大石英司の『神はサイコロを振らない』を読んだ。
10年前に行方不明になった旅客機が突然現れた。時間軸のねじれで、搭乗者たちには10年の時間経過はなく、死んだと思っていた家族たちは10年ぶりの帰還に喜ぶ。しかし、量子力学の計算によると、搭乗者たちは3日後には消えてなくなる予想だった。
SF的な上記設定の中で、一部の搭乗者たちとその関係者たちを描く作品。搭乗者には、駆け落ちしたカップル、天才と称された高校生テニスプレーヤー、代議士の父親を殺そうとして上京しようとした高校生、美貌のチェリスト、一人で搭乗した5歳児、殺人犯など。
なかなか面白く読めるお話しで、一気に読了。ちょっと切ないが、読み応えある作品だ。