農大現代視覚文化研究会

「げんしけん」の荻上と「もやしもん」のオリゼーを探求するブログ

経過報告

2006年04月29日 07時19分23秒 | 雑談
8.5巻の問題点を洗い出す前に、今日の思考を大公開

さて、「今日アルジャーノンに花束を」を途中まで読んだ。認めたくないがこれはすっとこさんの話だ。いやいや、「いよいよおかしくなった」と考えるのは時期尚早。しかも自分がチャーリー・ゴードンだと言っているわけではないのです。では本編からいくつかの部分を引用して、その次にすっとこさんがここ数日日記に書いた事を引用しましょう。上がアルジャーノンです。

その1

「たとえお話の世界だって、ルールがなくちゃならない。部分部分が首尾一貫していて、ぴったり整合しなくちゃいけない。こんな映画はうそっぱちだ。むりやり辻褄をあわせている、脚本家か監督か、だれだか知らないが、プロットにそぐわないものを話の中に入れたがるからだ。だから不自然なんだ」(5月1日)

「オギーの症状ってもーちっと複雑じゃないの?あれだけで治るの?という疑問はこれまでも本スレで数々提出され(理路整然としたものより、漠然とした不満という形だけど)、すっとこさんも『「逃げるのやめようと思います」について』で書いた通りである。簡単に書けば、対巻田のトラウマは解決したけど、対中島のトラウマって解決してないんじゃないの? という事になる。」(完全にどっ引きされてますかね?)


その2


「近頃、あなたに会うたび、あなたと別れてから、あたしって何につけてものろまで愚鈍だという惨めな気持ちで家に帰るの。それから自分が言ったことを吟味しなおすと、こう言えばよかったと思うような気のきいた言葉がみつかるの、そこであたし、あなたといっしょのときに、そう言わなかったのが口惜しくて、自分を蹴飛ばしたくなるの」(6月6日)

すっとこさんの現在の限界は、この思考を編み出すのに1日かかるという事だ。うーむ、この世にはこの結論を瞬時に出す人もいれば、結論自体出せない人もいるわけで、やはりすっとこさんは、何を言うにしても一晩考えてから話さないといけないんだなぁ。焦って答えると大抵失敗するし。自分の限界を知るというのは恐ろしいぜ。(例えば今日の午前中)


その3


「あたしがどう感じるか、あなたにどうやってわかるの? あなたは他人の心の中にずかずか踏み込むっていうの。あなたになんかわかるものですか、あたしがどう感じるか、何を感じるか、なぜそう感じるか。」(6月6日)

もしかして2ちゃんの人全員と相互理解しようとしてるのか?(@wiki)


すっとこさんの言葉でないものもあるが、すっとこさんがここ数日に書いた文章と、かなり似た内容の文章がいくつか、アルジャーノンに埋め込まれていた。ダニエル・キイスが書いた、チャーリー・ゴードンの経過報告と似た文章が、すっとこさんという自律神経失調症患者の経過報告の中にあった。これを見て不思議と思いませんか?

てゆうか話は単純で、「アルジャーノンに花束を」って、単純に書くと、幼児期に虐待を受けた大人が精神分析で治るって話なんですよ。まだ6月19日までしか読んでないけど。もちろん別の解釈はいくらでもありますが。んで、すっとこさんの現在の思考回路が、フロイド精神分析を元にした唯幻論がベースなので、思考回路が全く同じなんです。思考回路が同じで、思考しているものも「人の心」と同じな以上、似たような論調になるのはこれは当たり前なんですね。わかってしまえばつまらない事です。だから今日のタイトルは「経過報告」。

あーしかし、今日も一日中思考してたけど、どっから書き始めるかなぁ。そうだ、今日「五年生」の4巻読んで、60ページ、芳乃さんも手の平が汗だらけになる症状があったんですねぇ。同じ症状なんでちょっと嬉しかったりして。それにしても今の心境なら吉村さんや、長谷川さんの奥さんが何を言っているのか手に取るようにわかるぜ。

今日もどっ引き自由連想自己分析劇場を

「そう言えばこないだテレビで江原啓之見たけど、あれ、霊とかなんとか、すっとこさん的に胡散臭い要素抜かして考えると、精神分析と同じ事言ってんだよなぁ。○○(忘れた)なんて、抑圧をなくせって言ってるようなもんだし、○○なんか、それは霊に自己を投影しているって事だしなぁ。そう言えばこないだ内田樹がブログでナショナリズムについて書いてたけど、唯幻論で言う共同幻想と、自我の支えになる大きさって、内田樹の言うのと用語が違うだけで、過程も結論も同じだよなぁ。しかし、すっとこさんは江原啓之を100回読んでも「スピリチュアル」は会得できないし(読んだ事ないけど)、内田樹を100回読んでも「おじさん的思考」は会得できないけど、「唯幻論」は2ヶ月で会得できたわけで、岸田秀が偉大なのは、「唯幻論」を会得できる人には会得できるように解説している点だよなぁ。数学の問題が解けないで困っている人に、答えを直接教えてくれるのが江原啓之や内田樹だとすると、岸田秀は数学の参考書を渡して「あとは自分でなんとかしなさい」って言ってくれるようなもんだしなぁ。その時点では答えがわかれば簡単だけど、次の問題解く時の事を考えればどっちがいいかは一目瞭然だしなぁ。いや、「スピリチュアル」や「おじさん的思考」を会得できる人もいるかもしれんけど。

言ってみればこれまでのすっとこさんは卵で、硬い殻に閉じこもっていた状態だけど、唯言論によって孵化したドラゴンだとも言えるよなぁ。なんだよドラゴンなんて偉そうに。せいぜい強めに見積もってもバジリスクだろ。そんで孵化したばっかりだから、鱗がまだ柔らかくて、叩かれると簡単にブッ殺されちゃうの。ははは。てゆうかおい、なんでさっきから爬虫類系ばっかり例に挙げてんの。それも火蜥蜴系ばっかり。やべぇ、俺自分の事爬虫類系だって思ってんの? 口から吐く炎は人を傷つける言論の象徴? 爬虫類と言えばヘビで、周りを巻き込む体質は人を堕落させたエデンの園のヘビ? うわー胡散臭い。そう言えば爬虫類顔の女性って好みだわ。うーむ。

そう言えばすっとこさんの批判の中に「偉そうに物を言う」というのがあったんだけど、当然ながら自分では偉ぶっているつもりは全然無いんだよな。という事はこれもやはり何かの抑圧の所為だと考えられるよな。なんだろう。偉いって事は人の上に立つって事で、そういうば岸田秀は実家の劇場を継ぐ件で精神病になったけど、すっとこさんも実は実家の書店の跡取りなんだよね。てゆう事は実はすっとこさんも実家の書店を継ぎたくないとか思ってるとか? まさか、ははは。待てよ? そう言えばすっとこさんは、小学生の時から無類の本好きだ。あれを単純に本好きと捉えず、あれも抑圧の結果だとしたらどうなる? そう、例えば、すっとこさんが本屋を継ぐのは生まれた時から決まっていたらしいから、実は好きでもなんでもない本を、好きだと思い込む事によって、本屋を継ぐように自分を追い詰めているとしたら? おお、これはなかなかいいぞ。んで、昔っから本屋を継ぐ→人の上に立つ事を教えられてきたわけで、そこで、無意識のうちに人の上に立つのは偉いことだから偉ぶるという行動を取ってきたという考えはどうだ。おお、なんかそれっぽくなってきた。て事は実は本屋を継ぐことにあんまり執着していない? これはそうらしい。では岸田秀みたいに親を怨んでいる? ん? これは違うな。しっくり来ないな。何故だ? そうだ、別に本屋は継いでも継がなくてもいいけど、親が愛情持って不自由しないように育ててくれたんだから、その恩に報いるために本屋を継ぐことには納得いっているというわけか。んでその偉そうなのは治せるのかって? んー、自分でどこが偉そうなのか認識できていない以上、それは難しいんじゃないかなぁ、てゆうかゲーム帝国とかスタパ斎藤(同一人物)、最近は切込隊長とかの『偉そうな文体』文章が好きなのも原因はそれか、なるほどなるほどー。」

