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友人との会話である。
「有難う。本返すよ。」
「どうだった?」
「懐かしかったね。」
「内容は覚えていた?」
「読んでいくうちに思い出して来たね。」
「随分昔読んだんだものね。」
「この漫画は少年倶楽部で何年続いたんだって?」
「昭和6年の1月号から昭和16年の10月号まで11年続いたらしいね。」
「昭和6年というと満州事変がはじまった年だね。」
「うん。満州事変は昭和6年の9月にはじまったんだね。」
「そうするとのらくろはその前に始まっているんだね。」
「そういうわけだ。」
「そして連載が終わったのは日米戦争がはじまった年なんだね。
何故連載が終わったんだろう。」
「内務省からの圧力のようだね。この本の第1集のおわりに、もと少年倶楽部
の編集長だったKさんが書いているね。
『内務省の役人から、この「戦時中に漫画などというふざけたものは掲載を許さん。」と言われて止む無く打ち切りにした』”って。」
「内務省がねー。今で言うと警察庁にあたるのかね。」
「そういうことになるのだろうね。」
「『漫画などというふざけたもの』 なるほどね。」
「軍隊は漫画の対象にしてはいけないのだね。」
「そうだね。軍隊で大尉のような位の軍人ががヘマをして読者を笑わすなんてことは
ありえないわけなんだ。」
「そしてその直後の12月に日米戦争がはじまったんだね。」
「そうだね。でも日米戦争のあとまで連載されなくてよかったかもしれないよ。」
「そうだね。軍部の圧力で変な漫画になっていたらのらくろのイメージダウンだったね。」
「でも昔の役人ははっきり言うものだね。」
「そうだね。今なら、『のらくろのような漫画は今の時節にあうかどうかは自主的に良識で判断して下さい。』、とかなんとか言うのだろうね。」
「そうだね。そして圧力など一切かけていないというのだろうね。」
「そうだね。」
「そして、のらくろは最後に何と言って軍隊をやめているの?」
「のらくろは、 連隊長には
『「自分はこのたび思うところあって予備役をねがい出ましたところおききとどけくださってありがとうございました。』」
「思うところねー。」
「自分の部下の兵隊には、
『「兵隊をやめて、べつの方面から国につくそうと思いたたったので、諸君ともお別れすることとなった。』と言ってるんだね。」
「なるほど。」
「読者には、
『諸君 ぼくが猛犬連隊をやめたのは深い考えがあってのことです。ではまたどこかでお会いしましょう。』 これが最後の言葉だね。」
「なるほど。この辺は少年倶楽部の編集長が事前に内務省に行って、この台詞でいいですか?とお伺いを立てていたんだろうね。」
「当然そうだろうね。」
「いやな時代だったんだね?」
「そうだね。もう60年くらい前の戦時中だからね。
―――でも何か似たようなことが最近あったような気もするね。」
「まさか。そんなことはないだろう。」
「いずれにせよ、のらくろは懐かしいね。」
「そうだね。今のはやり言葉で言えば、チョー懐かしいよ。」
(おわり)
「有難う。本返すよ。」
「どうだった?」
「懐かしかったね。」
「内容は覚えていた?」
「読んでいくうちに思い出して来たね。」
「随分昔読んだんだものね。」
「この漫画は少年倶楽部で何年続いたんだって?」
「昭和6年の1月号から昭和16年の10月号まで11年続いたらしいね。」
「昭和6年というと満州事変がはじまった年だね。」
「うん。満州事変は昭和6年の9月にはじまったんだね。」
「そうするとのらくろはその前に始まっているんだね。」
「そういうわけだ。」
「そして連載が終わったのは日米戦争がはじまった年なんだね。
何故連載が終わったんだろう。」
「内務省からの圧力のようだね。この本の第1集のおわりに、もと少年倶楽部
の編集長だったKさんが書いているね。
『内務省の役人から、この「戦時中に漫画などというふざけたものは掲載を許さん。」と言われて止む無く打ち切りにした』”って。」
