわけにもゆかず、結局金髪のスターにお目にかかることわできなかった。
でもこんな風に、思いがけないお楽しみに出くわすことができるのもNYならではのこと。

地下鉄の駅構内にて
映画のロケほど大がかりでなくても、NYでは

忙しいニューヨーカー達はこんなの日常茶飯事で気に留めることもないのかも知れない。でもはるばる日本から訪れている私にとっては、仕事の合間の楽しい気晴らしになる。
つづく・・・。