以上が今日すっとこさんの追いかけた自分の心ですよ? 合っているかどうか自分でもわかりませんが、批判するのはお好きにどうぞ。ただし、批判する人は、自分でこれだけ自己を追いかけて、心を晒せるかどうか考えてみてほしいですね。オギーが合宿で女性陣に自分の過去を喋ったのも、結局これと同じです。

てゆうかやっぱり人様の批判を前提として思考する時って、その批判を自分に受け入れる際に心が痛むんだよねー。はっきりと動悸が悪化するのがわかりますよ。誰が2ちゃんねるで自分に対して「きもちわるい」なんて言われたのを真面目に受け取りますか。他人の批判なら冷静に見られるけどさ。でも、今回はそれから逃げないという方針を打ち出しているんで、これってかなり不利な手だよな。相手の攻撃を全部受けきって最後に立っている事を目指す! プロレスだな。


コメントに対するレス

>自立神経失調症は病院に行って診察してもらって薬もらった方が確実です。
>そういった類の病にかかった自分としては、今考えて考えて考えているすっとこさんの状況が危なげに感じられます。
>心療内科は怖いとこではないですよ。心の風邪というか誰でも一度や二度は、つまづけば鬱とか不眠とかになります。

いや別にそれは「五年生」読んで知ってます。「五年生」読んで知ったふりしているのもどうかと思いますが、一回目は気合で治して、二回目はその経験を元に、自分を観察しながら経過報告を書いて、楽しんで治療していると思って下さい。本当は苦しんでいるのを抑圧して「楽しい」と強がっている可能性も否定しきれませんが。
危ないと思われるかもしれませんが、観察者は家族、同僚、友人、オフ友、レスをくれる人と、一通り揃っています。本気でヤバければ誰か反応するでしょう。特に家族は毎日会ってるわけですからねぇ。まぁでも自律神経失調症になっている事だけは確かなので、甘く見ずに医者にはいつでも行けるようにはしておきます。自分の症状語りをするウザい患者にならないように気をつけないと……(やりそう)

>今は感情を表に吐き出す事ですっとこさんが状態を保っているのだとすれば、吐き出してかまわないと思いますよ。それが8.5巻に影響するしないに関わらず。
>8.5巻プロジェクト、参加される方は参加されると思いますし、すっとこさんが全部自分で書いちゃうというのも有りですし。

どーでしょう。経過報告書くのは楽しいですけど、脳内で思考しているだけでも楽しいですよ。こうしてレス頂ければさらに楽しいですけど。しかも罵倒の文句でさえ、それが本気なら引き出せるものがあるので、罵倒からどんな本音を抽出できるか楽しくてしょうがないんですけどヤバいですかこれ? 8.5巻はまぁなるようになるでしょう。それより自分の心の整理の方が先ですね。すっとこさんへの意見や罵倒の大半が「性格なんとかしろ」「よく考えろ」と、見事に心理的なものばっかり。それを忠実に実行していますけど、誰もその点について触れてませんね。まぁ2ちゃんねるで叩かれたレスを全部真に受けて考え込んだ人間ってどれほどいたんでしょうか。いなかったんじゃないかなぁ。でかい祭だと全部拾えないし、この程度のプチ祭だから全部拾えそうですけどね。

>あと他に色々言いたい事があったんですが、とりあえず更新待ちします。

どうですか? せっかくですから他の色々もお願いします。



>これは
> 「相手が自分の事をキモイと思う」→「相互理解が足りないという結論に達する」
>という部分に対してのコメントで、
>これはつまり「相互理解ができればキモいと思われない。ちゃんと自分のことを説明しよう」って話でしょ?
>そこが「2chの人全員と相互理解しようとしてるのか?」という突っ込みにつながるわけですよ。

ふーむなるほど。そこでしたか。

>で、自分の感想としては
>「理解したってキモいものはキモいと思う。互いに性質が合わないんだからしょうがないじゃん!」
>「むしろ自分はこうなんだと必死に説明してるその文章が激しくキモい」
>という感じです。

というように思考停止するのも一つの手ですが、前回すっとこさんその手使ってしまったんですよ。だから今回は一切の思考停止を自分に禁じているんです。てゆうかあなただって、すっとこさんが話が通じると思ったから、該当の場所を教えてくれたんでしょ? すっとこさんが狂ってると思えばそこまで手間隙かけてくれませんもん。別にすっとこさんの素性を理解してくれなくてもいいですよ。でも、話が通じると思っていただけただけでもありがたいですよ。ほとんどの人はすっとこさんを「狂人」の枠に収めてほっとこうとしてるんですから。キモいと言われるだけでもありがたいという心境ですよ本当に。なんじゃこりゃ。結論だけ抽出すると確かに凄いわ。



>自律神経失調に陥った人はよく自己葛藤や自我との会話を試みます。そして様々な論理展開を駆使して自分の思考が正しいと結論します。
>しかしそれは大抵誤りで、思考してしまうことも結論してしまうことも、いずれも病状悪化にしかなっていません。
>もう、あれこれ考えるのはおやめなさい。あなたは病気です。

うーんでもさぁ、これって他者との交流が無い引きこもりの人になら該当しますけど(おお、オープンとクローズの話だ)、すっとこさんは書店員、すなわち接客業なんですよ? 毎日毎日見ず知らずの人とレジ通過だけで何百人。質問されて会話するのを何十人と繰り返しているのに、これが病状悪化している人に務まりますかね? てゆうかこーゆーこと始めてから、明らかに接客技術が向上してるんですよ? しかも自分の主観じゃなく、バイトやパートさんにも「良くなった」と言われる始末。てゆうか今までがダメすぎだったという事に気付くと驚愕しますが、主観で正しく、お客さんの気分もよくなり、バイトパートも認めてくれる状態が病状悪化ですかねぇ。これから悪くなるんですかねぇ。バイトパートさんはおかしくなったすっとこさんを気遣ってくれているだけかもしれませんが、お客さんの反応は正直ですよ? 些細な失敗を待ってましたとばかりに管理会社に通報される緊張感、というか恐怖って知ってます? これが元で何人のバイトが心を傷つけてやめて行った事か……
一応まだ病状再発して3日目なんで、病気が悪化すると診断されるのでしたら、経過を見守って頂けますか?

完全にどっ引きされてますかね?

2006年04月28日 23時04分48秒 | 雑談
多分されていると思う。よくわからんが、とにかく、わけのわかんない文章は今日限りにして、明日、ちょっと8.5巻について考え直してみなければならぬ。てゆうか今日は昨日の続きから。

まずは自律神経失調症について説明をしなければならない。テキストは「五年生」の4~5巻。芳乃さんが頭ズキズキ耳鳴りキンキンのあの病気です。ついでに言うとオギーのコミフェスでの「気分が……」の症状です。これから考えるに、木尾士目もやってます。てゆうかやってないと描けません。てゆうかすっとこさんの場合だと、最大の症状は動悸、心拍が平常時で100くらいになります。あとは手の平の発汗、肩こり、息切れですかね。幸いにも末端神経までは逝ってないようです。症状軽くてよかったですね。

直すには、まず、根本原因を取り除く事にあります。芳乃さんの場合は長谷川さんの気持ちを確認する事によって。オギーの場合は巻田くんのトラウマを払拭することによって。前回のすっとこさんの場合は問題から逃避することによって、最後の場合も少なくとも問題はなくなるので(抑圧による別の問題が発生するけど)、自律神経失調症は治ります。しかし例えば、職場内のトラブルによる人間関係が原因だったりすると、職場をやめるか、人間関係が改善されるまで、直らないでしょう。さっさと仕事をやめて早めに治療すれば、症状が大きくなる前に治る可能性がありますが、最悪の場合、神経症が精神症になって、要するにキピ――――になります。この場合、神経症と精神症という言葉を使い分けないといけません。

