農大現代視覚文化研究会

「げんしけん」の荻上と「もやしもん」のオリゼーを探求するブログ

ベアトリーチェ考

2006年02月27日 22時51分03秒 | げんしけん
まずは38話「こすけん」の、オギーコスの勉強から入る。
キャラクターの名前は「ベアトリーチェ」、通称「こうもりアクマ」、出身は

ATTIC WORK SPACE

とらのあな検索
簡易商品検索に「attic work」と入力して下さい、各種電子書籍サイトでも販売しているので、"Attic Work Space" 同人誌で検索するのもいいかもしれません。

現状のトップ絵がエロくていいね、主な絵はギャラリーの「ベアさん」とかジャンクの3枚目を参照。大野さんのコスは胸の開き方と左足にしかソックスを履いてないところから「ブロック崩しゲーム」の「SF脱衣」が該当するかも。アクマに対して天使なのね。いずれにせよ衣服にはバリエーションがある。

このベアトリーチェはフィギュア化されている。

ポリゴニア

メニューのG.K参照。レポート記事としては

瓦礫な部屋

の以下を参照。

http://ruriruri.moe-nifty.com/gareki/2005/03/_17_.html
http://ruriruri.moe-nifty.com/gareki/2005/05/_17__01fa.html

ベアトリーチェの勉強は以上。さて、以下本題。今日読んだ「性的唯幻論序説」に以下の記述を発見した。


西欧の「清純な乙女」とは、ダンテの恋人ベアトリーチェや、ヴェルテルの恋人ロッテにせよ、処女マリアが変形したものであると考えられるが、(後略)


何を言いたいかと言うと、数ある色(エロ)っぽい服を着たキャラ数あれど、木尾士目が何故非メジャーなキャラのコスプレを採用したかと言うと、「荻上がベアトリーチェである」と言っているからではないか。

ではそのダンテの恋人ベアトリーチェとは誰かと言うと、これまた以下参照(まずは読まなくていいです)。

wikipedia・ダンテ・アリギエーリ
wikipedia・新生

川上重人の文学世界
『資本論』における文学の位置・第16回 ダンテ『神曲』

ちゅーわけで、実は今回の考察は思いっきり適当である。つか「性的唯幻論序説」に見覚えのある単語が出てきて喜んだだけで、「新生」「神曲」におけるベアトリーチェの立場というのをすっとこさんは知らない。百歩譲って実在したベアトリーチェの立場にせよ、ちょっと考えてみると……

「9歳の時の出会い」「9年後の運命の再会」「へたれダンテがベアトリーチェを愛しているのに他の女性にちょっかいを出してフラれる」「他の女性と結婚しちゃうダンテ」「ベアトリーチェ24歳で死亡」「嘆き悲しんで自分の作品の中にベアトリーチェを『永遠の淑女』として登場させる」

今気づきました。ダンテは喪男でオタです。いやそんな事はどうでもいいんですが、はっきり言えばオギーとの接点はありません。という事は木尾士目が意図的にオギーをベアトリーチェと見立てたのであれば、その意図は「新生」「神曲」の中にありますが、そのためだけに「新生」「神曲」を読むのはちょっと……、という事で、すっとこさんの目論みは挫折しました。ただ単にATTIC WORK SPACEの中の人と木尾士目がリアル友達、もしくは木尾士目がリスペクトしただけとも考えられますが、こっちの結論の方が無難ですな、とりあえずこういう事にしておきましょう。くそー。

「逃げるのやめようと思います」について

2006年02月27日 20時45分54秒 | げんしけん
さて、今日の本題に入る前に筆慣らしをひとつ。筆慣らしと言っても、いや別に思いつかねぇ

本スレのマジか荒らしか知らないけど、散見される意見で「結局巻田くんに関する事態については何ら改善されてないから欺瞞」とまでは行かないけど、そのような発言に対する解説を。

実際その通りなのである。先月までオギーは巻田くんに対する罪悪感から男の人と付き合うことを避けてきた。

ただ、他の意見では、主原因は「自分と付き合った人を、(自分がホモ絵を描くであろう事によって)傷つけたくないから」というものもあったが、笹原の場合は、好きになるより先にホモ絵が先行してしまったためで、無条件に男全てを跳ねのける理由としては若干弱いかなと思う。自分と付き合った人のホモ絵を必ず描くという前提条件でも無いだろうから、やはり巻田くんに対する罪悪感が、男の人と付き合わない主原因に置いてもいいと思う。しかしここは両論併記で、「自分と付き合った人を傷つけたくないから」を主原因α、「巻田くんに対する罪悪感」を主原因βとする。

