池澤夏樹の『キップをなくして』を読んだ。
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キップをなくして改札から出られなくなった子供たちが東京駅で暮らす。駅の子(ステーションキッズ)と呼ばれる彼らは、学校に行かず不思議な力をもって通学する子供たちを手助けする。駅の子のなかには亡くなっているミンちゃんがいて・・・。
主人公イタルが駅の子になり、駅の子として東京駅で生活し、ミンちゃんを天国へいざなって、駅の子を卒業していくお話し。クライマックスはミンちゃんを天国まで送るために北海道へ旅するくだり。けっこう地味なファンタジーで、つっこみどころ満載だが、なかなかに楽しく読める作品だ。