んが、この根本原因を取り除くという発想は、感染症に例えると、ウィルスを体から取り除けば病気は治ります!って言ってるようなもんで、エイズみたいなウィルスを取り除けない病気は治りません!と言っているのも同様なのですな。では投薬によって感染症を治すように、根本原因をそのままに、対処療法でなんとかできるのかとゆーと、それが「五年生」4巻79ページからのドクターの治療方針なんですね。つまり投薬とリラックスで、症状を落ち着かせるというのは、投薬によってウィルスを弱体化させるのと同義……かな? んで、そこでカウンセリングという根本的な治療を行い、問題に前向きな姿勢を引き出せば、ウィルスは完全に死滅しなくとも、活動が限定的になり病気も治る、とドクターは言っていると思います。すいませんすっとこさんの印象で語ってます。

ここで芳乃さんの場合は罹患から治療まで描ききっているので特に問題ありません。オギーの場合は笹がやおいを受け入れる事で払拭した……という事なんですが、オギーの症状ってもーちっと複雑じゃないの?あれだけで治るの?という疑問はこれまでも本スレで数々提出され(理路整然としたものより、漠然とした不満という形だけど)、すっとこさんも『「逃げるのやめようと思います」について』で書いた通りである。簡単に書けば、対巻田のトラウマは解決したけど、対中島のトラウマって解決してないんじゃないの? という事になる。そのへんをすっとこさんは第6話の新プロットで書きたかったのである。いや、ぜってー中島というキャラを描き切らないのは変だって! 直感でもそう思うし、理屈でも散々説明しているし。8.5巻を作らせる最大の動機は、中島というキャラの処遇なんだってば! あの「げんしけん」最大の異質キャラを、あんな3ページでひっこめさすのは勿体無さ過ぎるってば! ちなみに2番目に異質なキャラは恵子。

オギーの事はこのくらいにしてすっとこさんの話に入る。まずは半年前の話を。まぁいろいろありまして、原因は超長くなるので置いといて、まぁ自律神経を失調したすっとこさんですが、最初は問題に立ち向かおうとしたんですね。ところが、この時点では自律神経失調症だという事には気付いてなかったんですが、どーも体の調子がおかしい。諸症状はさっき書いた通り。この時すっとこさん、「ヤベェ!よくわかんないけど明らかに体の調子が悪い!そして原因はあのトラブルに決まっている!これ以上この症状に付き合うと仕事に差し障りが出る!ここは全てを捨ててでも問題から逃げないと!」と、直感で気付いて、問題からさっさと逃げました。てゆうか逃げようと思えば逃げられる問題でよかったですよ。まぁその代償もでかかったですがね。未だに抑圧かかえてます。

んで昨日の話に戻るんですね。えーと、アフタ読んで自分の話だと思って、翌月泣いたと。これが12月下旬の話ですね。ほんで話は翌年の2月になりますが、すっとこさんの話に最近よく出る唯幻論と出合ったのですね。書名は「ものぐさ精神分析」。この本をきっかけにすっとこさんの精神分析への傾斜が始まります。

ところでこの話はしようかどうしようか迷ったんですが、現在のこのブログの、こんな部分を読んでる人なら大丈夫だろうってんで書いてみますが、この文章を読んでいるあなたは「覚醒」した経験はありますか? 具体的に書くと、例えば世間によくありそうな話なら、今まで絵の練習をしてて、どうしてもうまく描けなかったのが、ある朝起きてみたら突然描けるようになってて、しかもどんな絵でもスラスラ描けるようになった、とか。または小説を書いていて、うまく書けなかったのが、ある朝(略)書けるようになった、とか。楽器の演奏(略)なった、とかです。実はすっとこさん、今年の4月、ってまだ今月じゃねーか! えーと、中旬、まだ2週間しか経ってねーじゃねーか! とかいろいろツっこみ所はありますが、実は覚醒の経験をしました。ここで相当どっ引きですね。

具体的に書くと、岸田秀の唯幻論を読みまくり、えーと、ある朝突然頭の中の霧が晴れたような気がして、例えばすっとこさんの仕事は書店員なんですが、客の考えている事を瞬時に理解して、その客の望む接客が自然に思い浮かぶようになったとか、相手の空気をバッチリ読めるようになったとか、今まで知らなかったような話でも簡単に理解できるようになったとか、まぁ全然具体的じゃないんですけど、一言で言えば、「頭がよくなった」としか思えないんですよ。ああますます引かれる。てゆうか今までこんな経験無かったと言うか、人間にこんな経験が訪れる事すら知らなかったので、この頃は(てゆうか今も)、自分の頭がおかしくなったんじゃないかと本気で思ってました(今も時々)。

ここでちょっとwikiから引用するけど、wikiに付いたレスに「もしかして2ちゃんの人全員と相互理解しようとしてるのか?」とか書いてありました。すっとこさんとしては、俺の書いた文章のどこをどう解釈すればこんな理屈が出てくるのかさっぱりわからないんです。しかし、多分そんな気になっていたからそーゆー文章をどこかに書いたんであり、それを見て「もしかして2ちゃんの人全員と相互理解しようとしてるのか?」というズバリな批判をしたんでしょう。ところが、今や相手の「あんたがきもちわるい」という文章を読んだだけで、とりあえず自分をきもちわるいと仮定し、何故相手がすっとこさんをきもちわるいと判断したかを自分に対して問いかけ、その答えが自然に出てしまうというスキルを身につけているすっとこさんにとって(正解かどうかは別だけど)、自分を理解させることはできないが、相手を理解することはできる、というわけのわからない自信があるんですよ。もちろんこの覚醒をしてから2週間なんで、実践は全然してないんですけど、接客でお客さんを大爆笑させた事がこれまでに3回。それまでは一度も無かった事を考えると凄い事ですよ? それからこの覚醒以降に信頼できる友人2人とそれぞれ別の機会に飲んだんですが「なんか成長した」とか言われました。傍証がしょぼくてすいません。

これも、げんしけん、自律神経失調症、唯幻論のどれが欠けても到達し得なかった境地なんですね。つまり自律神経失調症に罹る、げんしけんで治す、治した過程を唯幻論で説明して、覚醒することができたと、自分で書いてて相当胡散臭い話なんですが、そーとしか説明できんのですわ! 簡単に書くと生まれ変わったとしか思えないので、これまで読んだ本を読み返しても、違う内容が書いてあるようにしか思えませんよ? てゆうか昨日、げんしけんが終わったら、すっとこさん壊れるかもとか書いてましたけど、さっそくその代用品を見つけましたよ。西洋哲学。特に構造主義。超面白そう。内田樹あたりを出発点にしてみよう。

ああもうそろそろ何を書いているのかわからなくなった。てゆうか筆の赴くままに文章を綴るのって、言ってみれば精神分析の自由連想法じゃん。面白いわけだ。えーと、自律神経失調症の話、覚醒の話と来たんだな。本来なら昨日の5ヶ月をどう補完するかの話もせにゃならんが、もうやめ。アルジャーノンでも読もう(覚醒する話だ、AKIRAもそうだな)。

例えば今日の午前中

2006年04月28日 13時12分52秒 | 雑談
すっとこさんはこーゆー思考をした、最後に結論ひっくり返すので一応最後まで読んでください、途中は抜かしても可

「なんでぇなんでぇ、どいつもこいつも好きに叩きやがって、
 だいたい今までこっそりやってきたんじゃなくて、少なくともこれだけ叩く要素があったって事は、すでに俺のやってる事知ってたわけで、wikiにご意見欄も、メールアドレスも書いてあったのに、それには知らん振りしてて、いざスレに書いたら叩くなんでひでぇじゃねぇか。気に入らないんなら黙ってねーで文句言えばいいのによぉ。
 だいたいだなぁ、こんだけすっとこさんの「姿勢」について文句言ってんのに、肝心の8.5巻の「内容」に文句言う奴一人もいねーじゃねーか。俺の姿勢なんかどーでもいいんだよ。問題は内容だろ?
 藤子・F・不二雄もエスパー魔美で言ってたじゃねーか、『いいかげんに作っても良作は良作、真面目に作っても駄作は駄作』ってな。俺の姿勢なんかどーでもいいから作品を問題にしやがれってんだ。
 あ、でも、今のセリフって、よく考えるとあくまで作り手が単独、つまり閉じた、クローズの環境での話だよな。んですっとこさんはオープンでやろうと始めたんだから、そりゃクローズでは問題にならない事がオープンで問題になるのは当たり前じゃん。という事は今の文句って全部無効? いやーん」