まず、主原因αの場合は話は簡単である。笹は自分のホモ絵を見ても動じないどころか評論まで下してしまったわけで、オギーとしても願ったり適ったり、万事解決しましたーとなる所だが、それではこの論の前提である、「結局巻田くんに関する事態については何ら改善されてないから欺瞞」意見が出ない筈で、やっぱりオギーと読者の葛藤の主原因は主原因αで無いと判断できる。まぁこの要素が一切無いとは言わないけど、やはり決定的な原因では無いのではないか。

では主原因βだとするとどうか。確かにこれだとオギーに対する不満はわかる。「おめー男の人と付き合わないって言ってたじゃねーか、ありゃどーした」という事になるだろう。ではここから解説。オギーが「男の人と付き合わない」と言っていたのは逃避である。フロイド的には「抑圧」になるのかな。男の人と付き合ってしまうという事は、自分が傷つけてしまった(付き合っていた)巻田くんの事件と直面せざるを得ない事態に自分を追い込んでしまう事なので、故にオギーは自我を守るために(事件を思い出さないために)男の人と付き合うわけにはいかないのである(周囲への攻撃性を強める事はまた別)。

しかしオギーは「笹原さんがそれを見ても許してくれるなら、もう逃げない」と決心した。それは直截的には「笹原さんと付き合う」という事であり、婉曲的には「巻田くんの事からも逃げない」という決心を固めたという事である。しかし現段階では確かに「逃げない」という決心を固めたにせよ、巻田くんという「取り返しの付かない過去」と決着を付けるべきかはまだ提示されていないし、果たして本当に決着を付けるのかという不安が残る。

そこを判断する材料が今回の一場面にある。キスシーンである。見れば分かる通り、笹原の頭に隠れて肝心の「唇と唇でつながる」というキスが読者からは隠されている。キスを描くのであればこんな変な構図で描く必要は無く、このシーンはキスの暗喩で終わってしまっている。別にキスを描くのは「げんしけん」ではタブーでは無い。咲コーサカでとっくに行われている。ならばこれは笹荻のキスがまだ本物では無いと描かれていると判断できよう。

つまり「結局巻田くんに関する事態については何ら改善されてない」件、「巻田くんの事からも逃げない」件は今後解決される筈であり、その時には我々は笹荻の真のキスシーンを拝めると期待されるのである。その時期は大方の予想通り、冬コミで中島と遭遇する時ではないかと思われる。

中島の件もいろいろ想像できるんだが、あまりにも材料が少ないので別の機会に妄想たっぷりで語ってみようと思う。


オギールーム解析花盛り

2006年02月27日 08時23分18秒 | げんしけん
というわけであっちこっちでオギールームの構造解析が進められておりますが、これでオギーハウスの耐震偽造が明らかになれば笹荻が地震でアレゲな事にならないで済みます。そーゆー問題じゃないよな。

ところで思い出すのが、すっとこさん昔、某マンガでやっぱり構造解析やって、当時もモデラーにデータ放り込んでコマ割リと同じ構図の絵を出力させて、そこに本誌からスキャンしたキャラの絵をハメ込んでわーいとか言って喜んでたんですが、当時から変わってねぇなぁ俺もオタクのする事も。ちなみに画像はその時のもの。タイムスタンプ98年3月だってようはー。

独自にオギールームの構造解析やって同人誌のネタにすっかぁ。既にやり尽くされている感があるけど。本のタイトルもあのダメなオフィシャルファンブックに対抗できるようなものにすっか。そうなるとキャラごとの精神分析とか必要だから、絵がいるなぁ。それにしてもあのオフィシャルファンブック、ダメな事はダメにゃ違いないんですが、そのダメっぷりから学べる物があるので、存在を否定するべきではないと思います。少なくともすっとこさんはあの本から学べたものがあるのであってもいいと思うんですけどね。でもダメな事はダメだけど。

メモ

2006年02月25日 22時35分54秒 | げんしけん
http://home.att.ne.jp/sigma/sakuramaru/Yaoi_Shinri.htm
http://www.shobunsha.co.jp/h-old/rakan/14.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/1BVCYMTYTP2Q2/249-3071028-7448341


……斎藤環読まないとダメかなぁ……

んにしてもすっとこさんのゴールを「やおい論」にしてしまうと、それはあまりにも高い山。しかもすっとこさん、やおいよく知らねーよ。理屈はわかるけど。まず笹原兄妹の精神分析に関してはほぼ概要は固まってるんだよね。ちなみに「親に愛されなかった子供は何故愛に飢えるのか」という理屈を今日読んだ。うひー。あとトラウマとPTSDに関しても調べとかないと。オギーや俺みたいに、「トリガーは他人が引いたけど、結局主原因はどう見ても自分です。本当にありがとうございました」みたいな状況が、なぜそうなるのかについて書かないと。なんか簡単そうで、果たしてどこに書いてある事やら。

