今朝、久しぶりに早起きをした。なんと5:30am!このところ息子がいないことを言い訳に8時頃まで寝てしまったりする私にとっては、びっくりの時間だ。 CAをやめてなにが嬉しいって、普通に人間が活動する時間帯で生活できることだ。朝3時から化粧をしなくてすむ。
大阪行きの朝1番の飛行機に乗る父を送って、羽田空港へ行った。家を出た時はまだ真っ暗、でも帰り道、車を運転しているとだんだんと夜が明けてきた。曇りがちな空がゆっくりと白んできて、雲の上側の太陽が当たっているところだけが金色の縁取りのように光っていた。
カーステレオから流れていた曲はブラームスの交響曲第一番、ドラマ”のだめカンタービレ”でも使われていたため、今やご存知の方も多いはず。もし美しい朝焼けだったら、第一楽章や第四楽章のドラマティックな旋律がぴったりだったろう。
でも今朝のような静かな夜明けには、祈りのような第二楽章が似合うと思う。これから礼拝が始まるかのような穏やかな旋律。いや、祈りの曲とは少しちがうような気もする。信仰のための音楽としては、ブラームスの音楽はロマンティックすぎる。
エラそうにかく言う私も、ブラームスの音楽との出会いはつい5年前のこと。以来どっぷりはまり込み、とりあえずシンフォニー4曲を全制覇した。シューマンの妻、クララ・シューマンを心の中で慕い続けたブラームスの音楽に、秘められた恋心を感じる人も多いのではないだろうか?
久しぶりに目にした一日の始まり時、そして心が和む音楽。こんな始め方もあったんだ。朝寝坊していたことで、こんなにも美しいものを、自分を見つめなおす時間を見過ごしていたのかと自分を叱りたくなった。
夜明けとブラームス。朝から感傷的になったのは、ほかでもない自分が恋しているから・・・。