というものだった、すっとこさんの現在の限界は、この思考を編み出すのに1日かかるという事だ。うーむ、この世にはこの結論を瞬時に出す人もいれば、結論自体出せない人もいるわけで、やはりすっとこさんは、何を言うにしても一晩考えてから話さないといけないんだなぁ。焦って答えると大抵失敗するし。自分の限界を知るというのは恐ろしいぜ。てゆうか他人の事だったら瞬時に出る筈だけどね。自分の事情は自分にしかわからんのだから、それが余計な理解の妨げになるって事なんだろうね。

なんで同人誌作るだけで自律神経失調症になったり、自分の内面と向かい合うとか、これまでの人生で一切経験しなかった事を、しかも一ヶ月の間に立て続けに経験しなきゃいけねーんだ。人生が忙しすぎるじゃねーか。でもこの手の事っで、早い人は中学生くらいで済ませちゃってるんだろうねぇ。俺は今になっちゃったけど。うーん。


あー やばいやばい

2006年04月28日 06時11分56秒 | 雑談
下のエントリで強がってみたけど、一寝りして起きてみたらやっぱダメだったわ。てゆうか自律神経失調症を半年振りに再発した。原因は要するに8.5巻を叩かれた事にある。

すっとこさん的に自律神経失調症を説明すると、その人の自我の支えになっていたものが否定もしくは消失するとなる。「五年生」の芳乃さんの場合は、長谷川さんに対する愛情が、長谷川さん自信の曖昧な対応によって神経をやられたが、長谷川さんが芳乃さんを愛してないとはっきりした時点で自律神経失調症は収まった。

オギーの場合は、巻田くんとの件で、巻田くん、やおい、絵を描く、友人、の全てを失った。自我の支えの大半を失ったオギーが自殺するのも理屈に合ってて、要するに人間、自我の支えが無いと、生きていけないのである。

んでまぁ、すっとこさんの場合は8.5巻が思ったより自我の支えに重要な意味を占めていたと。とまぁこれだけ、自我と精神のメカニズムに精通する事ができるようになってさえ、自分の精神を制御できないのも皮肉な話だが、まぁウィルスに精通したからって、風邪ひかなくならないのと一緒だ。

んで、やはりなんで、8.5巻がそんなにすっとこさんの自我に重要な意味を占めているのか書かないといかん。書くの2回目。つまり自律神経失調症を「再発」したと書いたが、半年前、去年の11月にもやっているのである。原因はまだちょっと書けないが、今回の比では無いほどヤバかった。まぁ芳乃さんやオギー程では無い。問題から逃避するという手段を取ったおかげでなんとか治ったが、実際十分トラウマになった。

ところが11月25日、アフタ入手。オギーの過去話。すっとこさんがトラウマを受けた原因と同じ理由という(細部は違うけどすっとこさんには同じに見えた)オギーの過去が語られた。この時点で「これは俺の話だ!」と直感を得たすっとこさんは、オギーがどのような経過を経て、トラウマを構成し、どのような過程を経て、トラウマを克服するか見守った。

そして翌月のアフタで、笹原の告白の瞬間に、すっとこさんは死ぬほど泣いた。てゆうか50回読んで40回くらい泣いた。今にして思うと、すっとこさんがトラウマを構築した理由と同じ理由でトラウマを構築したオギーが、トラウマを克服した瞬間を見る事によって、すっとこさんもトラウマを克服したのである。つまるところすっとこさんは「げんしけん」に心を救われたのである。言ってる事理解してもらえるかなぁ。自分では首尾一貫、理路整然と書いてるつもりなんだけど。

んでまぁ、「げんしけん」によって回復した自我は、「げんしけん」が連載終了するとわかれば、また揺らぐのも道理。この時点ですっとこさん、精神的に「げんしけん」依存症になっていたんですな。オギーオフで「げんしけんはまだまだ終わらない!」と力説していたのも、理論的に終わることを説明していたとゆーよりも、終わられると精神的に困るというすっとこさんの自我が、「げんしけん」が終わらない事を切望していたと説明できます。

んが、先月号を入手した段階、22日、マンガのセオリーからすると、明らかに物語の畳みに入っているのは一目瞭然なわけで、するとすっとこさんは動揺したわけですな。ヤベェ「げんしけん」が終わっちまう!俺の自我はまだ十分に安定しきってねぇ!笹荻ラブラブ話を読まねぇと俺の「げんしけん」は終わらねぇ=自我が安定しねぇ! と、この時点でだいぶ自我について勉強していたすっとこさんは、理路整然と「俺がここまで動揺するのは5ヶ月ワープのせいだ」→「だったら自分で5ヶ月を作らないとどうにもならん」→「じゃあ原作が同人誌作ったんだから、同人が原作作るのってアリじゃん?」という、解決方法をとっとと編み出し、23日の時点でwikiに趣旨をアップしたというわけですな。

まぁつまりメインの目的は五ヶ月を補完する事にあるんですが、いくつかの方法があります。まずは自分で小説として発表する事。これはもうやっているも同然ですが、「げんしけん」がマンガである以上、小説だとどうにも表現方法が違って、万全ではない。が、ここまで書いて気付いたんですが、万全ではなくても無益では無いので、現在の自律神経失調症をどうにかするには、まず自分の書いたものを100回読めばとりあえず気休めになる筈なので、まずは読んでこよう。続きを書くのはそれからで。

あーなんかダメっぽい。てゆうか不思議なことに、時間の進むのが早く感じられる。さっきから脈拍が異常に速いと思ってたんだけど、そうじゃなくて、時間の進み方が異常に早く感じられているんだ。時計の秒針の回転が速く見える。なんだこの症状。わけわかんねぇ、続きを書くのは帰ってからだな。

おいおい、てゆうか、今気付いたんだけど、以上の分析が合ってるとすると、すっとこさん、来月、げんしけん終わったら壊れるぜ。うわーやべぇ。原因と結果と対策がわかっていても、事実は動かせない以上、どうにもならねーじゃねーか! うわーまずい! 人間がどう壊れるのかは興味深いけど、それが自分じゃシャレんならん! でもちょっとワクワクしている。どうなんだこれ。専門家に相談してみるべきですか?

・追記
以上を踏まえた上で出勤前に朝風呂入ってたら、俺の自我が解決策として「とりあえず冬コミに発行延期したら?」とすっとこさんを説得したのですが、すっとこさんが説得に応じたので、冬コミに延期する事にしました。執筆者の方には追って連絡します。ちなみに以上の流れが多重人格症の初期症状です。多分。最初は自覚的に多重人格を構成するんですが、それに依存しすぎると、いずれは人格が分離して、本物の多重人格になるのですね。ビリーミリガン読んだことないけど読んでみようかな。オギーも「あんなことしたのは本当の私じゃない」とか考えてれば、こうなる危険性もあったんだよなぁ。多分。と、こう考えるとSSネタができる。
「シーザーを理解するのにシーザーになる必要はない」が、「神経症を理解するのに神経症になると一発で理解できる」んです、シーザーになるのよりは神経症になる方が簡単だしなぁ。つらいけど。まぁなろうと思ってもなれるもんじゃないという点では一致している。秒針の進み方も普通だ。むむむ、精神って謎すぎる。

たった今

2006年04月27日 20時22分30秒 | 雑談
現在のすっとこさんの心境を書いた文章(3000字くらい?)を書いたら、手違いで消してしまいましたよ!
すっとこさんの心境を正直に余すところ無く書ききり、投稿しようとしたら、ID入れろとか言われて全部パー。ところが消えた瞬間に心が安らかになってしまいました! 「自分の心境の整理」→「告白が水に流される」という、要するに教会での懺悔の効果を発揮したものと思われます。懺悔は神が聞いてますが、この場合はすっとこさんの精神(=現在のすっとこさんにとっての神)が聞いていたので、同様の効果が得られたものと思われます。うわマジスッキリしてる。精神ってスゲェ。ちなみにどんな事を書いたかとゆーと、それはサシで飲んだ時にでも……

しかし投稿に成功していたらどうなっていたんだろう?