すっとこさんの感覚だと、精神分析で解明して面白そうなのは、そもそもその道どっぷりとして設計されたオギー。なんか後ろ暗い笹兄妹。もしあれが抑圧だったら恐ろし過ぎるぜコーサカくらいで、後の連中、斑目世代の3人と、クッチー、春日部さんは特に背負っているものが無さそう。斑目はヘタすっとこれから背負うかもしんねけど。あと春日部さんと田中にいきなりもまれてバッチリ解決してしまった大野さんも根は浅そう。大野さんの場合最初から隠そうとしてなかったし、海外時代から国内のやおいグループとの交流があったらしいから特に深い抑圧も無かったみたいね。これで重度の抑圧抱えて、それを解消するのが初期げんしけんの目的だったら大野さんもヒロイン化できてたかもしんねけど、主役話も無いままにいつの間にか田中と付き合ってましたとか言われてもねぇ。よく考えると大野さんの初主役話って田中とくっついた回……はむしろ斑目が主役で、とするとオギールーム訪問時か?うはー影薄いよ大野さん。これは精神分析論よりげんしけん作品論で扱うべきだなぁ。わけわかんね――――。

五年生、げんしけん、フロイド

2006年02月24日 23時05分15秒 | げんしけん
昨夜からのできごとを著述。

帰宅してから不調だった自宅鯖マシンを騙し騙し立ち上げ直し、玄箱に全データを退避させる。なにしろ160Gもあるものを100MのLANで転送させるので時間がかかるかかる。その間何やってようかなと思い、そうだ、いよいよ「五年生」を読もうと決心する。てゆうかまだ読んでなかったのか!とか言われそうだが、なにしろ笹荻編開始以来、俺の心を乱しまくり……とか書いているこの瞬間に石油ファンヒーターが壊れました。マジか。焦げ臭せぇ。いや昨夜の話だったな。えーと、「げんしけん」読むだけでトラウマ大ヒット中なのに、噂に名高い「五年生」を読んだら俺どうなっちまうんだろうと不安で、入手だけしておいて読んでなかったのですよ。しかし笹荻が大団円を迎えた今(フライング)、読んでどんなにショックを受けても笹荻があれば大丈夫だろう、ってんで読み始める。

読んだ。感想。うーん、確かにネトネトの作品だが、笹荻程ダイレクトに俺の心にズキューンと来なかったのでセーフ。多分。しかしすごい作品だねこれ。ラブホで裸の男女が数ヶ月口論しまくるマンガってなんだこりゃ。しかもハッピーエンドじゃないってなんだそりゃ。「めぞん一刻」が散々引っ張り続けた挙句、それでも名作の誉れ高いのは結局ハッピーエンドだったからでしょーが。笹荻もそうじゃん。誰が嬉しいんだこのマンガ。それはともかく、興味深かったくだりは芳乃さんが自律神経失調症になって壊れていくあたり。既述の通りすっとこさん、げんしけんのためにフロイト精神分析を勉強中なので、いろいろ面白い。神経症と言っても物理的に神経が駄目になっているのなら話は早いが、まぁこのへんを判断しているのが「除外診断」なんだろうな。知らんけど。んで、本当に精神的にヤバくてストレスとかトラウマとかで、外的自己と内的自己の葛藤とかどーたらこーたら(まだ専門用語まで行ってない)の場合、カウンセリングして抑圧を解放するとハイ完治、ってなもんであろう。知らんけど。まだ。

さて、そんなこんなで一通り読んだ「五年生」。とりあえず俺の心に新たなヤバげ感を与えずに済んでなにより。多分。それにしても吉村さんとのセクロスシーンは、俺が笹荻で書こうとしていたものと若干被っててビクーリ。やっぱりシャワーは一緒に浴びないといかん。でもって洗いっこは絶対だ。ローションがなくても(以下略)

翌朝出勤。職場で改めてフロイドの本を漁る。普通ならフロイトと表記する所だが、すっとこさんをこの道に導いた本田透-岸田秀両氏に敬意を表してフロイドと表記する。ところですっとこさんが結局フロイドに行き着いた経緯を説明しておかないといけない。大元は「自動アンケート」で、本田透さんの「しろはた」が紹介されており(99年頃か)、そこのプロ野球やコラムの精神分析ネタが大変面白く、へー精神分析っておもすれー、でも難しそうだから「しろはた」読むだけでいーやとか思っていた。んで去年。本田透さんの「電波男」が上梓され、大変感銘を受けたんだが、その中や「しろはた」でも、散々岸田秀や唯幻論の名前が出ていたので、興味深くなって岸田秀の著作を読み始めた、のが10日くらい前かな?

