
”デトックス”と言う言葉も、もうすっかり定着したようだ。数年前からサプリや岩盤浴など、いろいろな方法がメディアで紹介されていたが、なんとなく自分には関係ないように思いつつ、惹かれていた。
ちょうどデトックスが流行り始めた頃、私は原因不明の体調不良に悩んでおり、あちこちの病院をまわり検査をしてもらっていた。最終的には自律神経失調症というところに落ち着き、数種類の漢方薬を試したのちに自分に合う漢方がみつかり、徐々に症状が改善されていった。
それと同時に自ら代謝をあげる努力を始め、たどり着いたのがデトックスだった。サプリや岩盤浴も試したが、できれば自分の力で体に毒素をためないような工夫もそれ以来欠かさないようにしている。
ところで、ゴールデン・ウィーク半ば、5月1日から私は久しぶりに熱を出した。それも38℃を越す高熱。これほどの高熱を出したのは7年ぶり。以前38℃以上の熱を出した時は、いつもインフルエンザと原因がわかっていた。でも、今回は原因不明。
発熱の直接的な原因は、その数日前ヨットに乗ったことだ。風に当たるのに弱い私は、海、ドライブ、ハイキング、自転車など、風には常に注意をはらっている。だが今回は楽しかったのと、気持ちがよかったという2重の理由で予防を怠ってしまった。
始めは2日も寝ていれば治るだろうと安易に考えていたのだが、熱は一向に下がる気配はなく、上がったり、下がったりを繰り返した。4日目には微熱程度まで下がって喜んでいたのに、その夜再び寒気と共に


結局なんとか普通の生活ができるまでに5日もかかってしまった。

”もう若くないんだなぁ・・・”と思う一方、”なぜ?”と腑に落ちなかった。確かに風に当たったし、普段は飲まないお酒

そこでふと、思いあたった。
私は今、大きな転機を迎えようとしている。
今後の自分の人生、家族のあり方、息子の将来などどれひとつとってもおろそかにできるものではない。
離婚後、自分では新しい人生を始めたつもりでいたが、それは今考えると、新しいと言うよりは”離婚後の人生”だった。離婚で受けた傷は、自分で思っていたよりも深刻だったようだ。ベッドの中でうつら、うつらしながら当時のことを頻繁に思い出したが、いい思い出、幸せな気分になれる思い出はひとつもなかった。
だから今まではくさい物にフタをするように、心の中にあってもそれを見ないようにしてきたのだと思う。でも転機を迎えて、今後、自分がどんな風に生きていきたいのかという問題に向き合わなければならなくなった今、”すべてを吐き出して、リセット”するのが正しいと体が判断したように思えてならない。
もうこれ以上”負”を受け入れられなくなったために転機となったのか、転機を迎えたから”負”を受け入れられないのか、どちらなのかは自分でも定かではない。が、結局のところ、それはどちらでもよいのだろう。
大切なのは、”負”をリセットして、幸せになろうという意思。
熱が下がって、今、ようやく理解できた。今までの自分を見つめ直して受け入れる、受け入れるためには不要なものを切り捨てる。熱と、汗と共に不要な想いは私から出て行った。久しぶりに真剣に考えたために出た”知恵熱”。
12年分のデトックス・・・。