第6話2稿改訂版

2006年04月26日 20時25分33秒 | げんしけん
まずは肝心の部分以外を修正
問題点はいくつかはっきりしたけど、文章ではおのずと限界がある事がわかった
ネタバレが文字だと通じないのと同じだ
やっぱネーム描かないとダメだ
それにしても、やっぱり自分は脳内で全て分かってるから展開に納得行くけど
プロットにした段階で説明不足になるのはいかん! てゆうかそれも仕方ないが、
やっぱり助言は絶対に必要だ。またよろしくお願いします。


部室の棚の時計はお昼
笹、スーツ姿、手帳を見てニヤけている
今日は2月14日。
大野さんが入室、笑顔で「あっ、笹原さん」「こんにちは」
笹、手帳を閉じて「あっ、大野さん、こんにちは」

大「今日はもう終わったんですか?」
笹「いや」「これからでね」「もうぼちぼち出かけるとこ」
会話を交わす2人、座る大野
大「あの」「笹原さん?」
笹「ん?」
荻「前から聞こうと思ってたんですけど…」
笹「なに?」
3扉
タイトル「」
大「荻上さんのどこを好きになったんですか?」
笹超ギックリ、顔のっぺら、汗だく

笹うつむく、大野さん微笑んで笹の横顔を見てる「…………?」
笹人差し指ふりふり「えーと」「その」「つまり…」
大野さん困っている笹を見つめる、おもむろにカバンの中からガーゼマスクを取り出し、装着する

大「何か言えない事がー?」
笹「いや」「その」「できれば」「荻上さんにも話してないし……」困る笹
それを見て大野さん、しぶしぶガーセマスクをカバンに戻し、代わりに小さな箱を取り出す。
笹「?」「これは?」

大「バレンタインのチョコですよ」「ま、私と田中さんから二人へのプレゼントです」
 「二人で食べて下さい」あっさり説明する大野
笹「あ」「そうか」「どうもありがとうございます」照れて嬉しそうな笹

大「田中さんも二人の事は心配してましたからね」「私のと同じくらいのものですよ?」微笑む大野
笹「えー」「本当ですかー?」超嬉しそうな笹

受け取ろうとする
バタン、扉を開けるオギー

二人をきょとんと見つめるオギー、微笑む大野、デレデレの笹
笹「やぁ荻上さん」「今大野さんからチョコ貰ったよ」
オギーのアップ、昔の顔
大野「私と田中さんからお二人にお祝いですよー」
荻今の顔に戻って「あっ」「そ、そうですか」「それはありがとうございます」
笹「おっといけない」「もう行かないと」

笹「じ、じゃ荻上さん」「またね」
荻「あ はい」「いってらっしゃい」
バタン 見送るオギーと大野
一瞬チラッと大野の顔を見る荻上
微笑み返す大野さん
目を逸らすオギー
大野「――今ですね」

大「笹原さんに荻上さんのどこが好きか聞いてみたんですけど――」
荻「!」「何ですかそれ」「大野先輩には関係ないじゃないですか」
大「えーいいじゃないですかー」「教えて下さいよー」
 「荻上さんは笹原さんのどこを好きになったんですかー?」
荻赤面「え-と」「……」「大野先輩は」
大野「はい?」
荻笑顔「田中先輩のどこが好きなんですか?」
大野「え?」

10~11はカットしてもいいんだけど……
10
二人とも赤面

大野「どこって」「そりゃ……」「……もう全部ですよ」「コスプレとか……私のこととか……」

荻「あー……」「そうですか……」
二人とももじもじ
大野「……言いたくないんですか?」
荻「ちょっと……」

大野「笹原さんも、荻上さんのどこが好きか聞いても、教えてくれなかったんですよ?」
  「やっぱり笹原さんも荻上さん以外には言いたくないんでしょうか?」
荻「…………いえ、実は私も聞いては……」
大野「……そうですか」
悩む大野

11

大野「ツンデレな所とかですかねー」
荻「……デレは無かったと思います」
大野「じゃあツンダメな所でしょうか?」
荻「何ですかそれ;」

大野「んー」
大野「あ! あれですよ!」 荻「え?」
大野「ほら! 部室でベアトリーチェのコスプレをした時!」「あれがかわいかったからですよ!」
荻「……またコスプレですか?」ちょっと嫌そうな顔
12
バタン
扉を開くクッチー「こーにょにょー!」
即座に空気を察する
「ちわー…………」反転して部屋を出ようとする
荻「待ってください朽木先輩!」
クッチー「!?」
13
荻「いい所に来てくれました」「ナイスタイミングです!」ツンツン
 「では大野先輩失礼します!」
大野「チッ」ガーゼマスクを口に当てている大野
途惑い、席に座るクッチー
軽くため息を1つつく大野さん
「ちわ!」再びドアが開く、恵子登場
14
大野「あら、恵子さん」
クッチー(こんにちはですにょー)
恵子「ねーコーサカさんはぁー!」
一コマの間
大野、クッチーを向いて「……朽木さん最近見かけました?」
クッチー「……見てないです」
15
恵子「えー」「じゃーねーさんは?」
大野「…………」
クッチー「…………」
(はぁっ)恵子ため息
大野「……バレンタインデー……ですか?」
クッチーちょっと反応、恵子、大野さんを見る
ちらっとクッチーも見る
16
恵子「いえ、いいです」「お邪魔しました」
バタン、大野クッチーを残して帰る恵子
困った顔で見つめ合う大野クッチー
大野「じゃ」「ま」「朽木さんにも」
大野さんクッチーにチロルチョコを1個渡す
クッチー明らかに落ち込んでいる、大野さんあくびなんかしたり
17
つまんない顔して帰る恵子
何か気づく、向こうから斑目がやってくる
すれ違いざまに押しつけるように「あんたにやるよ」って押しつける、高そうなチョコ
背中で去る恵子、斑目超困惑
18
夕方、オギールームにやってくる笹
なんかオギーツンツン、でも食事の準備を
二人で食べる、ごちそうさま、
でもツンツン
笹「な」
19
笹「なんかあったの?」「荻上さん……」
荻「なんかじゃないですよ」「大野先輩にデレデレしちゃって!」
笹「え」「だってあれは」「田中さんから俺たちに……」
荻「そうかもしれないですけど!」「あんなに大野先輩といちゃいちゃする事無いじゃないですか!」
笹「いやイチャイチャはしてないと思うけど……」
20
荻「大野先輩に返して来て下さい!」
笹「え?」
荻「お願いですからこれをそのまま返してきて下さい!」
笹「えっ……いや あの……」「それはあんまり…… やりたく……」
すんごい困っている笹の顔
それを見て一瞬何かに気付き、なにかを悟るオギー
中学時代の、オギーがフラッシュバックする(表現難しそうだー)
21
あ これだ
この笹原さんは、私なんだ
笹目をそらして(どうしたの荻上さん)(なんか、いつもと違うよ……)
という事は、今の私は……
(ここらへんネームでなんとかする)
22
笹「ん?」「……ど、どうしたの、荻上さん」
急に動きが止まり、笹の顔をじっと見つめるオギー
その目から、涙がつぅっとこぼれる
超ひるむ笹
23
笹「わーっ! ごめんごめん荻上さん! いやその!とにかく!ごめんなさい!」
混乱して米つきバッタのように謝る笹。
その姿をじっと見つめるオギー。
頭を下げている笹を、そっと抱きしめる。
24
「いえ 違うんです笹原さん」「私が間違ってたんです」「ごめんなさい……」
目を白黒する笹、目を伏せてさらにつぶやくオギー。
「許すって言って下さい…」
「え?」「ええええ?」「そりゃ」「うん」「許すけど」「え?」
さっぱりわからない笹、涙がさらにあふれる荻
「すいません、ちょっと、顔……」
「え」「うん」「はい」
洗面所に急ぐオギー、背中を見送る笹
25
戻るオギー、晴れ晴れとした顔でため息1つ
笹「だ、大丈夫? 荻上さん」ビクビク
荻「すいませんでした もう大丈夫です」「それより笹原さん」
笹「ん?」
荻ツン顔「そんなチョコは見たくもありません!」「だから」
嬉しそうに「これと一緒に食べちゃいましょう!」2つ目の箱、笹原さんへと書いてある
笹「あ」「う、うん」「そうね…」
26
ページの上2コマを、荻上巻田の神社での笑顔シーンありますね。
あれを笹荻でやって(構図を同じにする)、3コマ目、
2人がオギールームで仲むつまじく会話しているシーンで締める。
視線の高さは7巻80ページと同じで、場所はソファーのある例の部屋がいいですね
テーブルの上には食べかけのチョコ。もちろん食べかけは2つですよ?