んでこーりゃおもすれーってんで、せっかくだから「げんしけん」に応用してみたら、なんかいろいろ読み解ける。例の笹原兄妹の精神分析なんかもその成果。いや、合ってるかどうか知らんけど。でもそれっぽい事は書けているし、何より「くじアン」に親のいない設定が多いのは何故か、恵子は何故「ドラクエV」をプレイしたかという事まで、一応の説明を付けられてしまうというのは凄い。合っているのかは知らんけど。こうなると唯幻論のさらに元ネタであるフロイトの精神分析に興味がわいてしまうのは当然と言えよう。

んで今日、新書の棚を端から眺めてたら、そのまんまのタイトル「フロイト」講談社現代新書ハッケソ。とりあえず読む。うーん、伝記か。どのような経緯でフロイドが精神分析を編み出すに至ったかの流れが書いてある本か。しかし、ある著述を読んだ瞬間、すっとこさんの脳裏に電撃が走る。

この種のボーリング、自己発見、そして教育は、パーソナリティをつくりかえることに外(ほか)ならぬわけだが、これに対してフロイトはギリシア語からとった精神を現わすPsyche(プシケー)という名称を使い、彼の新しい治療法をPhyshoanalyse「精神分析」とよんだ。

「プシュケ」の元ネタ発見。偶然の一致? そうかも知れないが、少なくともフロイトの精神分析というツールをちょっと使っただけで、げんしけんキャラの分析がホイホイ進むわ、それが興じてフロイトを調べ始めた瞬間にこの記述に遭遇したのはもはや偶然ではない。てゆうか偶然で済ますには惜しい。この線からさらに探りを入れていけば絶対に捕まえられるものがあると確信する。何しろ木尾士目もオタだ。自分の作品の理論の元になったタームを作中に埋め込むなんざオタのやる事だ。

しかしフロイトと言えば誰でも名前を知るキャラ(キャラて)。しかもその精神分析と来れば心理学にちょいと興味があれば手始めに調べるものだろう。事実すっとこさんがそうだったしな。となるとフロイトを元々知っている人がげんしけんの書評を書けば、この事実にはとっくに行き着いているのでは無いかと思い、早速ぐぐってみた。
紙屋研究所
一応引用規定は満たしていると思うので転載。でも一応1~6巻まで書評があるから見に行ってね。
『げんしけん』3巻の短評

 エロゲーを擁護する斑目。「言っとくけど『現実では不可能な事ができる』とかそんなレベルじゃねーぞ!! そもそも記号の集合体にすぎないゲーム世界を脳内補完により肉欲の対象にするのはただの性欲よりはるかに高度な精神活動なんだよ!!」
 思い出すのはフロイトの悪名高き暴論、「コイトス(セックス)はオナニーの貧弱なものにすぎない」。なら、あれですか、二等辺三角形とか楕円とか、幾何学的図形を妄想してするオナニーが最高精神レベルのオナニーですか。

てゆうかこれ、7巻おまけのおまけのコーサカの「本当に夢だったのだろうか……」そのまんまじゃん!にわかフロイドファンのすっとこさんはまだこのコイトスがどーたらこーたらまでは読んでないんだが、とにかくフロイドという事から数珠繋つなぎに元ネタの解明が進む進む。なんじゃこりゃ。てゆうかもう結論は1つ。「五年生」や「げんしけん」に透けて見えるフロイドの影。木尾士目の作品、キャラの設定にはフロイドの哲学が大いに影響している。てゆうか元ネタがフロイド。ところで木尾士目の出身大学といえば筑波大学というのはもはや基礎教養だが、学部は人文学類。専門は哲学、史学、考古学・民俗学、言語学。フロイドは心理学より哲学に分類されるので、木尾士目が筑波大学時代に哲学専攻でフロイドの研究をしたという仮定も実に興味深い。すっとこさんは「げんしけん」を読み解くためにフロイドを使ったが、木尾士目が「げんしけん」を作るためにフロイドを使ったのであれば、作品の解析に大変有効に使える。

というわけですっとこさんは「げんしけんのフロイド元ネタ説」を本気で提唱します。あと6冊程本を読むつもりですが、そうすると相当の所までキャラとキャラの言動の解明ができるのではないかと今から期待しています。解明できないかもしれませんが。とにかく「げんしけん研究本」の概要は固まった。後は読んで書くだけだ。

