宇佐美まことの『入らずの森』を読んだ。
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平家の落人伝説の残る四国の山村が舞台。過去に起こった猟奇的な殺人犯の射殺事件と中学校の校長が起こした殺人と、廃校予定の中学校を中心に描くミステリー仕立ての作品で、ちとホラーの要素が強いかなぁ。
お話の舞台とは関係のないさいたまの病院と、天井裏からしか見られない女の子と、どう収斂するのかと思いながら読み進めたが、なかなかに興味深い展開で、それなりに面白く読めるのだが、好き嫌いがはっきり分かれそうな作品。
以下ネタバレを含むので未読の方は読まないように。
菌が意思を持って人にとりつくとか、亡くなる直前の老婆が少女の姿で何かを伝えるために現れるとか、ちと荒唐無稽なお話で、ついていくのが精一杯だが、そのあたりをうまく咀嚼できれば楽しめる作品だと思う。