第6話2稿

2006年04月25日 15時00分17秒 | げんしけん8.5巻
てゆうか初稿の面影がほとんどありません
迅速に感想をきぼんぬ


部室の棚の時計はお昼
笹、スーツ姿、手帳を見てニヤけている
今日は2月14日。
大野さんが入室、笑顔で「あっ、笹原さん」「こんにちは」
笹、手帳を閉じて「あっ、大野さん、こんにちは」

大「今日はもう終わったんですか?」
笹「いや」「これからでね」「もうぼちぼち出かけるとこ」
会話を交わす2人、座る大野
大「あの」「笹原さん?」
笹「ん?」
荻「前から聞こうと思ってたんですけど…」
笹「なに?」
3扉
タイトル「」
大「荻上さんのどこを好きになったんですか?」
笹超ギックリ、顔のっぺら、汗だく

笹うつむく、大野さん微笑んで笹の横顔を見てる「…………?」
笹人差し指ふりふり「えーと」「その」「つまり…」
大野さん困っている笹を見つめる、おもむろにカバンの中からガーゼマスクを取り出し、装着する

大「何か言えない事がー?」
笹「いや」「その」「できれば」「荻上さんにも話してないし……」困る笹
それを見て大野さん、しぶしぶガーセマスクをカバンに戻し、代わりに小さな箱を取り出す。
笹「?」「これは?」

大「バレンタインのチョコですよ」「ま、私と田中さんから二人へのプレゼントです」
 「二人で食べて下さい」あっさり説明する大野
笹「あ」「そうか」「どうもありがとうございます」照れて嬉しそうな笹
受け取ろうとする
バタン、扉を開けるオギー

二人をきょとんと見つめるオギー、微笑む2人
笹「やぁ荻上さん」「今大野さんからチョコ貰ったよ」
オギーのアップ、昔の顔
大野「私と田中さんから二人にプレゼントですよー」
荻今の顔に戻って「そうですか」「それはありがとうございます」
笹「おっといけない」「もう行かないと」

笹「じ、じゃ荻上さん」「またね」
荻「あ はい」「いってらっしゃい」
バタン 見送るオギーと大野
一瞬チラッと大野の顔を見る荻上
微笑み返す大野さん
目を逸らすオギー
大野「――今ですね」

大「笹原さんに荻上さんのどこが好きか聞いてみたんですけど――」
荻「!」「何ですかそれ」「大野先輩には関係ないじゃないですか」
大「えーいいじゃないですかー」「教えて下さいよー」
 「荻上さんは笹原さんのどこを好きになったんですかー?」
荻赤面「え-と」「……」「大野先輩は」
大野「はい?」
荻笑顔「田中先輩のどこが好きなんですか?」
大野「え?」

10~11はカットしてもいいんだけど……
10
二人とも赤面
大野「どこって」「そりゃ……」「……もう全部ですよ」
荻「あー……」「そうですか……」
大野「言いたくないんですか……?」
荻「ちょっと……」
大野「わかりました では」「笹原さんが荻上さんのどこを好きになったのか当ててみましょう」
荻「えええ!?」
11
大野「ツンデレな所とか」
荻「……デレは無かったと思います」
大野「じゃあツンダメですか?」
荻「何ですかそれ;」
大野「んー」
大野「あ! あれですよ!」 荻「え?」
大野「ほら! 部室でベアトリーチェのコスプレをした時!」「あれがかわいかったからですよ!」
荻「……またコスプレですか?」ちょっと嫌そうな顔
12
バタン
扉を開くクッチー「こーにょにょー!」
即座に空気を察する
「ちわー…………」反転して部屋を出ようとする
荻「待ってください朽木先輩!」
クッチー「!?」
13
荻「いい所に来てくれました」「ナイスタイミングです!」ツンツン
 「では大野先輩失礼します!」
大野「チッ」ガーゼマスクを口に当てている大野
途惑い、席に座るクッチー
軽くため息を1つつく大野さん
「ちわ!」再びドアが開く、恵子登場
14
大野「あら、恵子さん」
クッチー(こんにちはですにょー)
恵子「ねーコーサカさんはぁー!」
一コマの間
大野、クッチーを向いて「……朽木さん最近見かけました?」
クッチー「……見てないです」
15
恵子「えー」「じゃーねーさんは?」
大野「…………」
クッチー「…………」
(はぁっ)恵子ため息
大野「……バレンタインデー……ですか?」
クッチーちょっと反応、恵子、大野さんを見る
ちらっとクッチーも見る
16
恵子「いえ、いいです」「お邪魔しました」
バタン、大野クッチーを残して帰る恵子
困った顔で見つめ合う大野クッチー
大野「じゃ」「ま」「朽木さんにも」
大野さんクッチーにチロルチョコを1個渡す
クッチー明らかに落ち込んでいる、大野さんあくびなんかしたり
17
つまんない顔して帰る恵子
何か気づく、向こうから斑目がやってくる
すれ違いざまに押しつけるように「あんたにやるよ」って押しつける、高そうなチョコ
背中で去る恵子、斑目超困惑
18
夕方、オギールームにやってくる笹
なんかオギーツンツン、でも食事の準備を
二人で食べる、ごちそうさま、
でもツンツン
笹「な」
19
笹「なんかあったの?」「荻上さん……」
荻「なんかじゃないですよ」「大野先輩にデレデレしちゃって!」
笹「え」「だってあれは」「田中さんから俺たちに……」
荻「そうかもしれないですけど!」「あんなに大野先輩といちゃいちゃする事無いじゃないですか!」
笹「いやイチャイチャはしてないと思うけど……」
20
荻「大野先輩に返して来て下さい!」
笹「え?」
荻「お願いですからこれをそのまま返してきて下さい!」
笹「えっ……いや あの……」「それはあんまり…… やりたく……」
すんごい困っている笹の顔
それを見て一瞬何かに気付き、なにかを悟るオギー
21
あ これだ
この笹原さんは、私なんだ
笹目をそらして(どうしたの荻上さん)(なんか、いつもと違うよ……)
という事は、今の私は……
22
笹「ん?」「……ど、どうしたの、荻上さん」
急に動きが止まり、笹の顔をじっと見つめるオギー
その目から、涙がつぅっとこぼれる
超ひるむ笹
23
笹「わーっ! ごめんごめん荻上さん! いやその!とにかく!ごめんなさい!」
混乱して米つきバッタのように謝る笹。
その姿をじっと見つめるオギー。
頭を下げている笹を、そっと抱きしめる。
24
「いえ 違うんです笹原さん」「私が間違ってたんです」「ごめんなさい……」
目を白黒する笹、目を伏せてさらにつぶやくオギー。
「許すって言って下さい…」
「え?」「ええええ?」「そりゃ」「うん」「許すけど」「え?」
さっぱりわからない笹、涙がさらにあふれる荻
「すいません、ちょっと、顔……」
「え」「うん」「はい」
洗面所に急ぐオギー、背中を見送る笹
25
戻るオギー、晴れ晴れとした顔でため息1つ
笹「だ、大丈夫? 荻上さん」ビクビク
荻「すいませんでした もう大丈夫です」「それより笹原さん」
笹「ん?」
荻ツン顔「そんなチョコは見たくもありません!」「だから」
嬉しそうに「これと一緒に食べちゃいましょう!」2つ目の箱、笹原さんへと書いてある
笹「あ」「う、うん」「そうね…」
26
ページの上2コマを、荻上巻田の神社での笑顔シーンありますね。
あれを笹荻でやって(構図を同じにする)、3コマ目、
2人がオギールームで仲むつまじく会話しているシーンで締める。
視線の高さは7巻80ページと同じで、場所はソファーのある例の部屋がいいですね
テーブルの上には食べかけのチョコ。もちろん食べかけは2つですよ?