げんしけん脳の恐怖、あるいは笹原兄妹の精神分析

2006年02月23日 23時56分35秒 | げんしけん
というわけで寝ても覚めてもげんしけんの事しか考えられないすっとこです。しかもアフタをフライングゲットしてしまったおかげで、もう脳が煮えてます。比喩表現つーか、仕事中も脳からぐつぐつ音が聞こえます。超ヤバいです。

そんな一部嘘はともかく、最近げんしけんをより理解するために精神分析の勉強を始めて、って勉強と言う程大げさなもんでもないんですが、岸田秀とかフロイドとか、文庫で数冊読んだ程度なんですが、いや、知らない知識を自分のモノにできるというのはいつやっても楽しいもんですな。って前、フィギュア作り始めた時にも同じ事を思ったような気もしますが、アレだ、精神分析って心理がちゃんとセリフで提供されるマンガキャラでやると面白いですな。そんな感じで休日3日分かけてSS風の笹原&恵子の精神分析話をでっち上げてみたので、こちらにもうpします。SSスレ見てる人は知ってると思いますが、ちょっと余計な事をしたので、こっちでは余計な部分を外しておきます。ではどうぞ

==========
ぐったり疲れて、ため息をついて椅子の背もたれに全体重をあずける咲。
ふと天井を見上げると、そこには人の顔が。
『やあ春日部さん久しぶり』

「はうあ゛――――!!」(4倍角)

『……そんなに驚かなくても』
「いや絶対に驚きますって!! 会長!!」(ドキドキドキドキ)
咲の傍らに初代会長が立っていた。
『だから会長じゃないってば』
「……卒業したんじゃなかったんですか!!」
『んー、ちょっと顔出したら、なんかすごい事になってたんで陰で覗てたんだよ』
「……本当ですか?」
『……どう思う?』
「……信用する他ないじゃないですか……」
『どうだろうねぇ、それより、「あれ」はどういう状況なのかな?』
「え……『あれ』って…… 今のですか?」
『春日部さんに何か心当たりは?』
「さぁ……斑目の反応はともかく、恵子の方がわかんないかな」
『そうだねぇ、恵子くんの方がちょっと変だったねぇ』
「え、会長、アイツと会った事……無いですよね?」
『いや、笹原くんから話は聞いててね 前から興味深く思ってたんだ』
「……そういう事にしておきます」
『それでどうかな、長くなるかもしれないけど、僕の話聞いてみない?』
「会長のお話とあらば、聞きましょうか」
『だから会長じゃないってば。ただ、そうだねぇ、どこから話そうかねぇ』

