
金木犀が咲き始めた!
季節もいよいよ秋。数日前から、街中で金木犀の香りが漂っている。
大好きな香りなのだけれど、この香りはちょっぴり苦い思い出とリンクしている。
ちょうど15年前の今頃、私は最初の結婚式を挙げた。そして新居となるマンションに引っ越した時、ちょうどこの花が満開だった。
だから金木犀の香りは、淋しかった最初の結婚生活を思い出させる。
そして再びこの香りを好きと言えるようになるまで、ちょうど10年かかった・・・。
でもお花に罪は、ない。だた、ひとえに私の気持ちの問題。
お蔭様で今は幸せなのだから、こーゆー後ろ向きな考えは捨て去るべし

さて、今日は ”世の中せまい!”というお話。例によって長いので、お暇な方だけどうぞ。
私はブログと平行して、mixiにも参加している。多くの方がそうでしょ?
mixiのコメントを見ていると、マイミクさん同士が知り合いだったり、共通点があったという書き込みが時々見られる。
確かに東京は大きな街だけど、それぞれが属するコミュニティというのは意外に小さいものだと実感することが多い。
私は幼稚園から持ち上がりの学校で学んだため、小学校の同級生、中学の同級生・・・といったように、学校が違う知り合いの数はとても少ない。
小学校の同級生≦大学の同級生 (この記号であってたっけ?)
更に社会人になり、3年で会社をやめ、1年半の出産、育児期間を経て自営業となったため、社会人になってからの知り合いというのも少ない。
取引先はすべて外国だし・・・

子育てのため、10年ほど外界と遮断された世界にこもったが、息子が成長して、10歳になったころからようやく飲み会仲間、旅行仲間などなどの友人が増えた。
これはひとえに、私の大切なお友達のお力によるところが大きい。
感謝でござる

さて、私にはもう6年くらい、息子の洋服のおさがりをもらってもらっている友人がいる。
もともとはお店のお客様だった方。
たびたびお店に来てくださって、おしゃべりをしているうちに、次第にお互いウマが合うことに気付き、いつの間にかお友達になっていた。
私とちがってマメなダイキくんのママは、近くに来る機会があると必ず、
「ほら!今日もいただいたお洋服を着てるのよ!」
と言ってお店に寄ってくださる。しかもダイキくんが洋服を着られなくなったら、更に男の子が3人いるお友達にまわしてくださっているそうだ。
なんともありがたいお話だ。
しかし今春、息子はついに子供服を卒業し、ユニクロ、もしくは紳士服の青山にデビューした。
今やデカッ!というサイズ。
なのでダイキくんへの最後の荷物に
”これでお下がりはおしまいです。今までありがとう。”
とお手紙を添えた。

夏休み中、ダイキくんとママがお店に寄ってくださった。
直接会うのは久しぶりだったので、お互いの子供の成長、私の再婚などおしゃべりに花が咲いた。ダイキくんママは、私が結婚したことをとても喜んでくれた。
「でも確か、どっか遠くに引っ越しちゃったのよね?」
ダイキくんママの実家は、港区の超1等地にビルを何件も持っているお金持ちだ。もちろんダイキくん一家も一緒に住んでいる。
こういう人達にとって、私が今住んでいる場所は”どっか遠い所”なのだ。そしてほぼ35年、港区に住んだ私にとっても・・・。
「どうして?ご主人のお勤め先がそっちとか?」
ううん、夫の両親が近いから・・・。夫の会社は港区だよん。
ダイキくん家に近いオフィス街の地名を言った。
「えっ

そう。
「きゃ~

いやはや、世の中せまいものだ。ダンナ同士が同じ会社に勤めていて、地名を言っただけで当てられてしまうとは・・・。他にも会社、いっぱいあるのに。
でもここまでは、まだ序の口。
そこから先は結婚全般の話になり、ダイキくんパパの独身の弟さんのことへ。
「△□社でパイロットしてるんだけどね。未だに独身なのよ」
ピン

私、きちゃった。もしかして、**ヒデキさん?
「きゃ~


う゛ぅ~む

今になってこの名前を聞こうとは・・・。
このヒデキさん、ちょっとした有名人であった。
航空会社は管理部門をはじめ、営業などの地上職、運行、客室、整備など色々な部署があるけれど、横のつながりってあまりない。
でもヒデキさんは如才ないとでも言えばいいのか、社内に知り合いが多く、あちらこちらで名前が売れている。
例えば機内誌に名前入りでエッセイを書いたり、なにかと目立つ存在で、中にはそれをよく思わない人もいたりする。
そんなのはただの妬みとか、やっかみだと思うんだけど。
でも私がその人を知っている理由は、別にある。
「元夫の同期なの」

どっか~ん


当然、一緒に食事に行ったことも、ある。
更に言えば、妊娠中、夜中に酔っ払った元夫から
「電車がなくなって、タクシーも大雨でいないから、迎えに来てくれ」
と電話があり、東京駅まで車で渋々迎えに行ったところ、ヒデキさんも一緒に待っていて、全く方向違いの吉祥寺まで送っていくハメになったことさえある。
もちろんこれで大喧嘩になったことは言うまでもないが、それはまた別のお話。
それは置いておくとして、この時ほど”世の中せまい!”と思った瞬間はなかった。
もともと東京育ちにしては知り合いが少ない上、離婚後は更に世界を狭くして生きてきた。
なのに、今になって、そっち系のつながりですかぁ

ダイキくんのママと私、どちらがよりショックだったかは、言うまでもない。
同じ街で生活するって、こんなこともあるんだなぁ。
確かに私のお友達からは、子供と駅の改札口で待ち合わせをしていたらバッタリ元夫と会ってしまった、とか、子供の受験の説明会に行ったら、元夫と妻2号にハチ合わせした、などという話を聞いたこともある。
それにくらべれば私の場合、話題性があるというだけで、どれだけマシなことか。
ここはひとつ、大人の余裕をみせなければ。
はい、笑って、笑って~

そんな私の、頬のぴくぴくを敏感に察知したダイキくんのママは、ご主人のご家族の他愛ない、そしておもしろいエピソードをいくつか語って私の気をそらしてくれた。
「主人がナオキで、義弟がヒデキ。だからこの子がダイキなのよ」
こんな感じで。
元夫がとうの昔に再婚して、子供が2人いるという話は私の耳にも入っている。だからいずれ私の再婚の話も、元夫の耳に届くのだろう。
でもそれは、ダイキくんママ筋からではない、と確信できる。
よく出来た方だ。
思ったよりも長く、楽しいおしゃべりの後、ダイキくんとママは帰っていった。
なんとなく、知って欲しくない、と思っている。
私の幸せは、あなたには関係ところにあるのよ。あなたには、教えてあげない。
そんな風に思ってしまうことで、自分の狭量さや、胸の内にまだ残っていた元夫へのわだかまりを改めて知らされるなんて・・・。
やっぱり、ろくなヤツじゃない。
↑ ↑ ↑
人のせいにして、すっきりしようとしている自分がここにもいる。
匂いと記憶って、脳の同じ部分がつかさどっていると聞いたことがある。
今日、このことをブログに書こうと思い立ったのは、金木犀の香りがしたから。