
マンション裏の神田川
1月からごぶさたしておりました。
グアムでの結婚式のお話など、かなり笑える話題があったにもかかわらず、1月から自分の気が

春に向かって病気や気分が上がる前に、人は一瞬落ち込むことがあるらしい。それは桜の木が花を咲かせるために、たいへんなエネルギーを必要とするのと同じように、人も春に向かっての体制を整えるためにエネルギーをたくさん必要とするからだそうだ。
妙に、納得。
美しいと思いはするけれど、人の心をかき乱すように咲いて、散る桜の季節を、私はあまり好きになれない。
桜も散り、すっかり葉桜となった頃、私のパワーは再び上昇し始める。新緑の頃は、一年で最も好きな季節だ。
さて、今日のブログの本題。少し前、春休みで帰国していた息子と夫がテレビで ”SASUKE” を見ていてふと、思い出した。
昨年、この ”SASUKE” が放送されたのは、春分の日だった。なぜ覚えていたかというと、その日は息子と夫が3年ぶりに再会した日だったからだ。夫とのデートはその時点で3回。夫のマンションに息子と招待され、マンション裏の神田川沿いの桜を見ることになっていた。
ところが・・・。
暖冬だった昨年の開花予想では、春分の日にはもうかなり桜が咲いているはずだったにもかかわらず3月に入ってから寒さがぶり返し、その日はまだちらほら枝の先に花が咲いている程度だった。直前に夫からもらったメールには、こう書いてあった。
”気象庁に石を投げておきます”

こんなところにも花が・・・
その日は最寄のJRの駅で待ち合わせ、夫のマンションでケーキ

大将が焼いてくれるのを目の前で見られるカウンター席に3人並んで座った。夫との関係に敏感に反応した息子。席順は息子・私・夫。その時にお店のテレビでやっていたのが ”SASUKE” だった。
途中私がお手洗いに立つと息子は私の席に移り、男子ふたりが並んでテレビを見るような席順になった。それを見て、私はかなりほっとした。
しかし、そう話はうまく運ばなかった

お手洗いから戻ってみると、チャンネルはフィギュア・スケートにかわっていて、息子は元の席にもどっていた。ふたりの間の空席が、その時の関係を象徴しているように、がら~~んとして見えた。
先行き、不安・・・。
緊張気味の3人での食事が終わり家路につくと、息子が言った。
「桜が咲いたら、早起きしてもう1度見に来られるかな?そしたらちゃいちゃんが会社に行く前に会えるし」
”ちゃいちゃん”とは、夫の親戚の間での呼び名だ。それを聞いて私はとても嬉しくなった。息子の了承なしには、結婚はありえなかったから。そして夫にもメールでその言葉を知らせると、夫も救われたような気がしたそうだ。
あれから1年。モデルルームのようにきれいだった(実際、棟内モデル・ルームとして使われていた)夫・1人暮らしのマンションに、倍の人数で引っ越して、占拠するように自由に使わせてもらっている。
再会1周年。
最近になってようやく、夫も遠慮なしに息子の言葉遣いや態度を注意したり、叱るようになった。仲のよいふたりを見て、いつも思っていた。中学生の息子がこんなに父親と仲がよいからこそ、まだ本当の親子ではないんだなぁって。
そんな気の置ける関係が変化してきたのを見るのは、私にとって喜びでもありドキドキ・ハラハラでもある。夫が息子を叱ることによって、ふたりの関係が悪くなってしまうのではないかと心配する必要がなくなったときこそ、真に親子になれたということだろう。
”ふたりで勝手にやって”
そんな風に言える日が一日も早く来ますように・・・。
日増しに濃くなる緑を見ながら、息子の成長に重ね合わせている今日、この頃だ。