『……そうだな、前に聞いたけど、笹原くんのご両親ってのが放任主義らしいんだよね』
「あー……そういえばどっかで聞いた気が……」
『そうか……春日部さんは覚えてないんだ』
「は?」
『いやこっちの話』
『それでひとまず、子供の頃にご両親の愛情が足りなかったから、恵子くんはあの通りになってしまったという仮定をしよう』
「えー、心理的に充足されてないから依存に走るなんて、なんかありがちな話ですねー」
『蓋を開けてみれば単純な話かもしれないよ? それはそうと荻上くんの件ではご苦労様だったねぇ』
「えー、いや、あれはほとんど笹ヤンと大野が……」
『合宿で二人をくっつけちゃおうと最初に考えたのは春日部さんでしょ。まそれはともかく、荻上くんの場合は原因はとてもはっきりしているんだけど、笹原くんたちの場合は、ご両親も普通にご健在だし、笹原くんも東京で一人暮らし、恵子くんもあっさり専門学校に入学するし、笹原くんのウチも経済的には恵まれていると言っていいだろうね。どう見たって親御さんには大事にされているとしか見えないし、親も本人もそう思っているだろうしね、ただしそれがこの問題を目立ちにくくさせているとしたら?』
「…………」
『親御さんは放任主義で笹原くんたちに自由とお金を使わせているけど、親の愛情ってそれだけじゃ足りないしね』
「えー、でも、恵子があんなに染まっちゃう程なら、笹ヤンは何で……まぁ、普通なんですか?」
『程度の問題かな、2つ考えられる。1つは笹原くんが第一子だったからかな、その分第二子の恵子くんよりは大事にされただろうしね。それに二人に3年の年齢差がある。ある時期から母親も不在がちになったとして、笹原くんの方が3年は長く母親と接していたのかもしれないよ?』
「うーん……」
『ご両親が不在がちなら、笹原兄妹が子供の頃にべったりな兄妹だったかもしれないよね』
「……でもあの二人の仲の良さは、喧嘩しすぎなように見えますけど……」
『でも最近はどっかでお互い信頼しているでしょ』
「……否定はしません」
『だから僕はあの二人の間に何か事件があったんじゃないかと思ってるんだよねぇ。昔の二人の態度からすると、笹原くんに何かの原因があったんじゃないかなぁ?』
「原因てなんなんですか?」
『さぁ、校内の事じゃないからそこまでは知らないよ?』
「……校内の事だったら何でも知ってるみたいですね」
『さぁどうかなぁ』
「…………」
『もう1つ違いがある。笹原くん、高校時代はオタク趣味を隠していて、友達いなかったって、春日部さん、そう言ってたよね?』(1巻162P)
「ええ、そうですね」
『一方恵子くんは中学時代から遊び歩いていて、友人や彼氏もいっぱいいたみたいだ。でも僕が見る限りでも、笹原くんの方が一見危なげなく育っている』
「言われてみれば……」
『恵子くんは他人に家族を求めて、笹原くんは脳内に家族を創ったんじゃないかな』
「は?」
『いやわからなくてもいいけど、恵子くんはご家族が与えてくれなかった愛情を他人に求めたのさ、一見当然の選択だけど、友達も彼氏ももちろん家族じゃないから、恵子くんが本当に欲しかった物は得られなかったと思うよ。笹原くんの場合、現視研に入る以前からアニメやゲームに没頭していたわけだ、もちろんくじアンも含めてね、彼の入学当時の事を思い出すなぁ、あの業の深さは「ヌルいオタ」どころの話じゃないよ? 高校時代友達はいなかったけど、アニメやゲームで出会ったキャラクターで理想の家族を脳内で構築して、それを実際の家族の代わりにしていたとしたら?』
「ありえるんですかそんな事」
『人間はフィクションの物語に感動したり泣いたりするんだよ? ちょっとした想像力とそれを求める心理があれば可能さ。フランス兵の捕虜収容所の話って聞いた事無い?「脳内共同ガールフレンド」で検索してみるといいよ。』
脳内共同ガールフレンド
『そう言えば笹原くんの大好きな「くじアン」だけど、春日部さんは読んだことある?』
「ええまぁ……コスプレさせられた後に一応……」
『キャラクターの設定覚えてる?』
「……いやそこまで覚えてないですよ……」
『「片親か両親が不在」って設定のキャラ多かったね』
「…………」
『主人公からしてそうだったかな。恵子くんに読ませると意外とハマるかもしれないよ?』
「……だから笹ヤンが『くじアン』好きだって言うんですか?」
『本人がどこまで意識しているかはわからないけど、そういう可能性だってあるって話さ。それにこれは恵子くんにも言えるよ』
「え?」
『笹原くんが言ってたけど、恵子くんが「けっこうハマったゲーム」って言ってたのが「ドラクエV」なんだってさ、プレステもあるのにスーファミのゲームだよ?』
「いや、アタシはやってないんで知らないですけど…」「それがどうかしたんですか?」
『「ドラクエV」のテーマの1つが「家族の絆」なんだよね』
「…………」
『もちろんそうだと書いてあるわけじゃないけど、歴代ドラクエシリーズや、数多あるRPGの中でも、家族がプッシュされている作品で最も有名なのが「ドラクエV」なんじゃないかな、「MOTHER」シリーズも捨てがたいけどね。僕としては笹原くんがこの道に踏み込むきっかけになった作品を教えて貰いたいと思うけどね、ひょっとしたらくじアンかもしれないなぁ、千尋を見て「これは俺だ」とか思ったのかもしれないよ? そういえば千尋の姉妹は外面(そとづら)はよくて、自宅では自堕落なお姉さんだったっけね、彼女の友達や彼氏付き合いの良さと、兄妹関係のギャップという観点はどうかな』
「……………」
『笹原くんの「お色気系好き」も、甘える事のできる母親か姉を求めている、って事で一応の説明は付くよね。そのまんまだけど、大きな胸は母性の象徴だしね』
「……でもそれなら大野が入学した時、何か反応があってもおかしくなかったんじゃないですか?」
『だって大野くんは現実だもの、笹原くんが求めているのは理想の母親像だよ? でも海水浴行った時、大野くんの水着が見られなくて残念がってたね、彼にしては珍しかったな』
「じゃあなんでオギーには……」
『笹原くんが荻上くんを気にし始めたきっかけって知ってる?』
「……部室だったんですか?」
『いや大野くんから聞いたんだけどね、大野くんが荻上さんにちょっと大胆なコスプレさせたんだって。時期的にあれがきっかけだって大野くんは言うんだけど、そうだとすると笹原くんはコスプレを見て「現実にも想像と同じように興奮できるものがある」というのに初めて気づいたんじゃないかなぁ。他にも荻上くんに構いたいという気持ちもあったのかもね』
「と言うと?」
『笹原くんの場合は、自分が得られなかった愛情を、自分が誰かに与えることで充足させようとしたんじゃないかな。一見、守るまでもない頑なさ持った女の子が、実は脆い存在で、そんな子を自分が守ってあげられる……とまで言い切るのは無粋だけどね』
「……はぁ……」
『恵子くんが現視研部室に入り浸るようになったのも説明できるかもしれないな』
「そうなんですか?」
『これはさえないジョークだと思って聞いて欲しいんだけど』
「はい?」
『春日部さんに母親を見たのかもしれないよ?』
「ぶはっ!」「え――それはないですよ――!」
『だからさえないジョークだってば』
『恵子くんがコーサカくんにちょっかいを出すのも、最初はコーサカくんの外見が目当てだったかもしれないけど、目的が変化しているようにも見えるんだよね』
「どう変わったって言うんですか?」
『コーサカくんにちょっかいを出すと春日部さんがかまってくれるからじゃない?』
「……んなバカな……」
『だからさえないジョークだってば、本気にしないでほしいなあ』
「……本気になんかしてませんよ」
『なんだったら春日部さんの感想も言ってあげようか?』
「……遠慮しておきます」
『コーサカくんもあれが天然じゃなくて抑圧の結果という事も考えられるし……』
「……いやホントマジでやめて下さいってば」
『……聞きたくなったらいつでも呼んでね』
「……覚えておきます」
『ちょっと話しすぎたかな』
「……そういえば斑目……」「いないし」
ぐったり疲れて、ため息をついて背もたれに全体重をあずける春日部さん。
何故か、久しぶりに煙草を吸いたくなった気がした。
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ちなみに途中の、笹原兄妹にあった事件というのはすっとこさんとしては「恵子が笹原のオナニーを見てしまった」説を推している。以前のSSで恵子に言わせた通り。根拠は以前本スレにうpした以下の文章。