「内務省がねー。今で言うと警察庁にあたるのかね。」
「そういうことになるのだろうね。」
「『漫画などというふざけたもの』 なるほどね。」
「軍隊は漫画の対象にしてはいけないのだね。」
「そうだね。軍隊で大尉のような位の軍人ががヘマをして読者を笑わすなんてことは
ありえないわけなんだ。」
「そしてその直後の12月に日米戦争がはじまったんだね。」
「そうだね。でも日米戦争のあとまで連載されなくてよかったかもしれないよ。」
「そうだね。軍部の圧力で変な漫画になっていたらのらくろのイメージダウンだったね。」
「でも昔の役人ははっきり言うものだね。」
「そうだね。今なら、『のらくろのような漫画は今の時節にあうかどうかは自主的に良識で判断して下さい。』、とかなんとか言うのだろうね。」
「そうだね。そして圧力など一切かけていないというのだろうね。」
「そうだね。」
「そして、のらくろは最後に何と言って軍隊をやめているの?」
「のらくろは、 連隊長には
『「自分はこのたび思うところあって予備役をねがい出ましたところおききとどけくださってありがとうございました。』」
「思うところねー。」
「自分の部下の兵隊には、
『「兵隊をやめて、べつの方面から国につくそうと思いたたったので、諸君ともお別れすることとなった。』と言ってるんだね。」
「なるほど。」
「読者には、
『諸君 ぼくが猛犬連隊をやめたのは深い考えがあってのことです。ではまたどこかでお会いしましょう。』 これが最後の言葉だね。」
「なるほど。この辺は少年倶楽部の編集長が事前に内務省に行って、この台詞でいいですか?とお伺いを立てていたんだろうね。」
「当然そうだろうね。」
「いやな時代だったんだね?」
「そうだね。もう60年くらい前の戦時中だからね。
―――でも何か似たようなことが最近あったような気もするね。」
「まさか。そんなことはないだろう。」
「いずれにせよ、のらくろは懐かしいね。」
「そうだね。今のはやり言葉で言えば、チョー懐かしいよ。」
(おわり)
さすがにこの辺は私も知っています、年上の従兄弟が持っていてなかなか見せてくれない、彼が留守の時におばさんにそっと見せてもらった記憶があります、それを全部持っているとは・・・!!
そのほかに「タンクタンクロー」と言うのがありましたね、冒険ダン吉はもう少し後になるのですか?そうふくちゃんも忘れられませんね
そうです。表紙は布張りでしたね。表紙一杯に大きくのらくろの顔だけが書いてありましたね。
私は上は姉だけで兄はいませんでしたので、家には「のらくろ」はありませんでした。兄さんのいる友達から借りた「のらくろ」は古くなっていて布が表紙からはがれかけていました。
私の国民学校時代にはもう紙が不足しており新たな「のらくろ」の出版はなかったようです。
懐かしいですね。
本書は3巻の退役迄は読みました。家にあったので。
4巻の存在は知りませんでした。そうか、講談社だったのか。
のらくろって、とても侠気に溢れていましたよね。
しかも、「猛犬聨隊は正義の軍隊である。用もないのに他国を侵略する様な野蛮な軍隊ではない。戦争がなくて世界が平和ならこれ程有難い事はないではないか。」と迄曰い、本当の軍事・防衛の在処を示していました。
この言葉は、自身としての国際紛争感を決定付けました。
そんなのらくろが"やらかした"、最大の珍事。
風呂を沸かすのに薪がなかなか燃えないのに業を煮やして持ち出したものが南斗!"爆裂弾"…詰まり爆弾です。これで風呂焚きを楽にしようとしたらどっこい、風呂場が爆散しました。聨隊の兵士は間一髪脱出しましたが、この結果のらくろが重営倉行きに。
ここは噴きましたね。
のらくろの存在はアニメで知りました。
原作はこんなノリだったのでした。
(以外にも唯一、戦死者が出た巻もありましたね。この時ののらくろは墓前で泣き崩れていました。元ネタがあったのはつい最近知った事実。)