げんしけんエロSSその5(途中まで)

2006年04月25日 06時41分25秒 | げんしけんSS
6話の研究した成果の副産物。しかし書いてる時間が無いのでエロに持っていくまでは書いた。むしろテーマはここで終了している。そのうち書くかもしれんけど、とりあえずあとは脳内で補完してくれい。



荻上の高校入学。しかし、その新たなる一歩は、最初から絶望の中にあった。中学時代の学区から離れた進学校。偏差値も悪く無い。生徒達は期待と不安に胸を躍らせ、少々浮き足立っているようにも見える。しかし、荻上の心は、最初から死人のように、深く沈んでいた。

入学式、クラス分け、自己紹介。徐々にクラスメイトが打ち解けていく中、荻上は一人、腐の、いや違った、不のオーラを漂わせていた。その人を寄せ付けぬ雰囲気ゆえに、謎の少女として、最初は好奇の視線を向けられていた荻上だったが、クラスメイトが話しかけると徹底的に、本気で反発され、徐々に「ただの人嫌い」という評価に落ち着き、クラスから孤立して行った。

ここでげんしけん本編では、荻上はやおいに救いを求め、高校時代はやおいを唯一の友としてやり過ごし、椎応大学に合格、現視研への入部へとつながる筈なのだが、これはエロSSなのでエロくしなければならない。

そこで、一人の女の子が登場する。名前は「彼女」にしておく。イメージは中島でおk。クラスのリーダーシップ的存在だが、世間慣れしており、ちょっとガラの悪いお友達もいるという設定にする。

彼女はある日荻上に話し掛けた。話しかけるだけの理由はあった。孤立している荻上に対する親切心もあったかもしれない。荻上を哀れむ事による優越感も持っていたのかもしれない。しかし荻上はクラスメイトの面前で、やはり彼女も「攻撃」した。彼女は怒った。どんな反応を期待していたかはわからないが、彼女を拒否する事だけは有り得なかった。許せない。話はここから始まる。

「荻上さーん!」
放課後の下校路。下校時間にはやや遅い時間。人通りは無い。日直の仕事で遅れた荻上に、彼女が声をかけた。彼女の後ろにはガラの悪そうな3人の男がいる。無視して歩こうとした荻上の腕を、一人の男が掴んだ。
「……何ですか?」
荻上が男をにらむ。男は一瞬、意外、だという顔をするが、彼女の方を向いた。
「ちょっとこれから少しだけ付き合って頂けないですか?」
「お断りします、帰ります」
「まぁそう言わないで」彼女は男の一人に視線を向けた。
視線を向けられた男は荻上の両肩を掴んだ。荻上は振りほどこうとするが、男の力は強く、とても振りほどけない。
「あなたさえ素直に聞いてくれれば、すぐに終わります」
荻上は、しばらくの抵抗の後に、自分に選択の余地が無いことに気付いた。
「わかりました、行きます、手を離して下さい」
彼女は荻上の肩を掴んだ男に合図をした。荻上の体が自由になる。
「じゃ付いて来て」
周囲を男に囲まれた荻上は、彼女の後に付いて行った。

公園の管理小屋の裏側。公園には人影は無い。しかもその小屋の影となると、ちょっとやそっとでは人に気付かれない。
「荻上さん、あなた何様? 教室で私にあんな態度を取るなんて!」彼女は言った。
「あなたと私と何の関係があるんですか! ほっといて下さい!」荻上も言い返す。
しばらく二人の口論が続く。しばらくの後、「謝れ!」「なんで謝らなくちゃいけないんですか!」という所まで進んだ。
男3人ももたじろぐ女同士の本気の口論だった。しかし荻上は逆上しながらも、
自分を見る3人の男の目に徐々に不安を覚えていた。4人に囲まれ、味方は自分一人。不安はつのる。
その不安を隠すために、荻上は必死に自分を奮い立たせ、彼女を攻撃した。
彼女を攻撃することだけが、不安な自分を支える唯一のものだった。

そしてまず、彼女が切れた。

裏手で荻上の頬を叩く。荻上は背中を小屋の壁にぶつけ、壁にもたれかかる。男の間に緊張が走る。
「やっちゃってよ」彼女が言った。
それを合図に男が荻上を囲む。男の一人が荻上の口を手で塞ぐ。目を見開く荻上。荻上の制服の胸を男が掴み、一気に引きちぎる。
(!)
色気の無いブラが露になる。混乱する荻上。
(やだ! 誰か助けて! 誰か!)
必死になって暴れる荻上。
(助けて! 助けて! ……たくん!)
最後の勇気を振り絞って口を塞ぐ男の手を噛んだ。男は一瞬怯んだが、怒りのあまりに荻上の頬に平手を叩き付けた。

バシッ!

この瞬間に、荻上の勇気を支えたいた最後の支柱が崩れた。
殴られて横を向いた荻上の口から言葉が漏れる。

「……んなさい」

彼女と男が耳を傾ける。

「ごめんなさい! ごめんなさい! 許して下さい! お願いです! 何でもしますから、許して下さい!」

さっきまでの気丈な態度はもはや無く、全身をガタガタ震わせて、荻上は必死に哀願した。
それを見た彼女は、満足そうな顔で言った。
「そう……じゃあさ、こいつら溜まってるからさ、相手してあげてよ」
「……え?」
一瞬言われた事が理解できなかった荻上だが、すぐにそれが何を意味しているか気づき、目に怯えが走る。
体の震えがさらに大きくなるが、彼女が荻上の耳元に囁く。
「……ごめんなさい、でしょ?」
その呪文を聞いた荻上の震えは止まり、急に落ち着いた荻上はぼそりと呟いた。

「ごめんなさい、許してくれるなら、何でもします」

(後はオギーが謝りながらレイプされるという倒錯的シチュエーションが続くが、こんなん書いてるヒマないんでとりあえずうp)
(追記・しかし読み返すと誤字脱字が多くてまいる、てゆうか一発書き校正無しってやっぱマズいよな)

あうふへーべん

2006年04月25日 05時48分52秒 | げんしけん8.5巻
というわけでサンクリオフで少々脳を揉んでみたすっとこさんだが、揉んだところである違和感に気付いた。8.5巻の第6話だ。

実は以前から6話のネームに万全の納得が行ってなくて、でも中荻のプロット完成前ほどに不満と言うわけではなく、まぁ及第点かなーとか思っていたのだが、以前某氏に「1話と6話同じじゃん」とかストレートに言われて、その時は「うるせーいいんだよこれで!」とか反発したんだが、よく考えると反発ある所には真実があるので、それから検討に検討を重ね、かつ、いくつかのささやかな発見を元に、徹底的に、これ以上考えたらハゲちゃうというくらいに考えた所、6話のプロット(と言うか8.5巻)に足りない所がある事に気付いた。違和感の正体も判明した。

気付いた以上、違和感の正体は文章でも書けるが、せっかくだから直接ネームに落としてみる事にする。というわけで6話のネームの完成は若干遅れそう>執筆者。しかしどう見ても指摘してくれた某氏のおかげです。本当にありがとうございました


げんしけんエロSSその4

2006年04月24日 19時03分05秒 | げんしけんSS
というわけでうp
ちなみにカテゴリに「げんしけんSS」を追加

「荻上ー」(ぽんぽん)
中島がそっと荻上の肩を2回叩く。振り向いた荻上はちょっと困った顔をして、でも相変わらず可愛い微笑で、
「ごめん、今日もちょっと用事があるんだァ……」
と答えた。
「そっか……なら仕方ねぇなァ……」
中島は残念そうな顔で、やっぱり微笑んだ。
しかし、中島はもう気づいていた。荻上が中島の誘いを断る時はこんな表情はしない。それも今回だけじゃなく、2回連続、だ。女の感、と言うより、はっきりとこれまでと違うものを感じる。その原因もなんとなく察しが付いているが、怖くて荻上本人に確認する勇気が無い。
「ま、そんなら今日はさっさと帰って原稿書くべ、荻上もなんだか忙しいみてェだけど頑張ってな!」
ちょっとした皮肉を、しかし悟られないように込めて、中島は教室を後にした。