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恵子はコミフェスに行った帰りに「今日はいっぱい買い物したもんねぇ!!」と、ぶっちゃけ言えば「今日それでオナニーしまくるんだろ? だから帰るよ」と言っているわけだが、よく考えると隠れオタクだった笹は高校時代、つまり実家で恵子と暮らしていた時代は同人誌に関してはまだ未経験だった筈だ。

なのに何故恵子は同人誌→エロ→オナニー→気を利かすという、コーサカで経験済みの春日部さんと同じ流れが速攻で出たか。ここで俺の持論を1つ。

「恵子が笹を猿呼ばわりしているのは笹のオナニーを見ちゃったことがあるから」

恵子初登場時セリフが「あ! 猿! おっせーよ」であり、それに対する笹の返事が「まだソレかよ」である。恵子には滅茶苦茶毒づくけど、サル呼ばわりされても一切否定や修整を求めないあたりの後ろ暗さも何やら過去にあったのだと想像できる。この辺は今後恵子が物語にどれだけコミットするかで明かされると想像する。

つまり恵子は少なくとも笹のオナニーに関してはあらかじめ承知しており、エロ同人誌等のエログッズを見れば「あーまたあれでオナるんだなーしょーがねーサルだ」という思考経験があればこそ、「今日はいっぱい買い物したもんねぇ!!」発言があっさり出たのではないか……、というのが俺の推論
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まぁ要するに妄想なんですが、もう1つすっとこさんに持論がありまして、「木尾士目はそれぞれのキャラに膨大な設定を隠しており、決して作中では明らかにしないが、性格付けや過去の記憶はその設定を元にしている」というものがある。端的に言えばオギーの過去は登場時から設定されており、2年弱かけてようやくほぼ全てが解明されたわけなんですが、実は登場人物全員にこのような過去の設定が存在し、個々キャラの行動様式に隠された過去の設定が関与しているのではないかという、まぁこれも妄想なんですが、そのような設定がある事を前提にして、その設定を推理したのが、これまで語られた文章なわけですね。

まぁすっとこさん、日々このような事を脳内で考えており、妄想力を鍛錬しているんですが、そんなこったから「あの」SSスレですら『でもまあ、行き過ぎかなあとも思いますけどもね。』とか言われるわけなんですよイエーイ。てゆうか自分でも結構行き過ぎていると思いますが、そんな俺からしてもげんしけん道はまだまだ先が長いわけで、これほど懐の深いマンガはそうザラにないですよ。ああ俺はこのマンガに出合えて本当によかった。

ちなみに自分のSSや、これからさらに書くであろう研究文章は、夏コミで本にするつもりです。そーとー濃い本になるだろうな。読者おいてきぼり。

ワンフェスレポート・げんしけん編

2006年02月19日 22時30分16秒 | げんしけん
というわけで行ってきましたよワンフェス。初めてだったんだけど、次回のワンフェスに出品しようとたくらむ友人と2人で朝の6時から行列。寒空の下4時間待ったけど、風があったとは言えそれなりの装備を整えて行ったのでそんなにつらくはなかった。

入って早速ワンダーショーケースのオギーとご対面。あーなるほど、このオギー、6巻20ページの1コマ目のオギー「じゃなくて」2コマ目のオギーなんだって事をフィギュアを横から確認して納得。5800円で買ってきたよ。でもせっかく作るんなら1コマ目オギーで作りたいねぇ。直立じゃなくて骨盤を傾けないといかんね。

カタログで唯一げんしけんの名前が載っていたディーラーに行く。うーん、すっとこさんが作っているのと同じコンセプトのピンキーだなぁ。でもちょっと塗装と造形が雑かなぁ。これでペアセットで4000円……うーん、パス。でも撮影した未塗装のを今見直すとそんなに悪く無い出来にも見える。でも筆でかすぎ。包帯の方単品で2000円だったら買ったかな。

何の目的も無くてれてれ会場を回っていると、大野さん発見。うーん、こりゃいい出来だ。ワンフェスのティファコスの大野さん。珍しくマンガ版だ。しかしサイズがでかいのと、いい値段なので悩みに悩んだ挙句これもパス。ちなみにこれもガレキね。ガレキ、要は完成品じゃないって事。

そういえばコスプレ広場で、4巻の会長コス春日部さんのコスプレと、3巻表紙大野さんのコスプレの人がいたよ。くじアンのコスプレはよく見るけど、げんしけんのコスプレを見たのは始めてかも、と、そんなすっとこさんももやしもんのコスプレして、会場で3枚ほど写真を頼まれた。マイナーコスはほとんど気づかれないけど、知ってる人に気づかれると大喜びされるのが嬉しいね。

というわけで初ワンフェス。開場には4時間程しかいなかったけど楽しゅうござんした。オギーガレキの他にはピンキーの改造パーツを少々購入。チャイナドレスも買ったけどこれはスーに似合うかも。それにしても振袖が売り切れていたのがつくづく惜しい。メイド服もロングスカート版が売り切れててミニスカート版買ってきたけど、これはまぁ安かったからいいかな。ああ楽しかった。夏はディーラー参加だぜ。モチベーション高まったあ!

よーやくコミケの申し込み完了したあああ

2006年02月16日 01時08分16秒 | 雑談
えーとすっとこさんがコミケに最後に参加したのが1999年の冬コミだった。それから数えて7年目の今年、いよいよ再びサークル参加者として有明の地に舞い戻るのだわうわぁ! あの時はもう(サークル参加として)戻る事もあるまいとか思ったんだけど、げんしけんともやしもんの魅力の前に再びオタクの血が騒いで本を出したくなってしまったのだわぁ!

というわけでオンライン申し込みしたサークルカットがこちら。大丈夫です元は白黒二値です。よく見るとこの二人出てるものの角度が違うだけで本数が同じだ。作品名も「○○し○ん」だ。これでまた1ページ埋まるぜとか思うから業が深い。下段は印刷サンプルを出力する気分。

それにしても懸案だったコミケ申し込みがよ――――やく完了して、これで思い残す事無くフィギュアに取りかかれるー! てゆうかここしばらくサークルカットに悩んでいたので、本スレへの作品論発表やモテモテスレへのネタ発表が進む進む。ちなみにSS斑恵ネタの続きも思いついて、いやー逃避ってたまにはいいもんですねぇ。

えーと今日が水曜日、日曜がワンフェスだから、あと3日あるな。今日はもうぼちぼち寝るとして、明日からまた頑張るぞ――――! うきうき!(嬉しそうだー)

更新が滞ってますな

2006年02月12日 12時22分12秒 | 雑談
最近更新が進まなくていけませんね。コミケの申し込みがプレッシャーで(本当に書けるの?本当に出せるの?マジであんな感じ)、申し込み用紙を前にウンウン唸って、つい逃避でゲームしたりモテモテスレのネタを考えてしまう毎日です。

mixi方面でもげんしけんに関係の無い大きめのオフの企画を立て始めているので、なかなか気が休まらないところ。まぁゴールが半年後だとして、今から気ばっかり焦っても仕方ないので、マターリとしたお付き合いと更新待ちをお願いしたい。少なくともワフェスまでにピンキーの大野さんとスーは目処付ける事にします。