用具小屋での荻上との約束が無くても、二人は一緒に帰る事は多かった。しかし荻上と中島の共通の帰り道の間では、今までにこれと言った変化は無い。何かあるとすれば、荻上が自転車に乗った後だ。校門を出た中島は、駆け足で、普段荻上と別れる交差点まで走った。たまに後ろを確認して、荻上に追いつかれないか確認する。振り向くたびに、そこに荻上がいるのではないかと思うと、心臓の止まる思いがする。

(ハッ!……)(ハッ!……)(ハッ!……)

中島は息をつく。交差点には誰もいない。物陰に隠れて息を整える。

10分もぼんやりしていると、頭の中に形のまとまらない思考が次々と浮かぶ。
(……荻上……)
『嫌な感じ』の思考を振り払おうと両手で頭を抱えていると、遠くから自転車の近づく音がする。ハッと我に返って物陰に身を伏せる。
ザザザ―――。
荻上だ。軽快に自転車をこいで走っている。その顔は……
(……あの笑顔だ……)
中島に肩を2回叩かれる『合図』に、振り向いて答える時の、その笑顔。不安が心に積もる。荻上に気づかれないように距離を置いて、しかし見失わないように荻上を追いかける。

思ったより近かったが、これ以上走ったら見失うかもしれないという距離に、荻上の自転車は置いてあった。神社の鳥居の下だ。胸を高鳴らせて鳥居をくぐり、狛犬の陰から境内を覗く。

――――いた。
荻上と――――巻田が。

ドクン。

一瞬視界が揺らぐ。自分の心臓の音がうるさい。荻上に聞こえてしまうかもしれない。手洗いの近くで和やかに話す荻上と巻田。その荻上の表情は――――
――――中島しか見たことが無い筈の、「天使のような微笑」だった。
(んでこれが「悪魔に心臓を掴まれる」って奴……?)(どっちにしろ陳腐な表現……)
のろのろと立ち上がり、こっそり神社を後にする中島。心臓の鼓動は止まない。私の荻上が、私以外の子に、微笑んでいる…… いや、別に荻上は私の物じゃない。それはわかっている。いや、でも――――
下を向きながらのろのろ歩く中島の目に、涙が浮かんできた。
ぼろぼろとこぼれ落ちる涙を拭おうともせず、中島は目をつぶる事無く、自宅まで歩く。幸い自宅には誰もいなかった。自室の椅子に座り、天井を見上げる。涙が止まらない。

ようやく放心から覚めた頃、中島の心に浮かんだものは――怒りだった。
――荻上、なんでわたしに黙ってた? あたしたち友達じゃなかったんか?
――あたしの事好きだって言ってくれたでねか。なのになんで隠す?
――やましい事だと思ってんだろ? あたしにバレるのが怖いんだろ?
――――不潔だ!

やり場の無い怒りが、中島の心を黒く染める。中島は咄嗟にワープロのスイッチを入れた。心が押しつぶされそうだ。何かしないと。何をする? 私の得意な事。ワープロが執筆モードになった。中島の手がキーボードを叩く。

――荻上だったら、巻田に誘われたら、きっと断れない。多分、慣れた用具小屋に行くんだろう。巻田が荻上を背中から抱きしめるんだ。荻上は恥ずかしそうに、でもあたしに対してそうするように絶対に抵抗はしないんだ。まず、制服を着たまま、全身を撫でられるんだ。それだけで荻上のあそこはトロトロになっちゃうんだから。それだけで息絶え絶えになっちゃうあの子は、きっと、巻田『の』を口で撫でるんだろう。あの子ああ見えて好奇心は強いから……。そして、小さい口に収まらないのに、必死になって奉仕するんだ。そしてアレが喉の奥に出たら、むせ返って、でも全部飲んで、『あの』笑顔で「美味しい」とか言うんだ……。そして、スカートとパンツだけ脱がされて、仰向けになった状態で、巻田のアレを受け入れるんだ……。荻上のアソコもちっちゃいから、最初は泣き叫ぶんだろうな。でも巻田に必死でしがみ付いて我慢するんだ。私の時みたいに……。でもそのうち、巻田のも喜んで受け入れちゃうんだ。もう全部服は自分から脱ぎ捨てて、でも巻田の顔やアレをしっかり見るために、眼鏡だけは付けておいて……。巻田知ってる?あの子、四つんばいにさせて、指を入れると、まるで犬みたいに鳴くんだよ? その時ちょっといたずらして、後ろにも指を入れると、怖がって泣いちゃうんだ。おかしいよね。自分では散々男の子の後ろをいじめる本を描いてるのにさ。巻田のを後ろから受け入れた荻上は、やっぱり突かれるごとに、犬みたいに鳴くんだ。そして、あの小さいくせに、やたら感度のいい胸を、巻田に後ろから鷲掴みにされちゃうんだ。もうそれだけで、荻上は気を失っちゃう寸前になるんだよ。思わず声を漏らしちゃうんだよね。そこで巻田がつながったまま、荻上の体を起こして、背中から抱きしめて耳元で囁くんだ「……荻上すげェ可愛い声だァ」ってね!

一心不乱にキーボードを叩き、巻田が荻上を陵辱する小説を一気に書き上げた。巻田が荻上の中で爆発した瞬間を書き終わった所で、ようやく中島は自分の涙が枯れている事に、そして、自分が何を書いているかに気が付いた。
――何だこれ、どうして私こんなモンを……?
しばらく自分の書いた小説をぼんやりと見ていた中島だったが、心の中にまだ潜んでいる黒い物が、中島に語りかけた。
(…………!!)
自分のしようとしている事に気づき、一瞬身を震わせたが、中島は躊躇なく心の声に従った。原稿をプリントアウトし、赤鉛筆でチェックを入れ、元の原稿に修整を加える。しばらく作業を進め、完成した物は、『巻田が友達に陵辱される小説』だった。もちろん元の小説から、性別を置き換えて違和感のある所には修整を入れたが、基本はオリジナルのままだ。荻上が巻田に陵辱される内容の、巻田が友達に陵辱されるやおい小説。私のよく知っている荻上は、間違いなくこんな陵辱を望んでいる。それは私が荻上本人より知っている。その内容で、荻上が大好きな巻田が、荻上の望むように犯されたとしたら……
いや、まずはこの小説を文芸部員に見せよう。きっとこうなるという確信はある。
中島はチェックを入れた原稿を庭で燃やし、やおい小説をカバンの中に入れた。その口元には凍りついた笑みが浮かんでいた。

「中島――!! これヤバすぎだァ――!!」「キャー!!」
文芸部員の黄色い声が部室に響く。荻上以外の部員が部室に集合している。荻上は今日も先に帰った。その事を意識しているのは中島だけだったが。
「いやぁ……、やっぱ素材が身近にいると、つい気合入っちゃってなァ……」
後頭部をかきながら、上々の評価にやっぱり嬉しい中島。
「というわけで、巻田総受け本、作ってみね?」
「やるやる!」「こんな凄ェ原稿見たら黙ってらんね!」「たまにはこんなんもやるべ!」
「……ま、今回は内輪だけだからナ」中島が釘をさす「……みんなも気合入れてくれ!」
「お――――!!」

「え?」
「んーだから前 言ってたべ」「巻田総受け本」
「原稿プリントアウトしたから読んでみ」「面白かったら挿絵描くんだべ?」
「え」「あ」
「みーんなノリノリでさぁ」「フジモの書いた体育の木村に犯される話なんか最高だァ」
「えっ……いや あの……」「あんま…… 描きたく……」

「面白くなきゃいいんだ 描かなくて」「読むだけ読んでけろ」
「絵無しでも発行するけど どっちにしろ流通するのは私達の間だけだしサ」 あはは
「んじゃー」






「…………」
「………… …………」

「!!」
(……何だコレ)(みんな いつも書いてんのと全然違う……)






カチャ.







あっ 描いてくれたんだー


うわ いっぺーだ――


ありがと じゃ本にしてみんよ


楽しみにしててな













……何かすごく

すごく 嫌な感じが
















あ――……
ちょっと……

校長室
来てくれっか













つづく(場合はエロ抜きで)